dark legend   作:mathto

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「はぁはぁはぁ。」

ダニエルは剣を手にして息を切らしていた。

「うがぁぁー。」

カンカン。

ダニエルは力を振り絞りカフィールに剣をぶつけた。

カフィールはダニエルの剣が力強くなっているのを感じた。

「よし休憩だ。」

2人は剣を鞘に収め、地面に座った。

「はぁはぁ、ふぅー。」

ダニエルはなんとか息切れをおさえて落ち着くことができた。

「カフィール、ちょっと聞いてもいい?」

「何だ?」

「カフィールはじいちゃんに言われてこのエクスカリバーを

取りにきたんじゃないのか?だってじいちゃんに会いに行ったら

いつも言うんだぜ。『今のお前にその剣を持つ資格はない。』

ってさ。きっとじいちゃんなら『カフィールならその資格がある。』

って言うと思うんだ。俺もその方がいいんじゃないかって思う。」

そう言うとダニエルは鞘に入ったエクスカリバーをカフィールに

差し出した。

「確かに言われたな。だが俺はお前にエクスカリバーを持つ

資格があるかないかはまだ分からない。これからその剣を持つに

ふさわしい男になれるかもしれないと思って今お前を訓練している。

もしどうしようもないと判断したそのときは頂いていくことにする。」

そう答えたカフィールは差し出された剣をダニエルに戻させた。

「休憩は終わりだ。」

そしてまたダニエルの訓練が再開された。

 

一方、ジルたちはノーザンランドを目の前にしていた。

「やっぱノーザンランドってめちゃくちゃ寒いところなんだな。

体は防寒具着てるからまだましだけど顔が痛いほど冷たいな。

口を動かすのもつらいくらいだ。」

「ほんとよね。ここに住んでる人ってすごいと思うわ。」

「くしゅん。ああ、鼻水が止まりませんね。」

「おい、マルク大丈夫か?なんだったらついたらすぐにマルクだけ

帰って待っててくれてもいいんだぜ。」

ジルがマルクを気遣う。

「大丈夫です。すぐに慣れると思いますから。すいませんね、

心配かけて。くしゅん。」

「マルク、風邪ひいたんじゃないの?本当につらくなったら

言ってね。無理しても何もいいことないからね。」

「ありがとう、メアリー。本当に大丈夫ですから。

あ、もう船が港に着きますね。降りる準備をしましょうか。」

マルクは心配してくれるジルとメアリーに悪いと思いながらも

内心はとてもうれしかった。

そして船が岸へと着くと、3人は北の大地に足を下ろした。

 

 

 

ノーザンランドへとやってきたジルたち3人。

「これからどうしようか?」

ジルがマルクとメアリーに聞いた。

「まずは宿を探しましょうか。」

「それだったら他の乗客についていったら分かるん

じゃないかしら。」

そういうわけで3人は他の人が歩く方向に進み、

ホテルへとやってきた。

ホテルの中へ入ると、そこはあったかく外と比べると

まさに別世界、楽園と思えるほどであった。

「ふぁああ、生き返るぅ~。」

3人が口を揃えて言った。

「さ、受付にいきましょうよ。」

メアリーに言われ、3人は受付のロビーへ行った。

「3名さまですね。すぐに部屋へ案内させます。」

感じのいい受付の男性が出迎えた。

「あのさ、ここにジークフリードの伝説があるって

聞いてきたんだけど誰に聞いたらいいの?」

ジルが前に出て受付の男性に聞いた。

「それでしたら『ジークフリード資料館』に行かれては

いかがでしょう。こちらに地図がありますのでお持ちください。」

「サンキュー。気が利くな。」

ジルは受付の男性に礼を言うとまた別の男性に案内されて

部屋へと入った。

「すごいいいホテルだよな。こんなホテルがあるってことは観光客が

多いってことだろ?ジークフリードのファンってそんなにいるのかな。」

ジルは少し不思議に思った。

「違うわ、このノーザンランドはこの時期オーロラが見れるかもしれない

からたくさん観光客がくるのよ。」

メアリーが説明した。

「オーロラ?」

ジルは知らなかったので聞き返した。

「あ、オーロラっていうのはですね、こういうすごく寒いところで見れる

空に浮かぶ光のカーテンみたいなものですよ。」

今度はマルクがジルに説明した。

「へぇ~、どんなのか見てみたいな。」

「まあ、運が悪いと何日いても全然見れないんだけどね。

それより今日は疲れたわ。ゆっくり休んで明日でかけましょうよ。」

ジルとマルクも賛成してゆっくり休むことにした。


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