dark legend   作:mathto

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「グフッ。」

モンスターは斧を地面に落として、口から大量の血を吐き出す。

「やった。」

リゴットが勝利を確信したとき、

「ぐぁぁっ!」

モンスターは最後の力を出して左手の爪でリゴットの背中を突き刺した。

リゴットはモンスターに突き刺した剣を手放し、その場に倒れた。

 

シュン。

リゴットはグラビルの魔法が解かれて魔界の地に戻ってきた。

しかし、リゴットはダメージが大きく倒れたまま動けなかった。

「リゴット!」

マルクは急いで駆け寄りリゴットに回復魔法をかける。

リゴットの傷は完全に塞がったがまだ気を失ったままだった。

「ふぅ、これで命に別状はないでしょうがしばらく戦うのは無理ですね。

他のみんなは大丈夫でしょうか。」

マルクはリゴットの状態に安心はしたが、まだ戻っていないジルたちが

心配になってきた。

 

「ここは?」

キッシュもリゴットと同じような真っ暗な場所にいた。

そこへ頭が3っつある大きな犬のモンスターが現れた。

「こいつは地獄の番犬ケルベロス。確か炎を吐いてくるんだったな。」

キッシュはすぐに剣を構えて戦闘態勢を整えた。

ケルベロスの頭の一つがキッシュに向けて大きく口を開いた。

「こいっ!」

ケルベロスはキッシュの思った通りに炎を吐き出してきた。

ゴォォォォ。

炎が向かってくる中、キッシュは避けようとせずに剣を振り上げる。

「ギャラリーがいないのは寂しいけど俺の力を見せてやる。

いくぞ、『空波斬』!」

キッシュが剣を振り下ろすと炎はキッシュの前で真っ二つに裂かれた。

その勢いでケルベロスの頭を一つ潰した。

「グォォォ...。」

ケルベロスは苦しみの声を上げる。

「これはいけるぞ。よし。」

キッシュは自信を持ってケルベロスに攻撃を仕掛けようと近づき出す。

ケルベロスの残った2つの頭が同時にキッシュの方を向いて口を開く。

「同時にこようが同じことだ。」

キッシュが再び空波斬の構えをしたとき、ケルベロスの一方の頭から

はさっきと同じ炎を吐いてきたが、もう一方は冷気を吐いてきた。

「何!」

キッシュはそれに驚いたが空波斬を撃つ。

ケルベロスの放った炎と冷気はキッシュの手前で一つに重なりあった。

それはキッシュの空波斬を打ち消してしまいさらにキッシュの剣を砕き、

キッシュの体自身にまでダメージを与えた。

「ぐ、そんな。まさか熱と冷気が急激な温度差を作り出して俺の技を

剣ごと壊したというのか。く...。」

キッシュは片膝を地面につける。

 

 

 

傷ついたキッシュに向かってケルベロスは口を大きく開く。

キッシュには素早くケルベロスの攻撃を避けることは出来そうになかった。

「なら...。」

キッシュは残っている力を折れた剣を握る手に込める。

「いくぞっ!『空波斬』!!」

決死の攻撃はケルベロスの心臓を貫く。

しかしそれと同時にケルベロスの口から吐き出された炎がキッシュに届く。

キッシュには力が残っておらず、目の前の炎を見ても避けることも防ぐことも出来なかった。

ゴォォォォ!

炎がキッシュの体全体を包む。

ケルベロスはその場にバタリと倒れたが、キッシュはそれを見ることはなかった。

 

キッシュの体が魔界へと戻ってきた。

そこへマルクが駆け寄る。

マルクは黒こげになったキッシュの体を見て呆然と立ち尽くす。

「そ、そんな...。」

キッシュはもう息をしていなかった。

「ウソでしょ、まさか死んでるはずはありませんよ。私が絶対に治しますから。」

マルクはキッシュに語りかけるように言うと、自らの魔力を高めた。

さらにアグニの右の腕輪を光らせて強力な回復魔法を使う。

白い風が大きくキッシュを包み込む。風は勢いがあったがとても穏やかだった。

しかし、白い風が消えた後キッシュの体は何の反応もなかった。

マルクは言葉を失う。

リゴットはまだ意識は戻っていなくて、マルクに声をかける者はいなかった。

 

そして、ブランは。

「何だ、ここは?」

暗闇の空間に戸惑っていた。

そこへモンスターが現れる。青く透き通った人型をしていた。

それはゆっくりとブランへ歩いて近づいてくる。

「何だか形がゴーレムに似てるな。水で出来てそうな感じだから

アクアゴーレムってとこか。」

ブランは剣を抜いてアクアゴーレムに斬りかかる。

本当に水を切るような感覚で全く手ごたえがなかった。

「これどうやって倒そう。」

そうブランが考えている間にもアクアゴーレムはゆっくりと近づいていた。

そしてブランの目の前まで来たとき、

「えっ。」

ブランがアクアゴーレムの体の中へと引き込まれた。

ブクッ。

「(息が出来ない。)」

ブランの口からたくさんの空気の泡が吐き出される。

アクアゴーレム動きを止めて、しばらくそのままの状態が続く。

ブランは息を我慢していたが限界に近づいていた。

「(く、苦しい...。)」

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