ジルは息をつかずにそのまま連続攻撃をしかける。
リュークは防戦一方になる。
「ぐっ...。」
「ダアアアァァァ!」
カキーン。
ジルがリュークの光の剣をはじくと剣はしゅうぅぅとその姿を消した。
「もらった!」
ジルが止めを刺そうとした時、リュークは歯軋りをして左の人差し指を
ジルに向けて光の線を出した。
ビー。
光の線はジルの肩を貫き、ジルの動きを一瞬止める。
その間にリュークは少し後ろに下がって態勢を整えなおした。
「はぁはぁ...。」
リュークは息を切らし始めた。
ジルは肩の痛みを耐えながら攻撃を続けようとする。
「『ライトネット』。」
リュークは放射状の光の網をジルに放つ。
それに引っかかったジルは身動きがとれなくなった。
「僕をここまで追いつめるなんてね、すばらしいと
褒めておくよ。だけど、これで終わりだ。」
リュークは両手に全魔法力を集中させてジルに向ける。
「とても楽しかったよ。ありがとう、ジル。」
「ぐぅ...。」
ジルは網から逃れようと必死に悶える。
「『ライトブラスター』!!」
ズドォォォーーン。
強く太い光の筋がジルに目掛けて放たれる。
「がぁぁぁあ!」
ジルは黒いオーラを爆発させて体を捕らえていた光の網を解き放つ。
「『オーラバスター』!」
ジルはさらに向かってくる光の筋に対して球状のオーラを放つ。
「何!」
球状のオーラはリュークの光の筋を押し返していく。
ボンッ!!
光がリュークの元で破裂した。大きな煙が立ち昇り、それが晴れていくと
ボロボロになったリュークの姿があった。
そのときには既にジルが止めの一撃を与えようとしていた。
「いくぞ、リューク。『オーラブレイク』!」
リュークの体が真っ二つに切り裂かれる。
「ぐあぁぁぁぁっ!!」
リュークの断末魔の叫びと共に倒れていった。
「ふぅ。」
ジルは剣を収めて息をついた。
「ダニエル、お前はこのことを知らないのかもしれないがお前の親父の仇
はとってやるよ。何が俺の中の邪神を解き放つだ。ふざけやがって。
イデア教は俺が潰してやる。」
ジルは一層気持ちを強くしながらいよいよ神殿の中へと足を踏み入れようとした。
いよいよ神殿の中へ足を踏み入れるジル。
「何だ、ここは?今までと空気が全然違う。」
薄暗い中でジルは異様な空気を感じて一瞬足が止まる。
「さぁ、こっちに来い。ジル、いやジルヴェルト=レイヤード。」
奥の妙に明るくなったところからカーラがジルを呼ぶ。
「お前がここのボスか!」
ジルは叫びながらカーラのいる奥へ剣を抜いて走る。
一気にカーラの目の前まで来たジルはいきなりカーラに斬りかかる。
それに対してカーラはジルに慌てることなく掌を向ける。
バンッ。
ジルはカーラの魔法によって弾き飛ばされる。
カーラの傍にはDr.サッカーとダグラス、そして後ろにもう1人立っていた。
「威勢がいいな。だが、私はお前と戦うためにここにいるのではない。
もう知っていることだろうが、このカーラは邪神復活のために暗黒魔道士
の頂点である大魔道として、イデア教の神官としてここにいるのだ。
Dr.サッカー、最後の仕事だ。」
「は。」
カーラに指示されてDr.サッカーは手にしていたスイッチのボタンを押す。
すると、どこからか不思議な音楽が流れ出しジルの立っている床が
妖しく紫色に光りだす。
「さぁ、今こそ長年待ち望んだ瞬間の時だ。」
カーラはそう言うと、後ろにいた者を横に出す。
「私とDr.サッカーが造り上げたこの人形に邪神の力を宿すのだ。」
床の光は一層強くなってジルを包み込む。
すると突然ジルに異変が起こり始める。
「(ぐ...。憎しみ、怒り、妬み、痛み、悲しみ、孤独、虚しさ、絶望、
全ての負の感情が心がはちきれそうな程湧き出してくる。)」
【自制をするのじゃ。】
ジルは苦しみながらこみ上げてくる感情を必死に抑えようとする。
「無駄だ!この必然の儀式に抗う術など存在しない。」
「ぐあぁぁぁぁ!!」
ジルは感情を抑えることが出来ず頭を抱えて苦しみ続ける。
「カーラ様、それでは私はこれで失礼します。」
「うむ、よくやってくれた。これで邪神復活は間違いないだろう。」
Dr.サッカーはカーラの許可を受け、その場から去っていった。
「がぁぁぁぁっ!!......。」
ジルの苦しみは頂点に達して遂に叫び声も出なくなり、白目を剥いて
首が垂れる。