そうだエロ動画研究部をつくろう   作:しまばら

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策士、散る

 [9月20日:空き教室:放課後]

 

「よし、半裸男。これから第一回なんの部活を作っていくか真剣に考える会を開催していく。準備はいいか?」

 

「このチンポ野郎」

 

「よかろう、戦争だ」

 

 僕はあれから晴れて半裸男の名が定着していた。定着したものは仕方がないので今現在僕は半裸である。

 

「とは言ってもなんの部活をつくるのさ?」

 

 スポーツ系はいやだな。黒歴史がうずくからね。

 

「俺たちが青春を捧げるに相応しい部活動を作りたいと思う。そこでだ、今から青春とはなにかについて考えていこうと思う」

 

 青春か。ボンチよ、それは多分答えのない問だと思う。

 

「青春と言っても人によって違うんじゃないかな?」

 

「お前にしては鋭い意見じゃないか」

 

 ボンチは今日も切れ味抜群のようだ。

 

「確かに青春の定義は人によって違う。スポーツが青春だと言う奴もいれば恋愛が青春だと抜かす奴もいる。千差万別多種多様、姿を変える化け物のような奴だ。しかし、この問いに答えを出さずして俺たちの部活動建設は始まらない!」

 

「つまり僕たちにとっての青春をハッキリさせないとなんの部活を作っていいかわからないってことだね?」

 

「ふっ、その通りだ。相棒よ」

 

 どうでもいいけど僕がボンチにとっての相棒だったら、ボンチは僕にとってのなにになるんだろうか?上司?同僚?クラスメイト?いやボンチはチンポチンポ。ただのチンポさ。

 

「おうよチンポ!」

 

ドスッ

 

 最近殴られること多いよね。

 

そう思う。

 

 

 

 

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 僕が思うに青春とはエロスだ。

 

 男子高校生が突き当たる大きな壁の一つに性への欲求と言うものがあると思う。本能では性欲を楽しみたいが、自我が性欲を遠ざけている。そこに戦いがあり、葛藤がある。だがこの戦いに負けはない。皆一様に性欲を胸に抱き大人になるのだ。

 

 大事なのは戦いの過程であり、結果ではない。どう戦ったかがその後のエロスへの評価につながる。皆が様々なエロスを持っているのは、それだけ戦いがあった証なのだ。

 

 ではなぜ青春がエロスなのか?

 

 大人に青春とはなにかと聞くと、大概一つの事柄をあげる。恋愛、スポーツ、学校生活いろいろある。しかし、ここで重要なのはいろいろある事ではない。一つの事柄のみを挙げると言うことである。

 

 それはつまり青春とは自分の若かりし頃、最も自分の中心にあったもの。もっと言えば振り返った時に最も自分に影響を与えていたもの。これなのではないかと僕は思う。

 

 そう仮定すれば後は簡単だ。自分の胸に手をあてて耳を澄ましてみる。

 

 そうすれば聞こえてくるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青春とはなんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エロスです!

 

 

 

 

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「ボンチ、決まったよ」

 

「奇遇だな、俺もだ」

 

 心なしか空が晴れ渡っている気がする。あ、あの雲おっぱいみたいだな。

 

「一斉に言うぞ」

 

「うん」

 

「「せーの」」

 

 

 

 

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 [9月21日:職員室:放課後]

 

「と言うわけで、僕たちはエロ動画研究部をつくりたいんです」

 

 長々とこの部活の作成秘話を話したせいか僕の肌は汗ばんでいる。まぁ半裸だからすぐ乾くだろう。

 

「いゃ、あのね。君たち…正気?」

 

 どうやら先生は僕たちの崇高な理念に元ずくエロ動画研究部のあらましを理解できなかったようである。もう一回言うのは骨が折れるから言わない。だから目で訴えるんだ。

 

「いゃ、目で訴えられても…ねぇ」

 

 仕方がない。あれをやるか。

 

「ボンチ、準備だ!」

 

 事前の打ち合わせ通りボンチが職員室の扉を蹴破りアメリカのB級映画よろしく飛び込んできた。いや、それは打ち合わせにはなかった。

 

「まあ先生方、これを見てください」

 

 ボンチは職員室に備え付けのスクリーンに、手に持っていたCDを差し込むと僕の横に来た。

 

 これは僕とボンチが徹夜で考え抜いた至高の策である。策士である僕とボンチの天才的頭脳があれば先生どもを丸め込むのなんてお茶の子さいさいなのだ。

 

 お、動画が始まった。僕たちの作戦……その実態は

 

 

 

 なんやかんやで先生と一緒にAVを見てエロスの虜にして、なんやかんやで部活の創部を認めてもらう。完璧な作戦である。

 

 この日のために数多のAVを見てきたが、今日は人類稀に見る素晴らしいAVを見繕ってきた。え、どうやって入手したのかって?ハワイで親父が買ってきたんだよ。

 

 さあ目にとめろ、これが世紀のアダルトビデオ、その名も

 

 

 

 

 

「〇校教師驚きの実態!JKに迫る魔の手!弱みを握られた彼女の行方は如何に!?」

 

 

 

 うん、完璧だな。だって冒頭なのに僕の息子はこんなにハイテンション。隣のボンチなんて前傾になりすぎて長座体前屈してるみたいになってるもん。

 

 おもえば職員室にいる殆どの男子教師は机に覆いかぶさっているように見える。よし、あと一押しだ!

 

 ぶちり

 

 突然スクリーンの映像が途切れた。一体なにがあったんだ!?

 

 あ、内藤先生だ。内藤先生がめっちゃいい笑顔でこちらを拝んでいらっしゃる。と言うかコンセント千切ってらっしゃる。素手で千切ったのか。はははははは、すげー馬鹿力だなー。

 

 今気づいたけど僕の体、汗まみれじゃないか!これは…冷や汗!?

 

待て、僕は内藤先生に恐怖しているというのか。くそ、このままでは創部どころか命が危うい!ボンチは…

 

 

 

 

 

 

土下座してやがる。

 

 くそ、こうなりゃヤケだ!勢いで押し通せ!大丈夫僕は策士、諸葛亮の生まれ変わり。この叫びは明日への一歩に繋がるはず!

 

 

「青春は……エロスだあぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後僕が土下座したのは言うまでもない。

 




青春ってなんなんすかね
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