翌朝、
「ふぁぁ。おはよう、マルク。」
「おはよう、ジル。」
「相変わらずお前は起きるの早いな。」
「そんな変わらないですよ。それより作戦の
方は大丈夫ですか?」
「うん、ハンス王次第なところが大きいんだけどな。
ま、なんとなるよ。」
2人は朝ご飯を食べ終えると、ハンス王との
待ち合わせ場所へと向かった。
まだハンス王は来ていなかった。
「私の仕事をまだ聞いてなかったんですけど、
そろそろ教えてくれませんか?」
「ああ、そうだったな。実はな...」
ジルはマルクの耳元で囁く。
「え~っ!悪いチンピラの役ぅ?
私と性格が全然違うじゃないですか。」
「ほんとだったら、俺がやるところなんだけど
ほら昨日店に行って母親にあってるだろ?
万が一出てきたらさ変装しててもばれるかも
しれないじゃんか。頼むよ~。」
ジルはマルクに手を合わせて頼み込んだ。
「ま、頑張ってはみますけど。どうなっても
知りませんよ、もう。」
マルクはいやいや引き受けることにした。
そうこう言ってる内にハンス王が周囲を気にしながら
やってきた。
「おはよう。ジルとマルクだったかな?」
「おはようございます、王様。」
お互い軽く挨拶をするとすぐに本題へ入った。
「作戦とかは大丈夫なのか?」
「はい、もちろん。ただその前に聞いておきたい
ことがあるのですが...」
「なんだ、言ってくれ。」
「王様は花については詳しいんですか?」
「それは買ってすぐに枯らせてはいけないと思うから
花の長持ちさせる仕方とか花の名前くらいは
知っているが。」
「う~ん、少し心許ないか。
それでは王様。午前中は花の本を読んで
出来るだけ多くの知識を詰め込んでください。」
「分かった。」
自信のある顔をしているジルを見て、
ハンス王は素直に花の本を読みふけった。
そして、午後。
「遂に準備が整いました。これより作戦を実行
に移したいと思います。」
ジルが指揮官のようにハンス王とマルクに話す。
「作戦はこうです。まず花屋にミウちゃんがいることを
確認したら、マルクがチンピラとして絡みに行きます。
そこへハンス王が飛び出しミウちゃんを助ける。
この時きっとハンス王にドキッとなるはずです。
そこを狙ってフォンダル公園へデートに誘います。
デートでは花の話をしながら少しずつ恋愛の話へと
もっていく。その辺は難しいですが、要は気持ちが
伝わるかですからそんなうまく喋れなくても大丈夫。
最後に告白で完了です。」
「頑張りましょうね、ハンス王。」
「悪いな。こんなにしてもらって。」
「いいんですよ。楽しんでやってる部分もありますから。」
「そういってもらえるとうれしいよ。」
ハンス王は笑顔になった。
「それじゃ行きますね。すぐ後に来てくださいね。」
そう言ってマルクは花屋へと向かった。