Change yourself,Keep yourself. 作:バーテックスケベ
まだまだ未熟者ですが、頑張ります!
三好も含めた全員が再び武器を構える。
互いに出方を伺っている間にヒルコの姿を観察する。
頭に2本のねじれた角が生え、両腕に籠手らしきものを着け、そこに30cm程の鋭い爪が付いていた。
シルエットはより人型になり、まるで忍者のような服らしきものを着ていた。
大型バーテックスの特徴を受け継ぐだけという以前の4体とは明らかに違う変化だった。
「なによ、コイツ!」
「大赦から来たなら報告くらい受けてるでしょ!コイツがヒルコよ!」
ヒルコを見た三好が叫び、それに風が答える。
「なっ⁉︎コイツがヒルコですって⁉︎全然、報告と違うじゃない」
「おそらく既に変形したものかと……」
「っ、そういうことなのね」
「くるわよっ!」
東郷の返答に呻く三好。
しびれを切らしたのか、ヒルコが突進してきた。
『 m a a a a a ! 』
「コイツ、早いっ⁉︎」
「……フッ!」
真っ直ぐ突っ込んできたヒルコをハルバードで迎撃するが、両腕の爪で防がれる。
やはり打ち合った衝撃以上に腕が痺れるという妙な手応えがある。
「はあぁぁぁ!」
「おりゃぁぁ!」
俺と競り合い無防備なヒルコを両サイドから風と三好が斬りつける。
しかし、ヒルコはそれを後ろに飛ぶことで回避する。
避けられた風の大剣が地面にあたり土煙を立て、一瞬ヒルコを見失う。
「ハッ!」
すぐさま風を操り土煙を吹き飛ばすが、ヒルコはいない。
「なっ、いない⁉︎」
三好が驚愕の声を上げる。
「っ、おわっ⁉︎」
すると突然、友奈の声と金属音、バチっという何かを弾く音が同時に響く。
振り向くと友奈が尻もちをついていた。
「友奈っ、大丈夫⁉︎」
「平気です風先輩!……って、あれ?」
平気だと答え、立ち上がろうとして再び尻もちをつく友奈。
「友奈ちゃん⁉︎」
「あ、ありがとう東郷さん」
東郷が座り込んだ友奈のそばへ行き、体を支える。
あたりを警戒しながら、友奈のそばに駆け寄り彼女の目を見る。
「翔一、先輩……?」
「……なるほど、そういうことか」
こちらを見る友奈の瞳が小刻みに不規則に動いている。
そこにうまく立てないとくれば、友奈は目をまわしている状態なのだろう。
攻撃を防いだのにこうなったということは、相手の能力はおそらく振動に関するもの……振動で人は死なない。
だからバリアが発動したのに友奈がこんな状態になった。
「なるほどって……どういうことですか?」
「おそらく友奈はヒルコの能力でこうなったのd、っ!」
東郷の質問に答えている途中、ゴッという地面を蹴りつけるような音がした。
即座に振り向くと、心配そうに振り返って友奈を見る風の死角から、ヒルコが迫っていた。
「風、前だっ!」
「えっ、⁉︎しまっ、くぅっ!」
風へと叫ぶが、咄嗟のことで対応しきれず、そのままこちらへと吹き飛ばされる風。
それを走り込みなんとか受け止める。
風は大剣を支えにして立とうとするも、友奈と同じく座り込んでしまう。
「あはは……全然、立てないわね」
「無理はするな、後は任せろ」
「うん……え?」
立てない風の背中と膝裏に手を通して抱えると、呆けた声を出す風。
「ちょっ⁉︎しょ、翔一⁉︎」
「暴れるな」
「っ!は、はい……」
顔を赤くし、何やら慌てたように動くが危ないから一喝する。
大人しくなった風を抱え、友奈のそばに下ろす。
「東郷と樹で2人を援護してくれ、アイツは俺がなんとかする」
「ちょっと、私もいるんだけど?」
「なら手を貸せ」
「……上からなのは癪だけど、良いわ。手を貸してあげる」
どこか不機嫌ながらも協力すると言う三好。
そうして風と友奈を挟むように両側に樹と東郷を、さらにその2人を中心にして対称の位置に俺と三好という形の陣形になった。
全員がヒルコを警戒して張り詰めた静寂があたりを支配する。
不意にザッという音がして、正面にヒルコが現れた。
まるで抑えつけられているバネのように体勢を低くして力を溜めている。
その顔にニヤニヤとした憎たらしいほどの笑みを浮かべて。
「翔一先輩、前っ!」
同時に気付いたのか樹の声が後ろから聞こえる。
先程のように、ゴッという音とともにヒルコが迫る。
脳裏に赤色がちらつく。
「フゥゥゥ……」
青の力を解き、金へと戻る。
息を吐きながら右足を引いて腰を落とする。
右手をオルタリングの右のスイッチに添え、左手をオルタリングの前におく。
居合の構えのようなものをとり、ヒルコを迎え撃つ。
ヒルコが間合いに入った。
