dark legend   作:mathto

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22,23

「ありがとう。」

ジルは自分を鍛えてくれたスケルトンナイト達に

感謝の気持ちを表し、握手しようと手を差し延べた。

シュゥゥゥ。

スケルトンナイト達の体が急に薄くなりだした。

「え、どういうこと?」

そしてみるみるうちに消えてしまった。

最後の瞬間、表情のないスケルトンナイトたちが

僅かに笑みを浮かべているように見えた。

「ちょっと待てよ、やっと勝ったと思ったら

いきなり消えちまうのかよ。そりゃないだろう。

そんな...」

ジルは瞳を潤ませてつぶやいた。

しばらく呆然と立ち尽くしていたが、

気持ちを改め歩き始めた。

「こんなとこでくよくよしててもしょうがないしな。先に進もう。」

進みつづけると目の前に扉が現れた。

ジルがその扉を開けると、

ピカッ。

いきなり強烈な光が飛び込んできた。

気がつくとジルは元いた森の中にいた。

そこにはもうあの不思議な石は見当たらなかった。

「早く帰ろうか。何日も経っててマルクも心配してるだろうし。」

今度はすんなりと村まで帰ることが出来た。

「お帰りー。ちょっと遅かったですね。」

畑仕事を手伝っていたマルクと村の人たちが笑顔で迎えた。

「いやー悪いね。長い間、帰れなくて。」

ジルが申し訳なさそうに話すとマルクは少し不思議そうな顔をして、

「ジルが森に向かったのは昨日のことですよ。別に気にするような

ことじゃないですよ。」

「えっ!(じゃああの洞窟の出来事は何だったんだ?

もしかしてただの幻か夢を見ていただけなのか?

このことはマルクには話さないでおこう。)」

そうしてジルは今回のことを心の中にしまい込んだ。

「で、森はどうでした?ガイコツのお化けはいました?」

マルクは興味深そうにジルに聞いた。

「いや、いなかったよ。」

「そうですか。まぁ、よかったですね。これで村の人も森に

安心して出かけることができるでしょうね。」

「あぁ、そうだな。」

「今日はまた村で休んで、明日いよいよクラレッツ城に出発

しましょうか?」

「もちろん。」

そうして2人は眠りについた。

 

 

 

翌朝、

「本当にこの村にはお世話になりました。さようなら。」

マルクは村人達にお礼と別れの挨拶を言った。

「いやいやお主らのような若い旅人がやってきてくれて

こっちの方こそ楽しいときを過ごさせてもらったよ。

またよかったらいつでも戻ってきたらいいでな。」

「最初は何も思わなかったけどいざ別れるとなると

やっぱ寂しいもんだな。」

「あれジル、泣きそうですか?」

マルクがジルの顔を覗き込み笑みを浮かべる。

「バカ、泣くわけないだろう。ほら行くぞ。」

ジルは顔をうつむけながら早足で進み始めた。

 

一方、暗黒魔道士のアジトにて。

暗黒魔道士達は会議を開いていた。

「ムールがやられたそうだな。」

「あんなゴブリン使い。やられたところでたいした影響はない。

それより計画の方はどうなっている?」

「すでに刺客を放っている。計画実現は時間の問題だろう。」

「あとは待つだけか...フハハハハハハ。」

「人間共め、思い知れせてくれるわ。」

 

また一方、シュトラウス家では。

「父上、まだ我々は動かないのか?」

カフィールは少し焦りを感じていた。

「奴らはアジトによほど強力な隠れ蓑を使っているようだ。

奴らの魔力が感じられんとなれば、動きようがない。

今は待つしかない。」

カフィールの父、レオンは答えた。

「しかし、人々に被害が出てからでは遅い。」

「どうしたカフィール?いつも冷静なお前らしくないぞ。

焦っていては奴らの思うつぼだぞ。」

レオンがカフィールをなだめるように言った。

「いや、ちょっと気にかかることがあったから。」

「ふむ。お前の勘はバカにできないからな。奴らが動きだしたのも

何かもっと悪いことが起こる前兆かもしれん。

探りを強化する必要はあるな。」

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