流行りに乗って書いてみたヒーローアカデミアver.イバラギン   作:Gesamtsieg

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間隙:ここから始まる

二月。それは微妙な季節である。

 

年によっては春であるし、年によっては冬。はたまたその中間か。

 

その点でいえば今年の二月は冬のようだ。道に沿うように生えている木々は未だに葉っぱの一つもつけていない。後寒いし。寒がりの俺としては一刻も早く春一番が吹いて欲しいと常々願っている。

 

だが今年の二月に関しては、また少々事情が違う。

 

お受験戦争。各教育機関の最高学年―――大学生は除く―――に属する生徒が、もれなく経験するという地獄だ。忌々しいことに、俺はその真っただ中、それも最終決戦の場に巻き込まれてしまっている。

 

同じような背格好の学生たちに紛れて、俺は桜の参道を進む。隣には咲夜。いつも通り凛とした顔で校舎観察に余念がない。

 

えらく機械的な校門を通り抜けると、前方には背の高い校舎が聳え立つ。学校というよりはまるで、二本建ての近代ビルが渡り廊下で繋がっているような感じだ。しかし、受験生はこちら、と書かれた案内板や道脇のヒーローたちの胸像がここが教育機関であることを認識させる。

 

―――雄英高校。数多のプロヒーローを輩出してきた名門校。それが俺の戦場だ。

 

 

 

 

 

『今日は俺のライヴにようこそー! エヴィヴァディセイヘイ!』

 

えらく威勢のいい声がだだっ広い講堂に響く。マイクを使っているから、というだけではないだろう。よく通る声と、無駄に高いテンションのせいである。

 

教壇にあたる位置でマイク片手に叫ぶ彼の名はプレゼント・マイク。一応はヒーローのはずだが、何故かMCだの司会だののイメージが強い不思議なヒーローだ。

 

受験生たちはデフォルトで高い彼のテンションについていけず、空間は静寂に支配されている。いや、むしろこの空気の中ではっちゃけろという方が無理か。

 

しかしプレゼント・マイクは大して気にした様子もなく、そのテンションのまま言葉を続ける。何故彼を実技試験の説明係に選んだのだろう。俺としては緊張がほぐれて助かるが、一般の受験生にとっては困惑しかないんじゃなかろうか。

 

『入試要項通り! リスナーにはこの後! 十分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!』

 

要項はこうだ。

 

持ち込み自由。演習場に放たれている四種・多数の仮想敵を行動不能にし、ポイントを稼ぐ。敵の強さごとにポイントが設定されており、多分ポイントが高い順に上から合格者を選んでいくのだろう。ちなみに他の受験生への攻撃は禁止。飽くまでヒーローのルールに則れということだ。

 

だが、プリントには四種と書いてあるのに、プレゼント・マイクの説明では三種とある。他にもそれに気づいた学生もいたようで、その間違いを大声で指摘、もとい抗議している。もろに委員長っぽい受験番号7111君は、それを単純な間違いだと思ったようだ。

 

だがそれはすぐさま否定された。四種目はアホほど強く設定されたゼロポイント敵で、マリオでいうところのドッスンのようなものだという。つまりあれだ。ドラゴンズドグマでいうデス。ドラクエ5でいう序盤のゲマ。モンハン2Gでいう初見のティガレックス。他にもetcetc。

 

あれ? 倒せるんじゃね。そんな気がしてきた。

 

ちらと右隣を見る。薄紫色の長い髪の少女がプリントを放り出して、眠っている。天井に向けた整った顔には、同じく紫色の眼帯を装着しており、真横から見ればアイマスクをしているようにも見える。

 

机に投げ出されたプリントには、要項の他に実技試験の会場も書いてある。左隣の男子学生とは違う会場であるものの、俺の会場とは同じ。この分だと咲夜と同じ会場とは限らんな。二人とも受かるにはそっちの方が都合いいけど。

 

『‘‘Plus Ultra''』

 

プレゼント・マイクが校訓を叫ぶ。それにて説明会は幕を閉じたのであった。




少ない? 是非もないネ!

どうかご容赦を。バイト、学校、本業と、てんてこ舞いでござるのです。
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