dark legend   作:mathto

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「はぁ、仕事しなきゃいけないのか。めんどくさいな。」

ジルは溜息交じりでぼそっと言った。

「え、何で。私はまたみんなと一緒に仕事するの楽しみよ。」

パティは目を輝かせて言った。

「パティちゃんはかわいいわね。」

「メアリー、俺になんか言いたそうだな。」

ジルは少しムッとした表情でメアリーに問う。

「別に。ただちょっと考え方が老けたかなって思っただけよ。」

「どこがだよ。」

「仕事に好奇心とか感じてないでしょ。新鮮味がないわ。」

「それは仕方ないだろ。俺らもいろいろ経験してきてるんだし。

新鮮さはなくなってくるさ。」

「せめてやる気は出してほしいわ。」

「う~ん、それはそうかもな。よし、頑張って仕事探すぞ!」

ジルは無理やり元気よく言った。

「やっぱ無理があるかしら。」

メアリーはぼそりと呟いた。

「やる気はともかくまず仕事を探しにいきましょう。この帝都にも

斡旋所はありますかね?」

マルクは周りを見回してみる。

「もうちょっと歩いてみようか。」

4人は少し歩いて仕事の斡旋所を探した。

「あ、あった。『求人案内所パーラム』だ。」

パティが指差す先に周りに比べて一際目立つ派手な建物が立っていた。

「ホントだ。『パーラム』ってどこにでもあるんだな。」

「それでは早速行きましょうか。」

「そうだな。」

4人は建物の中へと足を入れた。

 

「ええと、いい仕事はあるかな?」

4人は壁に貼られた求人票を見ていく。

「今回はとにかくお金になる仕事を探さなきゃな。」

ジルは真剣に報酬のところを見る。

「それと早く終わりそうなものの方がいいですよね。」

マルクは内容をじっくり見る。

「ねぇ、これにしようよ。」

パティが一枚の求人票をはしゃぎながら指差して言った。

「どれどれ。」

ジルがじっとその求人票を見てみる。

「あぁ、これはダメだな。全然金にならない子供の依頼だな。」

ジルはがっかりして言う。

「ええと、『僕の子犬を探して下さい。探してくれた人には15Gあげます。』と。」

マルクはその求人票を声に出して読んでみる。

「確かに私たちの目標の金額には遠く及ばないわね。」

「えぇ、だって…。かわいそうだよ、探してあげようよ。」

パティは目に涙を浮かべている。

「う~ん。そうだな、この依頼を受けるか。」

ジルは渋々答えた。

「え、いいんですか?」

マルクは驚いて思わず尋ねた。

「ああ。そのかわりさっさと片付けるからな。」

ジルはパティに念を押すように言った。

「うん、がんばるわ。」

パティは笑顔で答えた。

 

 

 

「それじゃ、受付にいくか。」

ジルは求人票を持って受付に向かう。

「すいません。」

そう言って求人票を差し出す。

「はい、こちらのご依頼ですね。それではこちらが

依頼主の家の地図と紹介状になります。どうぞ。」

ジルたちはそれらを受け取ると、依頼主の元へ行く。

 

地図に従いやってきた場所は、ごくありふれた一般庶民の一軒家だった。

「残念ね、金持ちの家だったら依頼してきた子の親からたんまり謝礼が

もらえたかもしれないのに。」

メアリーがわずかな期待から落胆する。

「そうだな。まぁ、今回はそれはいいだろ。」

ジルは笑顔で諭すようにメアリーに声をかける。

「ジル、少し性格が変わりました?」

マルクがうれしそうにジルの顔を覗き込む。

「な、マルク。何言ってんだ。こういう家には意外とすごいお宝が

眠ってることがあるんだぜ。成功した暁にはそいつを交渉して頂く

ということも考えとかなきゃな。」

「ジル、その考えには無理がありそうですが…。」

「ねぇ、早く早く。」

パティは3人を急かす。

「あぁ、ごめん。それじゃ行くぞ。」

ジルは目の前の扉をトントンとノックする。

ギィィィ。

ゆっくりと開かれた扉の向こうに一人の少年が立っていた。

「あ、もしかして依頼を受けに来てくれたの。やったー!」

ジルたちを見て少年はテンションを上げた。

「僕の名前はトム。さっそくだけど僕の犬のポチを探して欲しいんだ。

はい、これ。」

ジルはトムから犬の絵が描かれた一枚の紙を受け取る。

子供が描いたものであり、お世辞にも上手ではなく白い犬ということしか

分からなかった。

「それじゃ、頼むね。絶対に捜してきてね!」

トムはそれだけ言うとバタンとドアを閉めた。

「『それじゃ、頼むね』って言われてもなぁ…。」

ジルたちはトムから渡されたポチの絵を見つめる。

「ねぇ、よく見て。このワンちゃん、首の所に緑色の首輪をしてるわよ。

これを手がかりにしたらいいんじゃないかしら?」

メアリーは絵を見て言った。

「しかし、この犬をこの広い街中で探し出すのは難しいですね。」

「だよなぁ。」

マルクの意見に頷くジルは頭を傾げた。

「もうそんなことばっかり言ってないで、とにかく探してみようよ!」

パティは笑顔で前向きな発言をする。

 

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