dark legend   作:mathto

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「そうか。ならば王に会えるよう頼んでやろう。

王ならば何か情報を持っているかもしれん。」

「兵隊長!何を言ってるんですか!?こんな奴等を

王に会わせるなど危険です。」

兵隊長の言葉に兵たちは騒ぎ出した。

「何を言っている。それを決めるのは王だ。俺たちには

王へ報告の義務がある。そのついでだと思えばいいだろ。」

兵隊長はきつい口調で言ったため、兵たちも少し鎮まる。

「兵隊長がそういうのなら...。」

兵たちは渋々納得する。

 

そうしてジルとマルクはゴブリンキングがいる城へと案内される。

 

「いいか、ここで待ってるんだぞ。これから頼んできてやるからな。」

ジルとマルクは言われた通りに王の間の扉の前でおとなしく待つことにした。

 

「王、報告があります。人間が2人この国に侵入してきました。」

兵隊長は王座に座り頭に王冠をのせたゴブリンキングへ淡々と言った。

「それで当然殺したのだろうな。」

「それが我が隊が全く敵わなくて...。」

「逃がしたのか!」

ゴブリンキングは声を荒げた。

「いえ、実はその人間に事情を聞いてみたところ、どうやら

イデア教の情報が欲しいとのことです。」

「イデア教か。何度も使者がやってきている。一応布教の協力は

するということで納得はさせているが...。いずれは力ずくで

この国を支配しようとするかもしれん。人間がやつらを始末してくれれば

そんなおもしろいことはない、ということか。」

「はい、我が隊を寄せ付けない強さを持っています。うまくいけば

イデア教の勢力を落とすきっかけになるかもしれません。」

「むぅ...。」

ゴブリンキングは考え込む。

「しかし、どれほどの力をもっているか計りかねるな。一度、その実力を

試してみたいところだ。よし、とりあえず会ってやろう。」

「分かりました。」

 

ここでジルとマルクが兵隊長に呼ばれ王の前へ案内される。

ゴブリンキングに他のゴブリンとは違う威圧感を感じたジルとマルクは

緊張していた。

「お前たちか、侵入してきた人間というのは。」

「はい。」

ジルは簡単に返事をした。

「イデア教の情報が欲しいそうだな。どうだ、情報と引き換えに

一働きしてみるというのは。」

「働くというのは?」

マルクが尋ねる。

「この国に時々ちょっかいをかけてくる

怪物がいてな。そいつを倒してくれれば情報を教えよう。どうだ?」

「やります。」

ジルは即答した。マルクもジルと同じ気持ちでいた。

 

 

 

「話が早いな。怪物については兵隊長から聞いてくれ。」

ゴブリンキングはそれだけいうとジルとマルクは王の間を出た。

 

「怪物の名はヒドラ。頭が九つある巨大な蛇だ。

ここから東にある森をねぐらにしているみたいだ。」

ジルとマルクは兵隊長から怪物の情報を聞くとすぐに

東の森へと向かった。

 

東の森に着いた2人は只ならぬ気配を感じていた。

「いますね。間違いなく何かが。」

「ああ。」

2人の間で緊張が高まる。

ミシミシ。

木が折れそうな音がすぐ近くで聞こえる。

「来るぞ、マルク。」

「はい。」

2人は警戒して後ろへ下がる。

バキッ。

目の前の木が折れ横方向へ一気に倒れた。

枯葉や土が煙のように舞い上がる向こうに大きな影が浮かび上がる。

ジルは剣を抜いた。

2人の目の前に緑がかった褐色の巨大な蛇ヒドラが現れた。

「マルク...。」

「はい。」

「逃げるか。」

「え、えぇぇぇぇ!!何言ってるんですか、ここまで来て。

このヒドラを倒してゴブリンキングからイデア教の情報を聞くんでしょ。」

「だってさ、こんなやつさすがの俺も倒せねぇよ。ここで命を捨てる

くらいなら逃げて別のチャンスを探す方がいいと思わねぇか?」

「まだ何もしてないうちに弱音を吐いてどうするんですか。

もしどうしても駄目だったらそのときは考えましょうよ。」

「いや、だからダメなときにはもう死んでると思うんだけどな。

でもまぁ、やれるだけのことはしてみっか。」

ジルは剣を構えてヒドラに切りかかった。

ガンッ!

剣はヒドラの厚く硬い表皮に傷つけることが出来なかった。

「マルク、ダメだった。」

ジルはすっかり諦めモードに入っていた。

「ちょっと待ってくださいよ。私がサポートしてみますから。」

マルクはヒドラから逃げようとしていたジルの腕を引っ張った。

「サポートって?」

「魔法でジルを強化するんですよ。」

「強化?ホントに出来んの?」

ジルはマルクの言葉に目を丸くした。

「分かりません。しかし試してみる価値はあると思います。」

「分かったよ。そこまで言うならやってみてくれよ。」

「はい!」

うれしそうに返事するとマルクは目を閉じて風を感じ始めた。

「行きます。『エアロスピード』。」

マルクが魔法を唱えるとジルの体に青い風がまとわり付く。

「よし、いってみるか。」

マルクの魔法の風がジルの動きを速めていて、いつもの2倍の

速さでヒドラに迫った。

ジルはその状態でヒドラに斬りかかった。

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