dark legend   作:mathto

16 / 279
30,31

時間が刻々と過ぎていき、

やがて太陽は地平線の向こうに沈んでいった。

辺りは暗くなり灯りが燈るクラレッツ城では

緊張感が高まっていった。

「いよいよっていう感じですね。」

「ああ、もうみんな盗賊を捕らえる気

満々だもんな。」

 

ドッカーン!!

 

近くで大きな爆発音が聞こえた。

 

「何だ、何だ!」

「まさか壁を爆破して中に侵入したのか!」

「こうしちゃいられねぇ。早く爆破したとこに

行かねぇと。」

そうしてみんなは突然のことに驚き騒ぎながら

爆発音のした方へと駆け出していった。

「え、え。」

そんな中、ジルとマルクだけが状況を把握出来ず

ポツンと残っていた。

「なんか取り残されてしまいましたね。」

マルクが話し掛ける。

「ああ、これからどうしよう?俺達も追いかけるか?

でも今更行っても誰かがもう捕まえてるだろうけどな。」

「ウ~ン...」

2人はしばらく悩みその場に突っ立っていた。

ギィィィ。

正面の扉が静かに開いた。

音に反応し2人が扉に注目していると、

小さな眼鏡を鼻に掛けた男が入ってきた。

「あ!」

「あ!」

お互いに一瞬驚きながらも城の中に入ってきた男は

すぐに冷静を取り戻しかすかな笑みを浮かべた。

「ふっ、爆発に気を取られてここには誰もいないと思ったが

少しは利口な者もいたようだな。」

「(ただみんなに乗り遅れただけだ。)」

ジルは少し恥ずかしそうにし心の中で呟いた。

「ご褒美に俺の名前を教えてやるよ。俺はシャドウラビッツ

のリーダー、ジャック=クローバーだ。覚えときな。

それじゃ通させてもらうぜ。」

ジャックはつかつかと前へ歩き出した。

 

 

 

「ちょっと待てぇ!俺達が何のために

ここにいてるか分かってんだろう?

おとなしくここを通すとでも思ってるのか。」

ジルは剣を抜き戦闘態勢を整えた。

「ほぉ、この俺とやる気か。」

ジャックも腰に挿していたナイフを手にした。

マルクはこの状況をドキドキしながら見守っていた。

ジャックはジルに向かって突っ込んできた。

「こ、来い!」

ジルは緊張が高まりならがら待ち構えた。

そしてジャックがジルの目の前まで近づいてきたとき、

「一つ教えてやろう、戦うだけが能じゃないってな。」

と言って、空いているほうの手で小さな玉を取り出し

それを床へと投げつけた。

 

ボワ~ン。

 

辺りを煙が覆い尽くしお互いの姿が

全く見えなくなってしまった。

 

すぐに煙は晴れてきたがそこにジャックの姿はなかった。

「ゴホ、ゴホッ!あいつはどこだ。」

ジルは咳き込みながら周りを見回した。

「き、消えた。」

マルクは何が起こったのか理解できずきょとんとしていた。

「そんなはずはない。煙が出てる隙に宝の部屋

へ行ったに違いない。すぐ追いかけるぞ。」

ジルはマルクの手をとって走り出した。

宝の部屋の前に来ると2人の槍を持った衛兵が立っていた。

「はぁ、はぁ。なぁ、ここに盗賊が来なかった?」

ジルは少し息を切らして衛兵に尋ねた。

「おい、ここは君ら傭兵の守る場所じゃないぞ。

それにここには君ら以外誰も来てないぞ。」

「えっ、それじゃあ...もしかしてあんたらの内

どっちかが化けてるってことはないよな。」

といいながらジルは片方の顔をつねってみた。

「いてて、いい加減にしろっ!」

とつねられた衛兵がジルの胸倉を掴んだとき、

「ぎゃ~!!」

離れた所から大きな叫び声が聞こえた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。