純粋な力のみが成立させる、真実の世界を   作:ティッシュの人

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久しぶりの難産だったので初投稿です。

マジここら辺話うろ覚え。

あと、少尉☆2になりました。落ちないといいなぁ……


#11 偽装

 結局、クラス対抗戦は闖入者によってお開きとなりスイーツ半年食べ放題の話も立ち消えになった。そんな中、1組は再び慌ただしい雰囲気を醸し出していた。

 片方はフランスからやって来た金髪の美少年、シャルル・デュノア。片方はドイツ軍から派遣された織斑千冬の元部下、ラウラ・ボーデヴィッヒ。戸惑うシャルルに対して我関せずを貫くラウラ。だが、マクギリスはシャルルに対して違和感、いや確信を抱いていた。

 

(シャルル・デュノア。彼は、いや彼女は男ではない)

 

 マクギリスが1番に気になったのは骨格や筋肉の付き方だ。マクギリスほど鍛えていないにせよ、男性ならば多少なりとも筋肉が付いているものだ。IS乗りの女性もまた然り。だが、シャルルの骨格はどちらかと言えば春万よりも鈴に近い付き方だった。

 それに、喉仏も出ていない。15、16の歳になれば多少なりとも喉仏の兆候が見えてもいいはずだ。しかしシャルルにはそれがない。この二つの点からマクギリスはシャルルを女性と見ていた。後は男装で学園に入ってきた理由だが……

 

(恐らく、俺や織斑春万のデータを奪う為だろうな)

 

 『イグニッションプラン』から外れてしまったフランスのデュノア社は何とかしてでも第三世代のデータを取らなくてはならない。そのためにシャルルを男装で忍び込ませたのだと確信した。男子ならば同じだと思って心を許すかもしれないからだ。

 何にせよ、警戒を強めなくてはならない。そう感じたSHRの時間だった。

 

――――――

 

 その日の授業は、2組との合同練習だった。故にマクギリスは着替えるため、更衣室へと向かうところだった。

 

「なぁ〜、ファリド!お前も一緒に行こうぜ?」

「断る。第一ただ着替えるだけなのに群れる必要は無い」

「そんなつれないことを言うなよ、なぁシャルル?」

「う、うん。そうだね」

 

 春万とシャルルという面倒な二人に絡まれていた。何が面倒かと言われれば……

 

「あ、あの三人発見!」

「シャル×マク、マク×春、春×シャル……ムフフ、夢が広がりますなぁ!」

「捕まえるわよ!」

 

 こうなる。タダでさえ男子が少ないIS学園だ。その少ない3人が固まっていれば、このように狙い撃ちされるのは必然だ。

 そんな中、マクギリスは春万の後ろに立つと女子の集団の中に春万を押し込んだ。

 

「な、何すんだよファリド!」

「……行くぞ、デュノア」

「う、うん……その、ごめんね、春万くん」

「この裏切り者ぉ!」

 

 その後、遅刻した春万が鬼と化した千冬に叩かれたのは語らずもわかるだろう。

 

――――――

 

「凰、オルコット、ISを展開しろ」

 

 千冬に言われると二人はすぐ様ISを展開して、火花をバチバチと散らす。二人とも代表候補生のためか対立心が強いようで、売り文句に買い文句と言わんばかりに口撃をしていた。

 

「馬鹿者、お前らはタッグだ。そして戦ってもらうのは……」

「う、うわぁぁああああ!!!退いてくださいぃぃいいいい!!!」

 

 そんな声とともに上から降ってきたのは二つの巨大な双丘を揺らした山田真耶教諭だった。そのまま地面へと追突したのか物凄い音と衝撃、そして土煙を上げた。だが不思議と中からは喘ぎ声のようなものが聞こえてくる。

 

「あっ、あのですね?そ、そういうことは、二人っきりとか……あん、そういう場所でするものであって、こんな皆に見られたところでは……」

 

「春万ぁ!」

「ち、違う!これは不可抗力でぐぁっ!?」

 

 くだらないと思ったのか、マクギリスはため息をついた。そんな彼の様子を見ていたのか、千冬は彼に対してある命令を出した。

 

「ファリド、お前が彼女とタッグを組め」

「……私が?」

「そうだ、わかったな?」

「……了解です」

 

 まさか、彼女とタッグを組むとは……と思うと同時に、鈴と戦うことになるとは……とも思っていた。ルームメイトで気が知れている仲とは言えど、このように戦うとは()()考えてもいなかったのだから。

 

「マクギリスさん、容赦はしませんことよ?」

「マクギリス!アンタ負けたら私に今日の晩御飯奢ってもらうからね!」

「……やれやれ、お転婆なお嬢様だ」

 

