ビュッ。
ディリウスは素早く動いてカフィールに急接近する。
ブンッ!
カフィールの剣、エクシードがディリウスのわき腹を掠る。
「!?」
ディリウスは驚き、すぐさまカフィールから離れる。
「俺の剣に驚いているのか?」
ディリウスはすぐに平静を取り戻す。
「そういうことか。確かに君の腕を見誤っていたようだ。
まさかその大剣でそこまでの攻撃速度をもっているとはやるね。
それでは私も本気を出すとしようか。」
ボワッ。
ディリウスの魔力が一気に高まる。
「『ダークスフィア』。」
ディリウスは構えずに魔法を唱えると、カフィールは何かを察知しその場から
素早く動く。それを見てディリウスはにやりとする。
次の瞬間。
ブーン。
「何!」
カフィールは突然現れた黒い球体に飲み込まれる。
「逃げようとしても無駄だよ。これは狙いを定めて放つものではなく、
対象者のいる場所で発生させる不可避の魔法だよ。」
「ぐあああぁぁぁぁ!」
カフィールは黒い球体の中でダメージを与えられ苦しみだす。
「まさか、これで終わりなんてことはないよね。」
「ぐうぅぅぅ...、くそ。『ホーリーブライトン』!」
カフィールは剣先から聖なる光を放ち、自身を閉じ込める球体を切り裂く。
「はぁはぁはぁはぁ。」
カフィールは体力の消耗が激しく息を切らしていた。
「そうこなくちゃ。」
ディリウスは楽しげに笑みを浮かべる。
カフィールは呼吸を整える。
「フ。さすがは魔界のプリンスということか。侮れない強さだ。
ならば、こちらも出し惜しみは出来ないな。行くぞ!」
カフィールはディリウスに突撃し、連続攻撃を仕掛ける。
「ぐっ。」
ディリウスはその激しい攻撃を必死で避ける。
「『ブラックカーテン』。」
ディリウスの魔法で2人の間に黒い幕が入り、カフィールは一瞬目標を見失う。
「ふぅ。」
ディリウスはその隙に態勢を整えようとする。
「テラの人間たちを見ていることに楽しみを覚えて、久しく忘れていたな。
戦うことの悦びを。」
ディリウスは笑みを浮かべる。
「カフィール、私の最高の攻撃を受けてみるかい?」
ディリウスは右手をカフィールに向けて、そこに魔力を集中させる。
「何!?」
「『ダークブラストロン』。」
ディリウスの右手から強烈な黒いビームが放たれる。
ズドォォォォォォォォ!
カフィールはディリウスの魔法の威力を肌で感じ、避けようとする。
「!?」
ブゥゥゥゥゥゥン。
ビームは曲がりカフィールに直撃する。
「ぐあぁぁぁぁ!!」
カフィールは苦しみながらその場に倒れこむ。
「この攻撃を受けて姿が残っているだけでも大したものだよ。」
ディリウスはゆっくりと歩いてカフィールに近づく。
「まだだ。まだ終わらん。」
カフィールはエクシードに縋りつき立ち上がろうとする。
「今すぐ、楽にしてあげるよ。」
そう言うとディリウスは指先に魔力を込めてカフィールに向ける。
ブワッ!
カフィールから突然白いオーラが発せられた。
そしてカフィールは立ち上がり剣を構える。
「まだ、力が残っていたんだ。...いや、これは君の力だけじゃない。
まさかその剣から力を受けているのか?」
ディリウスは警戒して、カフィールに近づく足を止める。
「お前は俺が倒す。この神剣『エクシード』の名にかけて。」
カフィールは再びディリウスに突進し攻撃をしかける。
それを必死でディリウスは避ける。
「行くぞ、ディリウス。俺の必殺技...。」
カフィールはディリウスの隙を窺い狙いを定める。
「『クリティカル・ノヴァ』!」
ズバッ!
カフィールは青白く輝く剣でディリウスの肩から腰までを斜めに斬りおとす。
ディリウスは体を2つに切られたままで大量の緑色の血を流しながら地面に倒れる。
「こ、これが君と君の剣の合わさった力か...。とてもおもしろかった。
これから先、もっとおもしろいものが見れるかもしれないのにと思うと
少しばかり残念だ..が...。」
ディリウスはそう言い残して命を落とした。
「俺の力だけでは負けていた。今はこの剣に感謝しなくてはな。
俺自身がさらに強くなる必要があるかもしれない。俺の信じる正義の為に。」
カフィールは決意を新たに馬に跨り走り出した。