「緋色の狩人」 ガンダム0083 STARDUSTMEMORY外伝 作:ずん侍
「本部に通信を繋げてくれ。」
「承知しました。」
「此方サラミス級巡洋艦第5艦隊所属5番艦艦長、アラミス・ルワーニ、カルロス中将をよろしく頼む。」
「了解しました。暫しお待ちを」
「アラミスか、亡霊隊の掃討が終わったのか?」
「申し訳ございません、それが…」
「…そうか。して、その緋色の機体とやらに近付いたMSが次々に落ちたとはどういう事だね。」
「それが、わからんのです…何がどうなっていたのか。突然全方向から光に貫かれる、という事は分かったのですが…。」
「…その座標の区域を特別危険区域とし、隔離するしか無いな。もしもだエルメスに搭載されていたビットが小型化されてでもしていたら…ガトーの相手で手一杯の我々では手に余る。」
「そうですな。」
「それにだ、これ以上此方に犠牲が出てジオンの残党共を調子に乗らせでもしたなら、より面倒な事になる。本件については他言無用だぞ、情報も全て消せ。連邦の歴史には要らぬ。」
「はっ、そのように致しましょう。」
「よろしく頼んだぞ。」
「それでは失礼致します。」
……アミダ等の奮戦によりサイコミュ兵器及びMS開発研究所は連邦からの襲撃は収まることとなるが、緋色に塗られたMSの活躍は歴史に名を残す事は無かった……
そして、11月12日
「アディ、我々はこのまま潰されていくのだろうか。」
「どうだろうね…でも連邦に勝てるとは思えないね。アナベル・ガトー少佐は確かにエースパイロットだよ、でもニュータイプでは無い 。ファンネルも載せられなかった。」
「確かにそうだけど…」
「アミダ、君があの戦場に駆り出されないのは彼らも気付いているのだろう。自分達の勝機は雀の涙程も残されていないとこにね。」
「……。」
「だから君を護衛任務という大義名分をつけて残している。ファンネルを連邦に渡さないために。我々が死ねば本当にジオンの力は無に還ってしまう。」
「…でもどうやって…」
「機体を破壊するしかないね。」
「何故、そんな事を、」
「ファンネルの存在が露見すれば必ず奪い取られる。存在すらも知られてもならないんだよ。位置もバレていて戦力も少ない、この状況で隠し通せると思うかい?」
「それは、そうだが…」
「安心しなよ。データがあれば同じ志を持つ者達が現れた時に必ず力が貸せる。」
「……仕方あるまいな…。」
「覚悟を決められたみたいだね。破壊してデータを回収して脱出しよう。」
「ええ、それで何処へ行くの?」
「それがね俺見てみたいんだ…地球を…」
まだ話は続く予定です