鯉口を切るように右のスイッチを押すと、右のドラゴンズアイが赤く発光し、右腕が熱を帯びる。
オルタリングから剣の柄のようなものが飛び出し、それを掴み真一文字に振り抜く。
「シッ……!」
その一閃は突進してきたヒルコの右手首を爪ごと斬り飛ばした。
斬り飛ばされた手首は燃え上がり、ボンっと弾けた。
熱を帯びた右腕の肩アーマーが隆起し、胸部装甲とともに赤へと変わる。
アギトの特殊形態が1つ、
火の力を宿す姿『
そしてその武器、
「また、変わった……」
「今度は、赤色だ」
フォームチェンジした姿を見た友奈と東郷がそう零す。
『 A…aaaaaaaaaa!』
自らが傷付けられたことに怒ったのか叫び声を上げ、滅茶苦茶に飛び回るヒルコ。
まるで力いっぱい投げつけたスーパーボールのように不規則に動く。
剣を正面へと構えて耳を澄まし、ヒルコの踏み込む音を聞く。
トッ……トッ…トッ………トッ……トットッ…トッ…………トッ……
聞こえた位置は背後、ちょうど三好の正面。
「三好っ、正面!」
「分かってるわ、今度は視えた!ハァッ!」
三好にヒルコの位置を伝え、力を解放して駆け出す。
力を解放すると剣の
三好は突進してきたヒルコを食い止めていた。
『 a a a a a a ! 』
「ぐっ、このぉ!」
歯を食いしばりながらもヒルコと競り合う彼女の背後へと走り寄る。
「横に飛べ!」
三好へとそう叫ぶと、彼女は一瞬身を押し引きしてヒルコの体勢を崩し離脱する。
ヒルコも逃げようとするが動けずよろける。
目を凝らせば見える、地面から生えヒルコの足に絡まる緑色の細い糸。
樹の武器であるワイヤーがヒルコをその場に縫い付けていた。
「ハァッ……!」
切り上げで防御のために組んだ両腕を弾き上げ、勢いそのままに体を回し無防備な胴を一閃する。
斬られた胴から炎が上がり、ヒルコを焼く。
『 aa…a……a…! 』
すぐそばで呻きながら砂へと還るヒルコ。
完全に崩れさった瞬間、樹海が淡く光り始め樹海化が解けた。
〜〜〜〜〜 校舎 屋上 〜〜〜〜〜
屋上へと戻され全員の安否を確認しようとあたりを見回すと、制服姿のみんなに混じって私服の三好さんがいた。
「お、終わったんですか……?」
「風、友奈、2人とも大丈夫?」
「あ、はい!私はもう大丈夫です……ほらっ!」
「……ごめん、アタシはもうちょっと休むワ」
ヒルコの攻撃で揺さぶられた2人に体調を確認すると、友奈はもう大丈夫だと言って勢いよく立ち上がったが、風はまだ目眩がするのか座り込んでいる。
「分かった、幸い今は放課後だからまだいても平気だと思う……それとも部室か保健室まで背負って行こうか?」
「い、いいから!大丈夫だから……ほらっ!も、もう平っ」
強がって立ち上がろうとしふらついた風を支える。
「やっぱり、まだダメじゃないか」
「うぅ……」
「はぁ……ほら、私が肩貸すからどきなさい」
「えっ、あ、分かったよ三よs」
「夏凜でいいわ。私、あまり苗字呼びは好きじゃないの」
「えっと、ありがとう夏凜ちゃん」
「ふんっ……」
この後、風を保健室に運んだが夏凜ちゃんの事を保健室の先生に聞かれたので、転校生に学校案内をしていたということにして乗りきった。
〜〜〜〜〜 とある施設 〜〜〜〜〜
白衣やつなぎなどを着た人が慌ただしく行き交う中、1組の男女が壁際で佇んでいた。
「…………はぁ」
「どうかしたのですか?」
不意に男の方が見ていた端末を閉じ、ため息を吐く。
それに対し資料を読む手を止めて女が問う。
「上からの報告だ。勇者様方と戦部様が5体目を倒したようだ」
「そうでしたか……では、こちらも急がないといけませんね」
「あぁ……アレは最終調整のみだったか?」
「今日を含め、あと数回の演習を行い、3ヶ月以内には完成する予定です」
「そうか、もうすぐか……」
「はい……もうすぐ、です」
2人が見つめる先、
アレと呼ばれたモノ、
様々なコードが繋がった
「……あの日のような事は、もうごめんだ」
「それは……私もです」
噛みしめるように言う男に、女は哀しげに同意した。
数十分後、何者かが先ほどの鎧を纏い立っていた。
『
「……感度良好、問題無い」
『確認しました。演習、いつでも始められます』
「分かった。スゥ……ハァ……始めてくれ」
『了解。カウントダウン3秒前、3……』
『2……』
『1……』
『 G3、
先日のやりすぎ都市伝説の関さんパートを見てて思ったこと。
イエスと釈迦はアギトだった……?
ふと、この小説の略称を考えてみると『ちぇきゆ』っていう略し方が気に入ったのですが、どうですかね?
……ちょっと写真部っぽい響きですけど。