そうだエロ動画研究部をつくろう   作:しまばら

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奇人爆誕

 [9月25日:空き教室:放課後]

 

「同士を探そう」

 

 ボンチはいつだって突然だ。今も思い立ったように突然口を開き、良く分からないことを口走っている。

 

「どういう事だい?」

 

 僕は先週の大敗を喫してからすこぶる元気がない。当然だ。エロ動画研究部の創部が却下されたのだから。僕の策を持ってしても加藤先生と言うラスボスは攻略できなかった。策士としてのプライドはズタボロバンバンだった。

 

「思うに先週の大敗は人員不足による攻め手の少なさにあると思うんだ。2人だけだとエロ動画を効率的にPR出来ない。ただでさえ内藤と言うラスボスがいるのに俺達2人で臨んだのが馬鹿だったのだ」

 

 ハッとした。なるほど。確かに2人であの暴力の権化内藤に挑むのが間違っていたんだ。見落としていた。大切なものは目に見えないとはよく言ったものだ。

 

「わかったよ、ボンチ。同士を探そう」

 

「おうよ、相棒」

 

 夕日が眩しい。多分僕たちの新たな門出を祝福しているからだ。どこかロマンチックな雰囲気が漂う。

 

「どうせだったら女の子と一緒に見たかったな、夕日」

 

「俺もだドアホ」

 

 

 

 

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 [9月26日:教室:昼休み]

 

 同士。いい響きだ。同士って言うだけでなんか幕末っぽい。

 

 僕は結構ミーハーなところがあるようだ。

 

「なあノブオ、同士になろうぜ!」

 

 僕は後ろの席でDSをやっているノブオに声をかける。

 

 ノブオ、無視。

 

「いいか、ノブオ。僕たちはエロスを胸に抱いて内藤に立ち向かう。そういう運命にあるんだよ!」

 

 ノブオ、無視。

 

「おい、ノブオ。スク水とビキニってどっちがエロいと思う?」

 

 ノブオ、無視。

 

「やっぱスク水だよな!肌が隠れているからこそ想像力は爆発するんだ!いやーわかってるな、ノブオは!」

 

 ノブオ、無視。

 

 僕は満足したので顔を前に戻した。よしノブオ、お前がそうなら僕も戦うぞ。

 

 僕は隣で化粧しているサエコ嬢の机に銭を置いた。金額は126円。僕の全財産だ。サエコ嬢に目配せすると彼女は頷き髪を整えた。

 

「ノブオく~ん。半裸と同士になったげてよ~」

 

「あばばばっば、はい!よろろろろおぉこんで!」

 

 ノブオ、ちょろい男である。いつもDSやりながらサエコ嬢の事チラ見しているのは把握済みなのさ!

 

 さて勝利の余韻に浸りながら、ジュースでも買ってくるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、金ないんだった…。

 

 

 

 

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 いじめの定義。これは非常に難しい。いじめは受けてる側とやってる側では受け取る尺度がまったく違うのだ。ほんのちょっと突いてみる。やった側は些細な悪戯かもしれない。でもそれは受ける側は地獄の業火に焼かれるよりもつらい事かもしれない。なにはともあれいじめなんてやんない方がいいしやってもいいことは何にもない。それが真理だ。

 

 話は変わるが僕は今背から消しゴムのカスを沢山投げられている。これはいじめだろうか。いや、この現象の原因は僕にある。それは何かと言うと先ほどの休み時間、ノブオのDSを僕が奪ったのだ。余りにも口をきかないノブオへの腹いせだったのかもしれない。

 

 DSを奪う、これはいじめだ。僕はノブオをいじめた。すまんノブオ。

 

 僕がノブオをいじめたのでノブオは僕をいじめる。まるでメビウスの輪の如く終わらないループが始まっているではないか。無限ループって怖いよね。

 

 この不毛な争いに終止符を打つべく僕は後ろにDSを投げ込んだ。よし、これで静かになるだろう。

 

 ん?なんかノブオが誰かと喋ってるな。どれ見てみるか。

 

 あー、なるほど。僕の投げたDSはノブオの後ろの席のアヤカさんにあたったらしい。

 

 これまでノブオについて観察してきて分かったことが1つある。それはノブオは女子とまともにコミュニケーションが取れないと言うことだ。つまりノブオは女子アレルギーなのである。

 

 今ノブオとアヤカさんが言い争っている件については完全に僕が悪い。のでノブオはその旨をアヤカさんに伝えれば良いのだが、ノブオの女子アレルギーがMAXパワーで働いているため状況がこんがらがっているのだ。

 

 よし、ここは僕が人肌脱ぐか。

 

「ノブオ、チャンスだぞ!アヤカさんと仲良くなれるビッグチャンスだ!」

 

「ももとわと言えばばば、きみみみが僕のののDSを投げたのがくぁwせdrftgyふじこlp」

 

 ノブオがついに人語を忘れたらしい。仕方ない、僕がフォローするか。

 

「あ、アヤカさん。すいませんね、こいつシャイなボーイでね。あなたと喋れたのが嬉しくて人語を忘れちゃってるんですよ!」

 

「ふぉああぁあぁっぁぁ」  ※ノブオ

 

「え、そう…なんです、ね」

 

 擬音でコミュニケーションを取ろうとしているノブオは、ある意味コミュニケーション能力高いのかもしれない。

 

「えッと、ノブオさんってとても個性的な方なんですね(にこっ」

 

「おぉぉぉおおぉいぇえええぇえっぇえ」  ※ノブオ

 

「お、やったなノブオ!仲良くなれたじゃん!」

 

 桜の咲く季節はとうに過ぎ、夏の終わりに差し掛かっているけど、この場所に小さな春が来たことは確かだ。その桜、咲かせよ、ノブオ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なおこれら全ては授業中に起こったことである。僕らのやり取りはもちろん、ノブオの奇声はクラス中に響き渡っていたのは言うまでもないだろう。

 

 次の日からノブオは奇人と呼ばれるようになった。

 




主人公は一時のテンションに身を任せて身を滅ぼすタイプ
ボンチは自分から身を滅ぼすタイプ
ノブオはなにをやっても身が滅びるタイプ
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