dark legend   作:mathto

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「作戦は決まったのか?」

「作戦はありません。」

ジークフリードの問いにジルはきっぱりと答える。

「ハハハ、ありませんか。なかなかおもしろいな。

それでは続きと行くぞ。」

ジークフリードの素早い攻撃が再び始まった。

ジルは何も考えようとせずにひたすら攻撃を受け続けた。

「(さっきまでとは少し変わったな。反撃とまではいかないが

耐え切れずに下がるということが見られない。俺の攻撃に

慣れてきたのか、この短期間で。いや、それはちょっと違うな。

流れに逆らわず気配を感じて動いているというところだな。

だが...。)」

ジークフリードの動きが一瞬止まる。

それにつられてジルも動きを止めてしまう。

「変則的な動きに弱い。」

ジークフリードの剣が鋭くジルに向けられる。ジルは全く反応出来ず

体を強張らせていた。

「(は、やばい。)」

ビュッ。

ジークフリードはジルの脇腹を浅く斬った。

ジルの脇腹から血が滲み出す。ジルは自分の血を手で触って見て

確認した。思っていたよりも傷が浅いことに困惑していた。

「今のはわざと攻撃を浅くした。君の命を奪うことが目的じゃないからな。

基礎能力は大体分かった。動きはなかなかいい。経験をもっと積めば

対応力も出てくるだろう。後は君の潜在能力を見てみたい。」

「潜在能力?」

「どれだけの力を眠らせているのかということだ。

これが低ければ話にならない重要な要素だ。」

「でもそれをどうやって見るんですか?」

「俺が持てる最大限の力で攻撃をする。それに対して君がどんな反応

をするかで分かるはずだ。」

ジルはジークフリードの言っている意味がよく理解できなかった。

「やってみれば君も分かる。」

ジークフリードが剣を構えると今まで以上に強いオーラを身に纏った。

ジルはそこからジークフリードの気迫を感じ真剣な表情で剣を構える。

「もし受けるのが無理なら避けても構わないぞ。」

ジルは無言でゆっくりと頷いた。

「では、行くぞ。」

ジークフリードは剣を動かし始める。

「(来る!)」

「『ギガスラッシュ』!!」

眩いばかりの強烈な光がジルに襲い掛かる。

「(速...、避け...、む、..り。)」

あまりの速さにジルはその場から動けずにいたが、黒いオーラを全開にして

それを体の前に出した剣に集中させる。

ドンッッッ!!

ジークフリードの攻撃でジルの体が後ろへズルズルと地面を

滑るようにして下がっていく。

 

 

 

「よく無傷で俺の必殺技を受け止めたな、褒めておこう。

しかし、防御だけではダメなことは分かっているだろう。

もう一度行くぞ。」

ジークフリードは次に備えて剣を構える。

ジルの方は体に違和感を感じていた。

「(な、何だ。手の痺れが止まらない。剣を持つだけで

精一杯だ。これ以上力が入らない。く、これじゃさっきの

攻撃を受けることも出来ない。)」

ジークフリードが力を溜めているのを見て、ジルは焦った。

「(くっ、こうなりゃ。)」

ジルは手にオーラを少し集めて力が入らない分を補おうとした。

ジークフリードは鋭い視線を向けると、ジルに緊張が走る。

「『ギガスラッシュ』!」

「(今度はこっちも。)『オーラブレイク』!」

黄金のオーラと黒いオーラが激しくぶつかった瞬間、

バーンッッ!!

ジルの体だけが後方へと勢いよく飛ばされた。

倒れたジルはゆっくりとなんとか起き上がって剣を手にする。

「(痛っ、全身が切り刻まれたかのようにズキズキとする。

もう立っているのがやっとって感じだ。)」

苦しむジルを余所にジークフリードは平然と立っていた。

「君の力とはこんなものか?もっとすごいものを持っていると

期待したんだがな。俺も一度の戦闘で必殺技をフルに撃てるのは

3回が限度だ。念のために3発目を放とう。ジル、死ぬなよ。」

それを聞いたジルはわずかに恐怖した。

「(う、もうダメだ。か、から、だが、もた、な、い。)」

しかしジルは意識が少し朦朧としだしていて、体から放出される

黒いオーラは僅かなものになっていた。

ジークフリードは今までで最高の一撃を放とうと力を溜めに溜めている。

ジルは立ってはいたが、その瞳にはジークフリードの姿はなかった。

ジルの頭の中は真っ白になっていた。

「君の本当の力を見せてくれ。行くぞ、『ギガスラッシュ』!!」

ジークフリードが放つ激しいほどの眩しい光はジルの目に焼け付くように

入り、頭の中にも強い刺激を与えた。

パチン。

ジルの中で何かが弾けた。

虚ろだった目がはっきりとして真剣な目つきへと変わる。

ジルはその時正気ではなかったが、剣を握る手に力が入る。

そしてその体から突然白いオーラが噴き出される。

両手で握った剣を天に向けて振り上げると、

「『ギガブレイク』!」

巨大な白い光がジルから放たれる。光は強い稲妻を纏って

ジークフリードの光をジークフリード本人ごと消し去ろうとする。

 

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