dark legend   作:mathto

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「着いたな。」

「はい。」

ジルたちはサンアルテリア王国へ到着した。

「マルクってすごいわね。魔法で海を渡れるなんて。

もう船いらずじゃない。」

「いえ、それほどでもないですよ。」

メアリーに褒められ照れるマルク。

「ははは。役に立たないのはメアリーだけだな。」

「何よ。誰の為にここに来たと思ってるのよ。一番役立たずの

ジルのためでしょ。」

「何だと。」

メアリーとジルは険悪な雰囲気になる。

「もう、やめましょうよ。こんなところでみっともないですよ。」

マルクは困り顔で2人を抑えようとする。

「ジルから嫌なこと言ってきたのよ。謝りなさいよ、

『ごめんなさい』って。」

「何で俺が謝んなきゃならないんだよ。」

「『イエローフローラル』。」

マルクはジルとメアリーを黄色い風で包んだ。

すると2人は少し落ち着きを取り戻した。

「つまらないケンカはやめてくださいよ。」

「すまねぇ、マルク。」

「ごめんなさいね。」

2人はマルクに謝った。

「いいんですよ。さぁ、ニムダさんのところに行きましょう。」

「そうだな。」

3人はニムダのいる小屋へと向かった。

 

ガチャ。

「おーい、じいさんいるか?」

バコッ。

ニムダが剣の収まった鞘でジルの頭を叩いた。

「人の家に入るのにそんな尋ね方があるか!」

「いてて。」

ジルは頭を抑えて痛がる。

「久しぶり、ニムダ。」

「おお、メアリー。本当に久しぶりじゃな。また一段と大人っぽく

なったんじゃないか。」

さわさわ。

バコッ。

メアリーはお尻を触ってきたニムダの頭をグーで殴った。

「会っていきなり何すんのよ。そんな迎え方もないでしょう。」

「いたたた。年寄りは大切にせんといかんぞ。」

「だったらそんなことしないでよ。殺そうかと思ったわ。」

「はっはっは。相変わらず激しいのぉ。で、今日は何の用かな?

まぁ大体は予想はついておるがな。」

「ホントかよ、じいさん。まさか口からでまかせ言ってんじゃないだろうな?」

「アホか。わしを誰だと思ってるんじゃ。どうせお前のことだろう、ジル。」

「マジで知ってるのか。だったら早く教えてくれよ。」

「全くお前は口の利き方というものが分かっとらんのぉ。」

「え。」

 

 

 

「まぁいい。約束は守ってもらったしな。」

「何だ?約束って?」

ジルが尋ねる。

「メアリーのお尻を触らせてくれるという約束をジルがしてくれたんじゃよ。」

「ジル!一体いつそんな約束したのよ!」

メアリーはジルに怒る。

「いやぁ、これには訳があってだなぁ。マルク、フォロー頼むよ。」

「え!いきなり私に振られましても。え、え~と、そうだ。

ジルは大切な情報を教えてもらうためにですね、仕方なく了解

してしまったんですよ、きっと。」

マルクはできる限りのフォローをした。

「何の理由があったのか知らないけど私は関係ないでしょう!」

メアリーの怒りは静まらない。

「(やべぇな、こりゃ。どうしたらいいかな。う~ん、あんまりこんな嘘は

嫌なんだけどな。)ええと、メアリー。実はお前が魔界に攫われた時に

どこにいるかの情報を教えてもらったんだよ。俺は嫌だったんだけど

なりふり構っていられなかったからな。」

「え、え、え。そ、そうなの。う、うん、分かったわ。」

メアリーは自分の為という説明で急に複雑な気持ちになった。

「(よく言うのう、そんなウソを。)」

ニムダはジルにこそっと言った。

「(じじい、よけいなこと言いやがって。俺だってこんなウソつくのは

本当に嫌なんだからな。)」

ジルは心の内に怒りをじっと堪えていた。

「(ふむ、すまんかったのう。)よし、そしたらジルにアドバイスでも

言ってやろうか。」

ニムダはジルに静かに謝って言葉を続ける。

「話を戻すぞ。ジルの力が思うように出ないということじゃろう?」

「ああ、全くその通りだよ。」

「それはお前の中の邪神が抜け出たことによるものだな。」

「そこまで知ってたのか。」

ジルもさすがにニムダが知っていることに驚く。

「わしも一応剣聖とまで言われたことがあるからな。この前修行に来たとき

勘が働いたんじゃよ。」

「で、俺はどうしたらいいのか教えてくれないか。」

ジルは真剣な表情でニムダに頼む。

「しばらくは何もしないことじゃな。」

「それじゃ答えになってないだろ。」

 

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