dark legend   作:mathto

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「ん!?」

剣を手にしていたジルが何かに気づく。

「どうしたんですか?」

マルクが思わず尋ねる。

「いや、ちょっと違和感があるんだけど...。」

「大丈夫?どんな感じ?」

メアリーは少し心配そうに聞く。

「う~ん、なんかこう自分の内の方から何かが呼び起こされようと

しているような感じが...、はっ!ヒヨルド博士!」

「はい?」

「お前、この剣に変な細工とかしてないだろうな?例えば、俺の

生命力を吸い取るとか。」

ジルはヒヨルドの胸倉を掴んで問い詰める。

「いえ、そんなことはありませんよ。なぜなら、これにはレインボーダイヤモンド

という魔力の素ともいえる物が組み込まれていますから使用者からわざわざ

生命力を奪って力を得る必要がありません。これは私の最高傑作であり、

今までの失敗作の教訓は全て組み込まれています。使用者に力を与えるようなこと

はあってもおかしな副作用を与えるようことは断じてありえないと言い切れますよ。」

ヒヨルドは不審に思うジルに力説する。

「そうか。ならこれはこの剣が与えてくれる力なのかな。」

「へぇ~、すごい剣なんだね。」

パティは感心して聞いていた。

「よし!!それじゃ、この剣を持って一気に皇帝のとこまで乗り込むか。」

「賛成!」

パティは手を上げてジルに同意する。

マルクとメアリーも同意して頷く。

「では、私の魔法で帝都まで行きましょう。」

「あ、そうだ。ちょっと待って。」

メアリーがマルクを止めると、ガンテの方に近づいた。

「ガンテさん、本当にありがとうございました。」

メアリーは丁寧に礼を言って頭を下げる。

「約束したことじゃからな。あれは俺の人生の中でも最高の一振りじゃ。

大切に使うように言っておいてくれよ。」

ガンテは笑顔でメアリーに答える。

「メアリーねぇちゃん、早くしないと置いてくよ。」

「分かったわ。...、それじゃ行くね。」

パティに急かされたメアリーはガンテに別れの挨拶をすると3人のところに集まり

マルクの魔法で帝都へと飛んだ。

 

「さて、あのジルってのがわしの作った剣でどれだけ活躍してくれるか

楽しみじゃな。」

「ええ、ジルさんならやってくれますよ。」

残った2人は心を躍らせながら見守っていた。

 

 

 

ヴェロニス帝国内でカフィールと白騎士団が向かい合う。

「カフィール様、本当に行かれるのですか?」

白騎士団の聖騎士の一人が尋ねる。

「あぁ、帝国内で世界の害となる者を掃討するという俺の役目はとりあえず終わった。

後のことは皇帝、キルヒハイスに任せよう。」

「我々はカフィール様に仕えられたことを誇りに思います。

このままお別れするのは大変寂しいです。」

「なに、俺たちの目指すところは同じだ。それを見失わずにこれからも

行動していれば、またどこかで会うこともあるだろう。」

「分かりました。それでは、カフィール様。お気をつけて。」

「お前たちもな。」

カフィールは慕われた白騎士団の聖騎士たちに別れを告げて、

一人馬に跨り歩き出した。

 

そして、白騎士団が見えなくなったとき。

「!?」

カフィールは前方を見て、馬を止め降りる。

「やあ、久しぶりだね。」

カフィールの目の前に現れたのは魔界のプリンス、ディリウスだった。

「何の用だ?」

「相変わらず愛想がないねえ。久しぶりの再会だというのに。」

「まさか世間話をしに俺の前に現れたわけではないだろう。」

「そうだね。私も世俗からは離れた身ではあるのだけれど、

今の君の行動には疑問があってね。君の行動は世界から楽しみを奪うことに等しい。

それは止めなければならないと思ったんだ。」

「世界から楽しみを奪う?お前から楽しみを奪うの間違いじゃないのか?

世界は安全と平和を望んでいる者が大多数だ。一部の為に混沌を許すなど

在り得ない。」

「ははは。うまいこと言うね。でも、私は一部の者の立場としてここは

譲るわけにはいかない。たとえ私の魔力を開放しなければならないとしても。」

ディリウスは自身の魔力を開放させ始める。それに従い大気は微妙に震えだしていた。

「傍観者の立場を取るのかと思っていたが、結局はお前もあちら側ということか。

ならば斬る。」

カフィールはエクシードを手にする。

「それが、自慢の神剣かい?確かにすごい威圧感を出している。

しかし、ちょっと大きすぎやしないか?それで1対1の対決をすると?」

「この剣の力が限定的なものか否かは試してみればすぐに分かる。」

「了解。では、行かせてもらおうかな。」

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