dark legend   作:mathto

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「いらっしゃいませ。」

花屋を訪れたジルを迎えたのは少女ではなく

きれいな大人の女性だった。

「俺と結婚してください!」

ジルは突然、告白した。

「あら、困ったわねぇ。私、結婚してて

娘も一人いるのよ。ごめんなさいね。」

「そんな、気にしないでいいっす。

こっちこそ突然変なこと言ってすいません。

ところで、娘さんってこのお店を手伝ったり

してますか?」

「そうよ。ミウっていうの。

でもどうして?」

「いえ、この辺りを通りかかったときに

見かけたもんで。ミウちゃんですかぁ、

いい名前ですね。俺の知り合いでミウちゃん

くらいの年の男の子がいるんですけどね、なんか

好きな子がいるって言うんですよ。最近の子供

はそういうのが早いみたいですね。

ミウちゃんはどうですか?」

「そうね、うちのミウは好きとまでは

言わないけどちょっと気になる子がいるみたいね。

よく花を買いに来る男の子。恥ずかしそうにして

ほとんど喋らないんですけどね。花好きな男の子

なんて珍しいでしょ。ミウも花が大好きだから

気が合いそうって思ってるらしいわ。」

「なるほど。」

ジルは満足そうな顔をして話を聞いた。

「ところで、何の用だったかしら?」

ジルは思わぬ質問に慌てた。

「え~と、そうだ。友人の誕生パーティーがあって、

花束でも持っていこうかと思って。」

「そう、それじゃあ適当に選んで包んであげるわね。」

ジルは花束を代金と引き換えに受け取り、店を出た。

そこにちょうどマルクが宿屋を探してやってきた。

 

 

 

「ジル、いい宿屋が見つかりましたよ。

そっちはどうでした?」

「まだちょっとやることがあるんだけど

今日のところはまずまずかな。」

ジルは満足そうな顔でマルクに答えた。

2人はまっすぐにマルクの見つけた宿屋へと向かった。

宿屋では髭を生やした主人が出迎えた。

「さきほど予約しておいたマルクといいますが...」

「ああ。ちゃんと部屋を用意してあるよ。

うちはレストランもいっしょにやっているが

夕食はここで食べるか?」

「はい、お願いします。」

「ところで、マスター。この辺りにいい雰囲気の

公園かなんかはあるかな?」

ジルが尋ねた。

「それだったらフォンダル公園がいいと思うぞ。

よくカップルがデートしてたりするからな。」

「サンキュー、マスター。」

ジルとマルクは夕食をとり、寝床についた。

 

...シュトラウス家では、レオンとカフィールが

地図の上に水晶をかざし、真剣な表情で話し合っていた。

「ここに感じられる魔力は僅かなものだが悪しき気配が

感じられる。お前はどうだ、カフィール?」

「私の体にもひしひしと邪悪な気が感じられる。」

「ふむ、やはり奴等がここで『隠れ蓑』を使ってアジトに

しているとみて間違いはなさそうだな。」

「では、いよいよ出撃を?」

「うむ、だが奴等の策略が動いているとなるとそれを

止めにも行かねばならん。」

「2手に分かれるのか。」

「そうだ。奴等の策略を放っておくわけにはいかんが

止めればすぐに次のが動き出さないとも限らんからな。

お前は策略を止めに行ってくれ。場所はこの魔力が

にじみ出ている...」

「分かっている、...だからだろ?」

「その通りだ。ではわしは仲間を集めすぐに

アジトへ向かう。」

レオンとカフィールはすぐに準備をし、外に出て馬にまたがった。

「父上、死ぬなよ。」

自分を心配するカフィールの言葉にレオンはうっすら笑みを浮かべた。

「お前こそ油断するな。」

2人の乗った馬は違う方向に向かって駆け出した。

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