dark legend   作:mathto

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第3章
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「う~ん、この懐かしい空気。私、テラへ戻ってきたのね。」

メアリーは笑顔でテラの空気を味わう。

「ここはミッフェンか。」

ジルは周りを見回して確認する。

「それにしてもジル、あそこに来るまでどんな感じだったの?」

メアリーが尋ねる。

「私も最後は待っていただけですからね。話を聞きたいですね。」

「いいぜ。どっか落ち着く場所に行ったら話してやるよ。」

3人はレストランへと足を運んだ。

 

「...ってわけで俺はイデア教の幹部をバッタバッタと

倒していったってわけだ。」

「へぇ~。」

メアリーは感心して聞いていた。

「ちょっと待ってください。ジル、氷の女王やイデア教の女の人に

告白されたけどメアリーがいるから断ったってどういうことですか!

どっちもジルの方から口説いてたでしょ。」

「へぇ、ちょっとそこのところ詳しく聞かせてほしいわね。」

メアリーは怒りを含ませながら聞いてきた。

「(マルク、余計なこと言うなよ。この場でそんなこと言ったら

どうなるかわかるだろ?)」

「(もう。)メアリー、さっきのは私の勘違いでした。ごめんなさい。

本当は全然何もなかったんです。」

マルクは冷や汗を垂らしながら必死でさっきの発言を取り消す。

「ふぅん、分かったわ。そういうことにしといてあげるわ。」

メアリーはマルクの言葉に完全には納得していなかったが、

ここは怒りを抑えることにした。

「ふぅ(危ない、危ない)。そしたら続きな。魔族の村で俺の親父は

魔族だってことを聞いてびっくりしたんだけど、それだけじゃなかったんだ。

今まで急に意識を失ったりしたことがあってそのとき俺の中に悪魔みたいなのが

いるってのは気づいてたんだけど、イデア教のやつが俺の中に

邪神の一部が封印されてるって言ったんだよ。で、ボスのところまで

行ったらその邪神が目覚めてな。そのときはさすがに覚えてるよ。

とんでもなく凶悪な意思の塊って感じだったな。結局邪神が暴れて

イデア教は壊滅したんだけど、最後はどっかにいったんだな。

俺の心臓を潰して。あれ、そういえばどうして俺生きてるんだろ?」

ジルは話を止め自分の体を見た。

すると指にはめてあった指輪に皹が入っていた。

「あ、これはニクロムにもらった『身代わりの指輪』だ。そうか

これが俺の命を救ってくれたのか。」

「で、邪神ってのはどこに行ったのかしら?」

メアリーは素朴な疑問を投げかける。

「さぁ、見当もつかないな。ただあんなのが世の中に現れたら

すぐに分かるんじゃないか。」

「それでジルは邪神が現れたら倒すのですか?」

「う~ん、その決心はまだだな。ちょっと考え中。さて話はこれでお終いだ。

今はご飯を楽しく食べようぜ。」

ジルは話を終わらせて3人は食事を続けた。

 

 

 

「フハハハハ。時は来た。今こそ我がヴェロニス帝国が

世界を制する。」

金髪で整った顔。さらにその身を包む紺色は地味ながらも

散りばめられた小さな宝石の数々、尖った力強いデザインの

服装は巨大な力を示しているようでもあった。

その男、ヴェロニス帝国皇帝キルヒハイス=ヴェロニスは高らかに笑うと

整列して立ち並ぶ大勢の兵士達の前で大声で断言した。

皇帝の立っている場所は広い部屋に敷かれた赤い絨毯

の先にある玉座に当たる。

傍には1人の執事、そして3人の将軍が脇を固める。

「腐敗したアルテリア連合に我らの力を見せつけてやるのだ。」

「オー!!」

兵士達は右腕を上げ士気を高めた。

それから間もなくしてヴェロニス帝国はアルテリア連合への

侵略を開始することとなる。

 

「キャー!」

ジル達がいるミッフェンで女性の叫び声が聞こえた。

「何だ!?」

食事を済ませたジル達は慌てて店の外へと出た。

そこには熊が一匹暴れていて町の人間が数人引っかかれて

怪我をしていた。

「おかしいですね。こんな町中へ熊が現れるなんて。」

「まぁ、出てきたもんはしょうがねぇな。熊には悪いが人間に危害を

加えたんだから俺が倒してやるよ。」

ジルは剣を抜いて、熊の元へ向かう。

ブシュ。

ジルの剣が熊の心臓の辺りを貫く。

「え?」

ザシュッ。

熊の爪がジルを切り裂く。

予期せぬ反撃にダメージを受けたジルは痛みを堪えて

なんとか剣を抜いて一旦後ろへと下がった。

「いって~。」

「ジル、すぐに回復しますね。」

マルクはジルに回復魔法をかける。

「サンキュー、マルク。それにしても心臓刺しても何とも無いなんてあいつ

ただの熊じゃないな。ほぼ間違いなくアンデッド系だな。」

「アンデッドベアーってやつね。でもどうするの?」

メアリーがジルに尋ねる。

「めんどくさいから全力で一気に片付けるか。」

ジルは剣を強く握って体からオーラを出そうとしたが何も起こらなかった。

「あれ?おかしいな?ていっ!はっ!」

ジルがいくら気合をいれてもオーラは全く出なかった。

「何やってるのよ、もう。アンデッドベアーがまた人を襲いそうになってるわよ。

私が行くわ。『ファイアウォール』。」

メアリーが放った魔法でアンデッドベアーは激しく燃え上がった。

しばらく苦しむように暴れていたがやがてバタリと倒れ黒い炭となった。

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