dark legend   作:mathto

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「これが見たかった。よく頑張ったな、ジル。

君はもう世界一の剣士だ...。」

ジークフリードは嬉しそうに微笑を浮かべながら光の中に

消えていった。

ジルが放った光は幻術を打ち破り、魔界に一筋の線を示していた。

ジルは力尽きるようにその場に倒れていた。

「いいものを見させてもらったわ。」

シェラハはジルにそっと近づいて回復魔法をかけた。

「私の役目はこれで終りね。また機会があれば会いましょう。」

シェラハはジルが気がつく前にその場から静かに去っていった。

 

 

「うぅ、俺は生きているのか?」

ジルは意識を取り戻して立ち上がる。

「ジークフリードがいない。シェラハもいない。どうなってるんだ?

何が何やらさっぱり分からない。」

ジルは色々と思案してみるが何も思いつかない。

「...仕方ない、先に進むか。俺はジークフリード、あなたに

近づくことが出来たんだろうか?」

 

 

「待ちくたびれたよ。」

ジルが神殿の前まで来たとき、リュークが立っていた。

ジルは無言で剣を抜く。

「もうやる気満々だね。それでこそ僕が造られた意味があるというものだよ。」

「造られた?」

「そう、僕はイデア教のために造られた存在。そのときにある人間の体の一部を

移植されてね、光魔法が使えるんだよ。誰だか分かるかい?」

「光魔法、勇者、まさか...。」

「心当たりがあるようだね。それは勇者エトワール=シールダーの息子、

シャナン=シールダーだよ。なかなか出来る男だったらしいけど、

活躍する前にイデア教が捕らえて人体実験とかされてたみたいで

大して有名じゃないんだけどね。」

「ダニエルの親父ってことか。しかし、何て酷いことを...。」

「人間だってそれくらいのことしてるんじゃないの?」

リュークは悪びれる様子もなく普通に話す。

「お、お前らの目的は何なんだ!!」

「もう薄々は分かってるでしょ、僕たちの目的は君にあるってことを。

君の中に封印されているものを解き放とうとしているんだよ。

ここで戦うことで目覚めだしてきているんだ。」

「俺の中の悪魔をか...。」

「悪魔?そんな安っぽいもんじゃないよ。そもそもイデア教のイデア

ってのは物の本質、そしてそれを示すものは神に他ならない。

僕らにとっての神とは邪神。邪神の一部が君の体の中に眠っている

ということだ。よく分かっただろう。」

「!?」

ジルはあまりの突然の言葉で驚きを隠せなかった。

 

 

 

「ちょっと喋りすぎちゃったかな。それじゃそろそろいくよ。」

リュークはすーっと掌をジルに向ける。

動揺しているジルは慌てて体勢を整える。

リュークの掌がぼわーっと光るとジルに向けて光のビームが放たれた。

ビューー。

ジルは飛び上がって避けると、リュークに斬りかかろうとした。

「甘いよ。」

リュークはそれを読んでいたかのように間近に迫るジルに掌を

向けていた。

2発目が放たれたが、ジルは気にせずに剣を振り落とす。

「甘いのはそっちだ。」

「!?..やばい。」

リュークは急いで後ろに下がる。

リュークの光のビームはジルの剣によって切り裂かれた。

避け切ったと思ったリュークの額から血が一筋つうと流れた。

それを手で触り見て確認したリュークは顔を青ざめさせた。

「よくも僕に傷をつけてくれたな。許さないぞ。」

リュークの顔は怒りに満ちて魔力を全開にさせた。

黄色いオーラが全身を包んだリュークは魔法でジルの周囲に

無数の光の針を出現させた。

「はははは、これで終わりだ。案外あっけなかったね。」

「ちっ。」

ジルは黒いオーラを全開にして防御の体制をとった。

「くらえっ。」

空中に浮かんでいた光の針は一斉にジルの体目掛けて飛ばされる。

全てがジルの体に突き刺さると光の針はシュンと消えた。

「けっこう痛いな。」

ジルは痛がりながらもピンピンしていた。

「あれでほとんどダメージなしとは、やるね。」

リュークは驚きながらもその表情は笑顔へと変わる。

「仕方ない、こうなったらこれを使うか。」

リュークは右手に魔法力を集中させて光らせる。

それは次第に剣の姿を作っていく。

「『スターソード』。さぁ、仕切りなおしだよ。」

ジルとリュークは剣を手にして互いに斬りかかる。

お互いに一歩も引かない互角の戦いを繰り広げる。

「(こいつはやはり強い。だけど負けられない。)」

2人は同じ思いをしながら剣をぶつけ合う。

しばらくして一息つくように一旦離れた。

「(動きはさすがに速いな。だが、剣士としては俺の方が上のはず!)」

ジルは勢いよくリュークに近づいて剣を振るう。

リュークは当然のように防御したが、ジルの強い一撃は

リュークの体を後ろへズルズルと下がらせた。

 

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