ジルたちはメアリーの知り合いの少年シャムを通じて
情報屋から情報を得ようとしていた。
「明後日か。すごい早いんだな。」
「うーん。まあ簡単なことだったらすぐに教えてくれると
思うんだけどね。難しいことの場合、そのときに情報の
値段だけ言ってまた後で情報を渡す日とかを決めるだけとか、
とりあえず前金を払って、情報の一部だけを教えてもらうとか
あるみたいよ。」
「すぐに教えてくれるといいですね。」
2日が過ぎ、シャムに再び会った。
「どうかしら?」
メアリーがシャムに結果を聞く。
「うん、割と簡単だったみたいだね。お金と引き換えで
すぐに伝えられるよ。剣士の修行の情報は
1000G、精霊の情報は1300G、合わせて2300Gだよ。いい?」
ジルたちは了解しシャムにお金を渡した。
「まいどあり。それじゃ話すね。まず剣士の方だけど、最北の国
ノーザンランドに行ってみたらいいってさ。そこにはかつて最強の剣士
と言われたジークフリードの伝説が残ってるんだ。」
「あ!俺、知ってる。ジークフリードって小さいころ読んだ本に書いていた
世界一の剣士だ!」
ジルは思い出してテンションが上がった。
「ジークフリードはもう150年も前に亡くなったらしいんだけど、
彼にまつわる物品とか彼に関する話とかもあってそれを見たり聞いたり
するだけでも剣士として何か得るものがあるだろうってさ。」
「ほうほう。」
ジルは興味深くシャムの話を聞いていた。
「それから、精霊の方だね。ロドニエル大陸って知ってる?」
「はい、知ってます。ロドニエル大陸は未開の地で人はほとんど
住んでいないと聞いていますが。」
マルクが真剣な顔で答える。
「そのロドニエル大陸に精霊がいるんだって。ただロドニエル大陸は
テラの中で最も魔界に近い場所とも言われていて危険なモンスター
に出会う可能性があるんだ。行くなら少し覚悟しといた方がいいかも
って話だよ。これで情報は全てだよ。」
シャムはそこで話を終えた。
「ありがとう、シャム。また何かあったら頼むね、バイバイ。」
メアリーはシャムに礼を言うとシャムは嬉しそうに走って帰っていった。
「ノーザンランドとロドニエル大陸、どっちに行くの?」
メアリーがジルとマルクに聞いた。
「なぁ、マルク。悪いんだけどさノーザンランドに
行ったらダメかな?」
ジルが少し遠慮気味にマルクに言った。
「え、私は全然構いませんよ。」
マルクはジルの態度に少し戸惑った。
「ありがとな。何と無くなんだけど行かなきゃいけない
気がするんだ。メアリーもいいか?」
「うん、いいわよ。私はどっちでもよかったから。」
「ほんと、感謝するよ。」
ジルはマルクとメアリーに心から礼を言った。
そして、3人はノーザンランドを目指すこととなった。
ここはとある森。
「見つけたのはいいがここからどうするか。」
ダニエルを見つけたカフィールが木の陰から様子を伺っていた。
ダニエルは木にもたれかかって眠っている男の傍へと歩み寄った。
そして、男が完全に眠っていることを確認すると男の荷物を探り出した。
パシッ!
カフィールは荷物につっこんでいるダニエルの腕をつかんだ。
「何をしている。」
急に腕をつかまれビクッとなったダニエルはカフィールの顔を見て
さらに驚いた。
「カ、カフィール!ど、どうしてこんなところに。」
「勇者の子孫が盗みとは。恥ずかしいとは思わないのか。」
カフィールは軽蔑を込めて冷たく言った。
「いや、その...。」
ダニエルはカフィールを前にして言葉につまる。
「来い。」
カフィールはダニエルを無理やり引っ張り出して広い原っぱまで
やってきた。
「何なんだよ、もう。」
訳が分からず連れられたダニエルは不満を言った。
「剣を抜け。」
「は?」
「いいから言われたとおりにしろ。」
カフィールが怒り気味でそう言うと、ダニエルはしかたないと
いった感じで背中に背負っているエクスカリバーを鞘から抜いて
手にした。カフィールも同じように剣を手にした。
「これでかかってこいってこと?」
ダニエルが状況を考えカフィールに尋ねた。
「そうだ。」
カフィールが短く返事すると、ダニエルは半ばやけくそでカフィールに
向かっていった。
「やああぁぁぁぁ!」
カキーン。
ダニエルのエクスカリバーはカフィールによっていとも簡単に
弾き飛ばされた。