「別に長い間会えなくなるわけじゃないだろう。
早く城に戻って心配してる親父さんに笑顔を見せて
こいよ。それでちゃんと説明してまた戻ってきたら
いいじゃないか。俺らは近くで待ってるからさ。」
「うん。」
メアリーはジルに抱きつき静かに頷いた。
「貴様、姫様に何を!」
若い騎士は慌て声を荒げた。
「まぁ待て、ビラク。それでは姫様...。」
「分かったわ、一度城に戻りましょう。それでいいんでしょう。」
「やっと分かっていただけたましたか。ありがとうございます。」
ドーガは自分の乗っている後ろにメアリーを乗せる。
「感謝するぞ。」
ドーガはジルに礼を言い、アルテリア宮廷騎士団を連れて
城へと戻っていった。
「これでよかったんですね。」
マルクが笑顔でジルを見る。
「ああ、そうだな。それよりメアリーを待ってる間どうしようか?
...そうだ、ヒヨルドのところに寄ってみるか。」
「はい、いいですよ。」
ジルとマルクの2人はヒヨルド博士の研究所へと向かうことにした。
「ヒヨルド博士、いてますかね?」
「さぁな、留守なら別のことを考えるか。」
ジルは研究所の扉のノブを握る。
ギィ...。
扉はゆっくりと開かれた。
「鍵が閉まってないってことはいてるかな。」
2人は中へと足を踏み入れる。
「おぉ、ジルさん、マルクさん。グッドタイミングですよ。」
「は?」
ジルはヒヨルド博士の喜ぶ態度に戸惑う。
「まぁ、ここで話すのも何ですから奥へどうぞ。」
2人は誘われるままに奥のテーブル席に着いた。
「実はですね、嬉しいニュースが2つもあるんですよ。
以前から話していた剣のことです。」
ジルはピクッと興味を示す。
「行方不明だった鍛冶屋さんが見つかったんですよ。ただ頑固な方で
まだ剣を打つことを断られているのですが...。」
「へぇ、そうか。まぁ、交渉は難しいかもしれないが可能性が見えてきた
ってところだな。」
ジルは素直に相槌をうつ。
「あ、それでそのときついでに2人の帝国の入国許可証をもらっておきましたよ。
渡しておきますね。」
ジルとマルクはヒヨルドから入国許可証を受け取る。
「サンキュー。」
ジルは簡単に礼を言う。
「1つ目のニュースはそれで、2つ目はなんと剣に必要なエネルギー源を
見つけたんですよ。いや、正確にはこれから探さないといけないんですがね。」
「へぇ、どんなものなんだ?」
「それはですね、とびきり強力な賢者の石で名前は『レインボーダイヤモンド』
っていうんですよ。」
「『レインボーダイヤモンド』!」
マルクは驚いて叫んだ。
「マルク、知っているのか?」
「知ってるも何も『レインボーダイヤモンド』は賢者の石なんてものじゃないですよ。
聖石と言って神の力を秘めた伝説上の存在するかも分からないような石です。」
「『レインボーダイヤモンド』は実在しますよ。図書館で詳しく調べました。
『レインボーダイヤモンド』を手に入れるには3つの宝石、『ビッグジュエル』と
呼ばれる物を揃えるといいという風に書いてありました。」
「へぇ、それでそのビッグジュエルってどんな宝石なんだ?」
「『レッドエメラルド』、『ブルールビー』、『グリーンサファイア』の3つです。
通常の自然界では考えられない色をしているだけで魔力などは全く発しません。
しかし見る人が見ればその価値は計り知れないものになります。」
「ん?『レッドエメラルド』?『ブルールビー』?どっかで聞いたような。」
「あーーーー!!!」
「どうしたんだよ、マルク。また急に大きな声を出して。」
マルクは慌てて道具袋をゴソゴソと探り出す。
「あ、あった!」
マルクが手にしていたのは青い宝石だった。
「これですよ、ジル。あの海賊の船長さんに別れ際にもらった。確かに『ブルールビー』
って言っていましたよ。」
「え、まじかよ。それじゃ一個目はもう手に入ってんじゃん。」
「それに『レッドエメラルド』も知っていますよ。あれはクラレッツ城で盗賊が
盗んでいきました。」
「あー、あれか!まさかあいつらも『レインボーダイヤモンド』を狙って...。」
「ええ、その可能性は十分考えられますね。」
「そいつはかなりやっかいだな。」