dark legend   作:mathto

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アクアゴーレムの体の中に閉じ込められたブラン。

体を動かし剣を振ったりしてみるが一向に外に出られなかった。

「(う、もうだめだ。)」

ブランは限界を感じて意識が失われようとしたとき、

「(諦めるな。)」

どこからか声が聞こえた。

「(誰だ?いや、この声はキッシュか?)」

その声でブランは意識がはっと戻った。

「(そうだ。俺の技を使え。お前なら出来るはずだ。)」

「(え、お前の技?っていうか、お前どこにいるんだ?)」

キッシュの声はそれ以上聞こえてこなかった。

「(全く...。お前は訳の分からないことを言って。)」

ブランは気合を入れて剣を構えた。

「(キッシュ、お前の技借りさせてもらうぞ。いくぞ、『空波斬』!)」

ブランの渾身の一撃はアクアゴーレムの腹を切り裂いた。

ドバッ。

ブランは切り裂いた腹から外へと出ることが出来た。

「はあっ、はあっ。やっと息が出来るぜ。」

一方、アクアゴーレムは腹から水が噴き出し人型がどんどん崩れよう

としていた。。

ブランがその様子を見届けているとアクアゴーレムは最後のあがきで

体の一部をブランの口に飛び込ませた。

「ゴクッ。」

ブランは突然のことで反応できずそのまま飲み込んでしまった。。

「グ...。」

急にお腹が痛み出してその場に倒れてしまった。

 

シュン。

ブランは倒れたまま魔界に戻ってきた。

すかさずマルクが駆け寄る。

「生きてますね、よかった。早く回復を。」

マルクが回復魔法をかけようとしたとき、ブランの腹が膨れていることに

気づいた。

「ん?」

マルクは思わずその膨れた腹を押してみた。

ピュー。

ブランの口から水が噴水のように噴き出した。

「ゲホッ、ゲホッ。」

ブランは酷く咳をしながら起き上がった。

マルクはブランの元気そうな姿を見て、少し落ち着いた。

「あれ、みんなは?」

ブランはマルクにそう聞きながら横になっているリゴットとキッシュを見た。

マルクは言いにくそうに顔を背けながら言う。

「リゴットは無事ですが、キッシュは...。」

「そ、そんな...嘘だろ。だってさっき俺を励ましてくれたじゃないか。」

ブランはキッシュにそっと近づく。

「嘘だと言ってくれよぉぉぉ!!」

ブランは膝をついて死んだキッシュを揺すりながら泣き叫びだした。

マルクはブランにかける言葉が見つからず立ちつくしていた。

 

 

 

「ここはあいつの魔法の中か。」

ジルはすぐに自分の状況を理解した。

そして、ジルの目の前に地を這うドラゴンが現れた。

「まずはこいつを倒せということだろうな。」

ジルは魔族の村でもらった剣オートクレールを抜いた。

ドラゴンはいきなり口を開けて紫色をした煙のようなものを吐いてきた。

「これは炎じゃなく毒霧だろう...ということは。」

ジルはすっとジャンプして交わすとドラゴンを斬った。

シュウゥゥゥゥ。

ドラゴンの斬られた箇所が泡を出して修復されていく。

「やはり、アンデッド系か。スカルドラゴンってところだな。

こいつを倒すには...。」

ジルは剣を構えると黒いオーラを一気に放出させた。

「『オーラブレイク』!」

ジルは剣に黒いオーラを集中させ、その剣を覆うオーラを大きく

膨らませた。それは剣に大きなボールが突き刺さったようだった。

ジルは剣を思いきりスカルドラゴンにぶつけた。

ジルの攻撃の後にはスカルドラゴンの姿は塵一つ残っていなかった。

「ふぅ、あれだけの巨体を一発で消すのはなかなかしんどかったな。」

シュン。

ジルは静かに元の魔界へと戻った。

 

みんなのところに戻り悲しい状況を見たジルは冷ややかな表情だった。

「あっ、ジル。」

マルクはジルが無事に戻ってきたことは嬉しかったが、今の状況で

素直に表情に出すことは出来なかった。

「やられた奴がいるのか。だから最初に言ったんだ。お前らは弱いから

一緒に来るのは嫌だってな。」

ジルはそう言いながら、みんなに背を向けた。

「ジル、それは酷いですよ。3魔剣士のみんなだって村の仇を取りたくて

イデア教を倒したいっていう強い気持ちがあったんですよ。」

「強い気持ちがあろうが、その気持ちが正しかろうが負けてちゃ話にならねぇよ。」

マルクの反論にもジルは冷たく言い返す。

「何だと。さっきから黙って聞いてりゃいい気になって。俺らをなめるなよ。」

ブランは怒りを顕にして剣を抜いた。

「俺とやる気か?」

「ああ、お前に俺たちの強さをちゃんと見せてやるよ。」

「1人でか?」

「俺にはリゴットとキッシュの思いが乗っかってんだよ。俺は1人じゃない。」

「そうか、ならかかってこいよ。」

ジルはずっと背を向けたまま剣を手にして言った。

「こっちを向かないのは余裕か?ならそのまま死ね。」

ブランは剣を構えてジルに攻撃をしかける。

ガッン!

ジルの振り向きざまの一撃がブランの剣を弾き飛ばした。

振り向いたジルの表情は悲しみをこらえるように一筋の涙を流していた。

 

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