dark legend   作:mathto

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「で、余が悪ならばどうするというのだ?」

「俺の目的は唯一つ。悪の根を断つこと。」

「なるほど、大体分かった。どうだ、余と剣を交えて見ぬか?」

「いいだろう。」

「よし、剣は一般兵用の鉄の剣でいいか。」

そう言って皇帝は王座から立ち上がると置いてあった

2本の鉄の剣を手にして、その1本をカフィールに渡す。

お互い軽く頷いた後、剣がぶつかり合った。

カキーン。

カキーン。

それはそれほど激しくなく試しあうように剣が振るわれる。

「カフィール、『正しき思想』という本を知っているか?」

皇帝は剣を撃ちあう中で問いかける

「ああ。人に薦められて読んだ。くだらない理想論だろう。

人の意思を無視した考えとしか思えない。もし、人が

全てそれと同じような考え方をしているとしたら理想的な世界が

造れるのだろうがな。まずそれはありえないな。

だが、それがどうした?」

「もし、著者がその理想的な世界とやらを本当に造ろうとしたらどうなる?

人はそれをいいことと思っても自身をそう変えることは出来ず拒絶する。

そして造ろうとした者は挫折する。

挫折した先に行き着くものは、完全な諦めか現状に合うよう妥協した世界

もしくは全く別の世界となるだろう。」

「まさか...。」

カフィールは驚きの表情を浮かべて、2人の剣が止まる。

「さすがに勘が働くな。」

皇帝はカフィールの顔を見て満足そうにする。

「お前の真の野望とは...。」

「どうだ、カフィール。余の力になってくれないか?」

「分かった。」

全てを理解したカフィールは短く返事をした。

「そう言ってくれると思った。余はお前を協力者として迎えたい。

だから特別な待遇を用意しよう。そしてお前だけは余のことをキルヒハイスと

名を呼び捨てで呼んでくれて構わない。」

「フ。だがもしお前が俺の目的と反することになれば俺はお前を斬るぞ、キルヒハイス。」

「それで構わない。協力関係は互いの目的が一致してのものだからな。」

そして、カフィールにはヴェロニス帝国のエリート兵士、聖騎士たちを任せられ

正規軍とは別に結成された『白騎士団』の団長となった。

 

 

 

一方、共同墓地近くで人があまり近づくことのない原っぱではたくさんの生ける屍たちが

甲冑、武器を身につけ集まっていた。その前にザムザが立つ。

「お前たちに死の恐怖などはない。肉体、魂、全てを我等が帝国の為に捧げるのだ。」

「グォォォォ!!」

死霊兵士たちはザムザの言葉に反応し、大きな呻き声を上げた。

これらはデュラハンを団長とする『黒騎士団』として帝国内で新たに誕生する

2大勢力の一翼となる。

 

ここはヴェロニス帝国の東、ギアナ国の北に位置し、アルテリア連合には

加入していていないストナ王国。

「それは本当か?」

ストナ国王は目を丸くしていた。

「はい、王の軍師として働かせて頂きたい。」

ストナ国王の目の前に立っているのはエウドラだった。

「世界一の魔法使いのお前が味方になってくれるのはありがたい

ことだが、それはなぜだ?お前ほどの力をもっていながらこんな小国

に目をかける理由を知りたい。」

「それはこの国が一番やりやすそうだからですよ。他の強国は色々な

しがらみが多く思うように活動出来るかどうかが不安でして。」

「なるほどな、ここならわしさえ了承すれば自由に出来るというわけか。」

「そういうことです。」

「もう一つ聞いておこう。お前はこの国で何がしたい?」

「心配していることは国を乗っ取られるといったところでしょうか?

しかし、そういうことは興味がありません。自分自身を試して

この国を大きくしたいだけです。。この考えは王にとって悪い話ではないと思いますが。」

「そうか。わしも領土の拡大は考えてはいたがなかなか力が及ばなくてな。

お前がいてくれるなら何か出来るかもしれないな。

よし、エウドラ。お前を我がストナ王国の軍師として採用する。」

「ありがとうございます。」

 

バレンティ首相の部屋に一人の男が入る。

体格がよく、顔には白い髭を生やしていた。

「おお、レビル将軍か。」

「ここに呼ばれたのはどのような用件でしょうか?」

「実はお前に連合軍の指揮をとってもらいたい。これは私の独断ではなく、

円卓会議での決定事項だ。サンアルテリア王国軍をまとめている

名将のお前なら出来るだろう。」

「了解しました。命を懸けて務めましょう。」

レビル将軍は部屋を出た。

「これでいいんだな、D=クラプター。」

カーテンの後ろに隠れていたD=クラプターが現れる。

「ああ、名将レビル。彼なら心配ないだろう。」

「それであの件は順調に進んでいるのか?」

「まぁな。まだしばらく時間はかかりそうだがな。」

「そうか。」

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