「で、どうするの?グレンに会いに行ってみる?居場所なら
分かるわよ。ここからすごい遠いけど。」
メアリーはマルクに問いかける。
「うーん、その前に一度ジルと合流しませんか?ここから勝手に
動いたらなかなか会えなくなってしまうかもしれませんよ。」
「それもそうだけど、ジルの修行が終わるのはいつになるか
分からないわよ。もし何ヶ月もかかってたりしたらどうする?」
メアリーはマルクに反論した。
「一週間とか待つ時間を決めて、もしそれで来なかったら
何かジルがここに来たとき分かるようにして出発するというのは
どうですか?」
「うん、それでいいわね。後からジルが追っかけてこれるように
してたら別に問題ないものね。決まりね。」
マルクとメアリーは町でジルを待つことにした。
それから一週間が過ぎようとしたころ、
「あ~、もう退屈で死にそ~。」
メアリーが宿屋のベッドの上で手足をバタバタしていた。
「今日も港に行ってジルがこなかったら行きましょうか。」
というわけで2人は港へと向かった。
ザッザー。
大きな波の音と共に船がやってきた。
数人の乗客が降りてくる中、ジルの姿がそこにあった。
「あっ、ジル!」
メアリーはジルを見つけて思わず大声を出した。
「おっ、お前ら。どうしたんだ?待っててくれたのか?」
ジルは最初意外そうな顔をしていたがやがて喜びの表情に変わった。
3人は久しぶりの再会を食事をしながら楽しむこととした。
「ジルがいない間、メアリー少し物足りなさそうにしてたんですよ。」
「へぇ~、メアリーは俺がいなくて寂しがってたのかぁ。」
ジルはおもしろそうにメアリーの顔を覗き込んだ。
「バカッ。そんなわけないでしょ!死ね。」
メアリーはむきになって言った。
「メアリー、また言葉が悪くなってますよ。」
マルクはメアリーに注意した。
「もうそんなことよりもっと大事な話があるでしょ。」
メアリーは恥ずかしくてすぐに話を逸らそうとした。
「俺の方からいわせてもらおうかな。修行はまだ完璧ってわけじゃ
ないんだけどさ、キリのいいとこまでは出来たってわけで来たんだよ。
で、修行中にじじいに聞いた話なんだけどよ、世界樹の葉ってのを
使えば人を生き返らせることが出来るんだってさ。」
「えっ!人を生き返らせる方法が見つかったんですか!?」
ジルの話を聞いてマルクが驚いた。
「そうなんだよ。どうもこの大陸にそのアイテムがあるって話でさ。
すぐにでも探しに行きたい気持ちもあるけど、今回はマルクの方を
優先させようと思ってさ。精霊探しはどうなった?」
「風の精霊はまだですが、土の精霊ノームに会うことが出来たんですよ」
「やったじゃん。そのノームって奴を締め上げれば風の精霊のことも
吐くんじゃね。」
ジルは嬉しそうに言った。
「だ、ダメですよ。何ですか、その締め上げるって発想。
ばちが当たりますよ。それより今、ノームが守る精霊の森が
大変なことになっててですね...。」
マルクはジルに事情を説明した。
「へー、そうなのかぁ。とにかくそのグレンってやつに勝負して
勝てば全て解決ってことなんだな。」
ジルはさらっと言った。
「勝てばって簡単に言うけどね、グレンをどんなやつか知ってるの?」
メアリーは強い口調で言った。
「知ってるって今、どんな奴か聞いたよ。だけどさ、実際に会って
みないと分からないだろ。勝負して勝てるかどうかなんてさ。」
「確かにそうだけど...。」
メアリーは歯切れが悪そうに言う。
「なんかメアリーらしくないよな。もしかして昔そいつにいじめられた
ことがあるとか。それがトラウマになってて絶対に会いたくないって
理由かな。」
「何、その無理やりな設定は。私はグレンと喋ったことはないんだから
いじめられることもないでしょ。ジル、ニムダのところ行って頭ちょっと
おかしくなったんじゃないの?もう行くわよ、行けばいいんでしょ。」
メアリーは軽くキレていた。
「頭おかしいとか言うな。でも行くのは賛成だな。マルクは?」
「ええ、こうなったら行きましょう。やってみなければ出来るかどうか
は分かりませんからね。」
3人は気持ちを合わせ?てグレンに会いにいくことに決めた。
「それで、グレンってやつはどこにいるんだ?」
ジルがメアリーに聞いた。
「今は帝国領に含まれている都市、バトラスよ。」
「よし。ならすぐにバトラスに行こうぜ。」
ジルはグレンの居場所を聞いて意気込んだ。
「帝国領ですか、となると少し面倒なことになるかもしれませんね。」
マルクは少し心配そうな顔をして言った。
「帝国領だと面倒?どういうこと?」
ジルは不思議そうに尋ねた。
「ジルは知らないのね。ヴェロニス帝国って今すごい勢いで領土を
広げているの。後1年もすればサンアルテリア王国を中心とした
アルテリア連合に匹敵するほどになるだろうって言われてるくらいよ。
でもその領土の広げ方はかなり強引でよく思っていない人も多いわけ。
それで帝国内で反乱活動をしようとしてる人が出てきてるらしいわ。
当然、帝国側はそれを取り締まるよね。だから帝国領に出入りする
のは厳しいって話なのよ。」