メアリーを追って黒い穴へと飛び込んだジルとマルク。
ビュ~~~ン。
「うわぁー!」
ジルとマルクの体が異空間を流れる。
シュンッ。
ジルとマルクはとある森にたどり着いた。
「ここはどこだ?メアリーはいるのか?」
ジルとマルクは周りを見回す。
「ここの空気なんだか異様な感じがします。臭いとか
ではないんですが、なんだか少し気持ち悪いというか
落ち着かないですね。」
マルクが嫌な顔をする。
「そうか?俺はそんなに気にならないけどな。
それにしてもここの風景、どっかで見たことがあるんだよな。
どこだったかな?」
「そう言われてみれば、どこかで見たことありますね。
え~と...。あっ!思い出しました。美術館で見たシャリルさんの
絵ですよ。たしか題名は..。」
「『魔界の森』!」
ジルも思い出してマルクと声を揃えて言った。
「ということは、ここは魔界ってことか。それで、さっきの黒い穴は
テラと魔界をつなぐゲートだったってわけだな。」
「間違いないでしょうね。」
マルクはジルの考えに頷いた。
「しかし、さっきのメアリーを連れ去った男の姿が見えませんね。
この魔界の中にはいるはずなんですが。」
「もしかしてメアリーを取り戻すために魔界中を探し回らなきゃ
いけないのか?」
「そうなりますよね。何か手がかりでもあればいいのですが...。」
「手がかりねぇ...。」
2人は考え込む。
「ん?」
マルクは足元にあった一枚の紙を拾った。
「なんでしょうか、これは?」
その紙には上に3つに枝分かれした赤に緑の丸がある模様が描かれていた。
「これを手がかりにするしかないみたいだな。」
「ええ。難しいですががんばるしかないですね。大切な仲間を
取り戻すためですから。」
「ま、まぁそうだよな。」
ジルは少し照れくさそうにしばらくしてたが、覚悟を決めた表情に変わる。
「さぁ、行くか。ここでじっとしててもメアリーは取り戻せないからな。」
「はい!」
ジルとマルクは魔界の森の中を歩き出した。
一方、テラでは。
「ジルの気配がふっと消えた。魔界に発ったということか。
魔界は強いものだけが生き残る弱肉強食の世界。
そこで目的を遂げようと思えば茨の道を通ることになろう。
次に会ったときにどのように変わったかみるのが楽しみじゃな。」
ニムダは独り言を呟いていた。
魔界の森の中を歩くジルとマルク。
「なんか腹が減ってきたな。食べるもんとかどっか落ちてないかな。」
ジルがおなかをおさえて言った。
「そうですね。森の中ですから何か果物とかあればいいのですが。」
そう言ってマルクは木の枝を見上げる。
ガサッ。
シャーシャーシャー!
果実の形をしたモンスターが大きく牙のある口を開けて上から
マルクに襲い掛かろうとした。
「わぁぁっ!」
マルクが慌てて飛びのく。
「魔界の森の果物って根性あるんだな。」
ジルは冷や汗を流して森の果物は諦めることにした。
「はぁ~、魔界で食料ってどうやって調達するんだよ。
このままじゃ俺たち飢え死してしまうぜ。」
ジルとマルクは空腹でふらふらになりながら森の中を歩いていた。
「それじゃ俺たちがお前らを食ってやろうか。」
2人の前に剣を手にしたリザードマンが3匹現れた。
「おっ、モンスターだ。」
ジルはなにやら少し嬉しそうに言った。
「何だ、こいつら。人間のくせしやがって俺たちが怖くねぇってのか。」
「おい、すぐにやっちまおうぜ。」
リザードマンはすぐに剣を振り上げてジルに向かってきた。
一分後。
「ひぃぃぃ、すいませんでした。どうか命だけは助けてください。
ジルにボコボコにされたリザードマンたちが膝をついて許しを乞うていた。
ジルはそれを見てにっと笑った。
「そんじゃさ、俺たちが食えそうなもの探してくんないかな。」
「へぇぇ。人間が食べるものならこの森にもたくさんございますよ。」
「すぐに案内します。」
リザードマンたちにジルとマルクは案内される。
連れられた場所では木々に赤い実がたくさんついていた。
もちろん人を襲うための口などついていない。
「この実ならあなたの口にあうと思います。」
少し疑いの目をして戸惑うジルをよそにマルクはその実を一つ口に入れてみた。
「うん、いけます。しかもここには2人では食べきれないほどなっています。
よかったですね、ジル。これで飢え死にしないですみそうですね。」
笑顔でジルに言った。
「よくここで疑わずにすぐ食べれるな。まずいかもしれないだろうに。
マルクには感心するよ。」
「あのぉ~、俺たちはそろそろ帰らせてもらってもいいでしょうか?」
リザードマンが聞きにくそうにしながら尋ねる。
「ああ、いいよ。ありがとな、ちゃんと案内してくれて。
あ、そうだ。これちょっと見て欲しいんだけど...。」
そう言ってジルはリザードマンたちに先ほどの紋章が描かれた紙を見せた。
「こ、これは...。ひぇぇぇぇぇぇぇ!!」
リザードマンたちは紋章を見た途端に恐れるように走って逃げていった。