dark legend   作:mathto

116 / 279
231,232

「さよう。魔法によってお前自身が操られてしまうことじゃ。

いくら剣の腕が一流になったとしてもこれをされては何の意味もない。

仲間がいた場合はさらにたちが悪い。仲間を自分が傷つけてしまう

ことになるのじゃからな。それで『どうすればいい』って思うじゃろう。

当然、その対策法はある。対策法がなければそんな相手には

絶対勝てないことになるからな。で、その方法は自分で精神制御を

することじゃ。さっきお前が悪魔の支配から逃れたようにな。

これを自制という。この自制をより完全なものにすることで

剣士として真の一流に近づくことになるのじゃよ。分かるな。

自制をするのじゃ。」

ニムダはジルに言い聞かすようにして説明した。

「自制か。分かった。俺、がんばるよ。...あ、それと

一つ聞きたい事があるんだけどいい?」

ジルは思い出してニムダに聞いた。

「なんじゃ?」

「人を生き返らせる方法って知らない?」

「どうしてそんなことを?」

 

ジルはニムダに自分が人をたくさん殺してしまったことから

それに関係することを詳しく話した。

 

「なるほど、そういうことか。ジークフリードを魔法で蘇らせた者が

いたか...。」

「そうなんだ。マルクには方法はないって言われたんだけどさ。

ジークフリードのは違うのかなって思ってさ。」

「結論からいうと違うな。術者が死んだら魔法の効果が切れたという

ことじゃからな。それは生き返らせるとは言わんよ。近い言い方をする

とすればそれは操り人形のようなものじゃな。本来なら術者の思いの

ままに動くはずだったということじゃ。そこでジークフリードが自らの

意思を取り戻したのは奇跡だと思ったほうがいい。お前さんが望んで

いるものは死んだ人間を操り人形にすることではなかろう?」

「ああ。ということは、やっぱり生き返らせる方法はないってこと?」

ジルはがっかりしながら聞いた。

「あるよ。」

ニムダは軽い感じで答えた。

「え、えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!教えて、教えて。」

ジルは驚いて一気にテンションが上がっていった。

「ふむ。(すごい喜びようじゃな。ここはよし...。)

しかぁし、そんなすごいことをただで教えるのはなぁ...。」

ニムダは出し渋るように言った。

「何、金がいるのか?いくら?いくら?」

ジルはテンションが上がりきった状態でニムダに聞いた。

「金などいらん。そのかわりに。」

ニムダは真剣な顔で言う。

 

 

「そのかわりに。」

ジルはニムダの言葉を復唱する。

「メアリーちゃんのお尻を触らせてくれ。」

ニムダは急にゆるみきった顔に変わった。

「(く、このエロじじいめ。)」

ジルは拳に力がこもった。

「なんじゃ、その顔は?別にわしは教えなくてもいいんじゃがな。」

「え、そんな、ちょっと待ってくれよ。

......うーん、分かったよ。その条件、呑むよ。

(俺、メアリーに殺されるかも。)」

ジルは覚悟を決めた目で承諾した。

「よし、約束じゃぞ。それじゃあ教えようかの。実は一般的には

ほとんど知られていないが、人を生き返らせるというアイテムが

あるのじゃ。それは世界に一つだけしかない世界樹の葉じゃよ。」

「その世界樹のある場所は?」

ジルは真剣に聞いた。

「世界樹はロドニエル大陸にあるコナル山の頂上に立っている。」

「ロドニエル大陸!マルクたちが行っているところだ。」

ジルは少し驚いた。

「ただコナル山は『天国に一番近い山』と言われていて

その高さは世界一じゃ。人間で登れたものはまあわしを

含めて4人だけじゃな、知っているのは。」

「それだけ登るのが大変ってことか。よ~し、やってやろうじゃねえか。

見てろよ、カフィール。すぐに俺が殺してしまった人全員生き返らせて

やるからな。」

ジルはやる気を出していた。

「とりあえず今は自分のオーラを感じるようにならねばな。

そこまで出来れば一旦、修行は中断して世界樹の葉を取りに

行くがいい。」

「はい!」

ジルは元気よく返事して修行を再開しようとした。

「あ、それとお前はこのままだとまたさっきみたいなことに

なりかねんから、一つアドバイスしておこう。オーラは体の奥深くにある

というより全身にあると考えたほうがいいかもしれんぞ。」

「分かった、やってみるよ。」

ジルはニムダに言われた通りに考え直して再開した。

「(カフィールか。あやつは素晴らしい素質を持った聖騎士じゃな。

正義のためにまっすぐに強い力を振るい続ける。もし今の世に

魔王がいれば間違いなくあやつが倒して勇者や英雄ともてはやされる

ことだろう。しかしジルは重い運命を背負っておるな。本人はまだ

はっきりとは気づいてはいないがすぐに自らの運命によって試練の

道へと導かれることになるだろう。果たしてそれを乗り越えられるか

どうか?)」

ニムダは心の中で深く考えていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。