dark legend   作:mathto

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「あらあら。どんな奴かと思えば、まだかわいいボウヤじゃない。」

ジルとマルクの前にイデア教四魔人シェラハが現れた。

「(これはまずいことになりそうな...。)」

マルクはシェラハの容姿を見てすぐに不安にかられた。

長い黒髪にぷっくりと膨らんだ赤い唇、胸元が大きく広がり

足が太ももからきれいに見える黒いドレス、広い範囲に広がっている

いい匂いの香水、そして全てを飲み込んでしまいそうな濡れた瞳、

いかにも男が目を奪われるという感じだった。

「わぁー、セクシーなおねえさぁん。俺と一緒にお茶でもどうっすか?」

ジルはシェラハの体を食い入るように見て、ニヤケ顔で声をかけた。

その様子にシェラハは少しうつむいて笑った。

「(フフッ、なんだか楽勝そうね。ちょっと期待はずれかしら。)」

シェラハはジルとマルクの方に顔を向けると、

「いいわ、少し遊んであげる。」

と言って目に魔力を込めて2人を見つめる。

「『幻影魅力術(テンプテーション)』。」

シェラハから2人に向かって真っ赤な花びら流れていく幻が見えた。

「こ、これは...。」

2人は違和感を覚える。

「さぁ、私の世界へいらっしゃい。一緒に遊びましょ。」

シェラハが口元に笑みを浮かべる。

 

【自制をするのじゃ】

 

ジルはかけられた術を自らの精神力で解き放った。

「はぁはぁ、じーさん感謝するぜ。この女何者だ?」

ジルは浮かれていた状態から一変して警戒を強めた。

「紹介が遅れたわね、私はイデア教四魔人のシェラハよ。よろしくね。

それにしてもあなたは意外とやるようね。でもそっちのボウヤはどうかしら?」

マルクの周りでは真っ赤な花びらに包まれシェラハしか見えなくなっていた。

《「これは一体...。」

 マルクも違和感を感じていた。

 「さぁ、もっと私を見て。」

 マルクは言われた通りにシェラハをじっと見つめた。シェラハのいやらしい体つきを

 見てマルクは顔を真っ赤にした。

 「もっともっと見て。」

 マルクはドキドキしながらも全身を舐めるように見ずにはいられなかった。

 するとシェラハの服は徐々に徐々に透けていった。

 「え、え。」

 戸惑うマルク。

 

 

 

《そしてシェラハの服が完全に消えて裸になったとき、

 「さぁ、もっと近くに来て。」

 マルクはシェラハの体に釘付けのまま、シェラハの言葉に

 心地よさすら感じてすーっと歩いていく。近づくにつれて

 シェラハからの香水の匂いとフェロモンの魔力は

 一層濃いものとなってマルクはすっかり虜と化してしまった。》

シェラハが裸になったのは幻であり、実際には服は着ていた。

しかし、マルクはもうシェラハの隣に立っていた。

「お、おい、マルク。どうしたんだよ。」

マルクの様子にジルは理解出来ずに慌てる。

「ふふ、大切なお仲間は私に協力してくれるのかしらね。」

シェラハはそう言って魔力のかかった目でマルクを見つめる。

「はい、シェラハ様。」

マルクは正気を失って天国にいるかのような笑顔を見せた。

「マルク、俺だよ、ジルだ。俺の声が聞こえないのか。」

ジルはマルクに必死に訴えかける。

しかし、マルクは全くその声に気づくそぶりを見せずただただシェラハ

をじっと見ていた。

「お前、マルクに一体何をした?」

ジルは怒りに満ちた表情でシェラハを睨みつける。

「マルクくんはジルくんより私の方が好きってことでしょ。」

シェラハはジルの反応を楽しむかのようにおどけて言った。

「てめぇ!ふさけんなぁっ!」

ジルは炎の剣を握り締めシェラハに斬りかかろうとした。

「『ウインドガード』。」

風の壁が攻撃しようとしたジルの体を弾いた。

「なに。」

ジルは驚く。

「あらあら、マルクくんは優しいわねぇ。フフフ、仲間に邪魔されるのって

どんな気分かしら?」

「調子に乗るなよ、このメスブタが。」

「な、なにを言っているのか分からないわ。マルクくん、この間違ったことを言ってる

ジルくんを自慢の魔法で攻撃しちゃっていいわよ。」

さっきまで余裕で笑っていたシェラハはジルの暴言に心中穏やかではいられなくなった。

しかし、マルクはシェラハの言葉を聞きながらも全く動こうとしなかった。

「ど、どうしたの?私の言うことが聞けないの?いいから魔法でジルくんを攻撃しなさい。」

少し戸惑うシェラハの言い直しにもマルクは変わらず動かなかった。

その様子にジルはわずかに笑顔を取り戻して、

「マルクは誰かを攻撃するのが嫌なんだよ。それはお前の魔法がかかって

正気を失っていたとしても変わらない。マルクの信念はそこらの奴よりずっと強いからな。」

と自慢げに言った。

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