 だが、やはりそんな鈴の様子を見ているとどうも、アルミリアを思い出してしまう。それは元々染み付いたものなのか、それともマクギリスが意識しすぎているだけなのか。

 そんなことは露知らず、千冬が開始のホイッスルを鳴らすと鈴がマクギリスの方に突っ込んできた。マクギリスは剣で弾き返すと蹴りを入れて鈴を元の方向へと戻す。

 

「くぅ……やっぱり近接じゃあ勝てないわねぇ!セシリア、援護お願い!」

「その上からの態度は気に入りませんが……いいでしょう!行きなさい、『ブルーティアーズ』!」

 

 流石は代表候補生。何の示し合わせもなく多少の連携が出来るのは凄いことだ、とマクギリスは思う。だが、そんなことで挫ける彼ではない。マクギリスは真耶へ指示を飛ばすと自分は、鈴の方へと飛び込んで行く。

 

「ふん!私を舐めすぎじゃないかしら!セシリア!」

「……くっ!」

「……セシリア?」

 

 鈴は嫌な予感を感じ、セシリアの方を向いた。すると彼女は真耶にタイマンの状況を作られていた。インターセプターを取り出したセシリアはかなり不得手な格闘戦を強いられているようだった。だが、大事なのはそこではない。タイマンを作られている彼女の援護が飛んでこないということは、こちらも1対1のタイマン状態となってしまっているのだった。

 

(不味っ、逃げないと!)

「余所見をする暇があるのか?」

「なぁ!?」

 

 秒数およそ2秒ほどか。その程度しか鈴はセシリアを見ていなかったのにも関わらず、マクギリスは一気に距離を詰めると両手の剣を横一文字に振り払う。鈴は何とか双天牙月で受け止めて、反撃の布石になる龍砲を撃とうとするが、目の前にマクギリスはもう居なかった。

 

「ど、何処よ!?」

「……遅い!」

「う、上っ!?」

 

 マクギリスは空中で一回転すると一気に下に剣を突き刺す。鈴は後退して避けていくが、そのままマクギリスのラッシュを受け流すだけでドンドン後ろに逃げてしまっていた。そして、その先には。

 

「鈴さん!?」

「セシリア!?……って、がぁ!?」

「……終わりだ!先生!」

「はい!ご、ごめんなさい!」

 

 二人が驚いている隙にマクギリスが両手のバエルソードを投げて二人を拘束、そこに真耶がグレネードを撃ち込むという完璧な連携を見せたのだった。セシリアと鈴のSEが無くなったため、二人のISが粒子化されるのを見ながら、マクギリスは真耶の方向を見るとお辞儀をした。

 

「態々ありがとうございました、こんな無茶な作戦に付き合っていただいて」

「え、えぇ!大丈夫でしたよ!私だって先生なんですから、これくらい大丈夫です!」

 

 真耶は二つの巨大な双丘を思いっきり揺らしながら自慢げに答えた。マクギリスが真耶に提案した作戦というのは所謂分断作戦だった。バエルの機体性質上、1対1は得意だが2対1の状況を得意としない。何故ならばバエルの射撃は格闘レンジへの布石なだけであり、射撃戦自体を得意としないからだ。この作戦は相方に対してかなりの無理を強いる作戦であったが、マクギリスは真耶ならばやってくれるだろうと確信していた。

 それは真耶のラファールリヴァイブを一目見たときから気づいていたことだが、彼女の機体は現行機のスタンダードタイプに較べてかなりのチューンが施されていた。チューンが施されているということは、機体のことをよく知っているという証拠だ。伊達に日本の代表候補生をやっていなかったということだろう。

 

「これが教師の実力というものだ。これからは教師を甘く見ないように」

 

 千冬がこれ見よがしに綺麗に締めると、見ていた生徒達は歓声を上げた。しかしながら、箒と春万はあまり良くは思っていなかった。

 

「……またアイツだけ目立ちやがって……」

「春万に何故戦わせないんだ……!あんないけ好かない男よりも遥かに強いというのに……!」

 

 少年少女達のそんな考えは誰の耳にも届くことはなかった。無論、鈴やセシリアと戦いの振り返りをしているマクギリスの耳にも。




どうも、ティッシュの人です。

長らくお待たせしました、#11となります。さて、次回はタッグマッチ戦の途中までは進めたいと思います。#25で終わらせたいからね!オルフェンズ1期と同じように!というか、展開は決まってるけどそれを書く文才が無いです、悲しいかな。

ということで次回『#12 ヴァルキリートレースシステム』お楽しみに!
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