dark legend   作:mathto

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メアリーが牢から立ち去ろうとした時、別の牢に誰かの気配を感じた。

「ん?」

そっと覗き込む。

そこには汚らしい老人が1人座っていた。

「あなたも捕まえられてたの?」

その老人は何の反応も無かった。

「ねぇ、あんたこの人も出してあげなさいよ。」

「え、そんな命令は聞いてないぞ。」

「いいから出してあげなさい!」

メアリーの強気な一言に圧されて仕方ないといった感じで

老人の牢の鍵を開けるモンスター。

「よかったわね。これであんたも自由よ。」

老人はゆっくりと立ち上がる。

「女、名前は?」

老人がメアリーに尋ねる。

「私?メアリーよ。よろしくね。」

メアリーは笑顔で答える。

「わしの名はガンテじゃ。捕まる前は鍛冶屋をやっていた。」

「へぇ、すごいわね。そしたら今度ジルに剣を作ってあげて欲しいな。

って、あいつ私のこと全然助けに来なかったのよ。信じられないわ。」

「はっはっは。おもしろい娘じゃな。ジルというのは彼氏か?

もう剣を打つのは辞めようかと思っておったが、メアリーの為なら

あと一振りくらい打ってもいいかの。」

「ありがとう。そしたらもうここには用もないし行きましょう。」

見張りのモンスターが案内をしてメアリーとガンテは出口へと向かう。

 

「ふぅ~、やっと陰気臭い地下から抜けれたわね。」

メアリーは階段を上って地下から出てくると、両手を上げて

背筋を伸ばした。

「...あれ?」

メアリーは遠くからジルとマルクを見つけた。

「2人は先に行って。私、ちょっと用があるから。」

「いいのか?俺はお前をテラに帰す方法を聞いているんだぞ。」

「うん。いいの、ありがとう。」

「メアリー、それじゃ元気でな。」

「バイバイ。」

メアリーは手を振って2人に別れを告げた。

そしてすぐにジル達の元に走る。

パチン!

メアリーは横たわるジルのすぐ傍に来たなりその頬を思いきり引っ叩く。

「あんた何寝てんのよ!いつまでも助けに来ないで。」

マルクはただただ驚いていた。

「う、うぅ...。」

ジルは意識を取り戻した。

「ん?メアリー、おはよう。」

少し寝ぼけてメアリーを見る。

 

 

 

パチン!

メアリーは再びジルの頬を引っ叩いた。

「おはようじゃないでしょ。他に言うことはないの?」

2発目でジルは完全に目を覚ました。

「痛っいなぁ。でもメアリーが無事でよかったよ。」

ジルはゆっくりと体を起こすと、

叩かれたことに怒らず素直にメアリーの無事を喜んだ。

その優しさにメアリーの目に涙が浮かぶ。

「本っとに遅いわよ。バカバカバカァ!」

メアリーは泣きながら座りジルの胸を両手をグーにして叩く。

「悪かったな。」

そう言ってジルはメアリーの体を両手で包むように抱いた。

メアリーは黙ってジルの胸に顔を埋めた。

マルクは横で少し恥ずかしくなり2人から目を逸らした。

暫くしてジルとメアリーが離れるとジルは立ち上がった。

「さ、帰ろうか。」

ジルの声にメアリーとマルクは笑顔で頷いた。

3人は足並みを揃えて神殿から出た。

 

「あっ、そうだ。あいつらは?」

「ブランたちですね。」

「??」

メアリーはよく分からないまま2人についていく。

3人はブランの待つ場所へと戻ってきた。

そこには意識を取り戻したリゴットの姿もあった。

「勝ったんだな。」

「ん、まぁな。」

ジルは少し決まりが悪そうにブランに答えた。

「そうか、これでキッシュや俺達の仲間の仇は取れたんだ。

ありがとう。」

リゴットがジルに礼を言う。

「でもイデア教を潰せたのは俺だけの力じゃないぜ。

お前らリゴット、ブラン、そしてキッシュが一緒に戦ってくれた

おかげでもあるんだぞ。」

リゴットとブランは少し照れる。

「2人とも、これからはその力で村の人たちを守っていけよ。」

「ああ、言われなくても分かってる。」

2人は力強く頷く。

「女がいるのを見ると、お前も目的を果たしたみたいだな。」

リゴットがメアリーを見て言った。

「ああ。これで俺達はもう元の世界へ帰れる。マルク。」

「はい。いきますよ、『ゲート・オブ・ウインド』。」

マルクは風の穴を作り出す。

「じゃあな、もしまた魔界に来るようなことが俺達の村に遊びに来いよ。」

「おう!」

ジル、メアリー、マルクの3人は穴の中へと続けて飛び込んでいった。

「行ったんだな、あいつら。」

「俺達の親父達があいつの親父に仕えてたってのも今なら分かる気がするな。」

「さぁ、俺達も村に帰ってキッシュを盛大に弔ってやろうぜ。」

リゴットとブランは死んだキッシュを抱えて村へと帰っていった。

 

実際は違う部分もあるが結果としてジルが魔界で大きな勢力を誇ったイデア教を

壊滅させることになったので、魔界中でジルのことを魔界の覇者と噂されるようになった。

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