dark legend   作:mathto

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「わしとて、剣聖とまで言われた男。太古の英雄であったとしても

そう安々とはやられんぞ。」

ニムダは鋭い一撃を放つ。

「グ...。」

ギルガメッシュは剣を交えながら歯軋りをする。

打ち合うこと十数合、全く互角のまま決着が着かずにいた。

「(この男、並みの使い手ではない。わしがこれだけ本気で

やっているのに一歩も引けをとらない。)」

「く、じじい。なかなかやるな。こうなったら俺の真の力を

見せてやろうか?」

ギルガメッシュは不敵な笑みを浮かべる。

「待て。」

ギルガメッシュの後ろに立っていたもう一人の男がギルガメッシュを止める。

「何だよ、シド。これからって時に水を差すなよ。」

「お前は遊びすぎる。俺たちの目的を考えろ。俺が変わる。」

「ちっ、しょうがねぇな。」

ギルガメッシュは渋々、シドの後ろに下がる。

「シドか、お主の名は聞いたことがないな。無駄かもしれんが、

もう一度聞こう。お主らの目的は何じゃ?」

「答える必要はない。」

「そうか、なら仕方ないの。」

ニムダが剣を構えるとシドはどこからともなくドリルの形状を

した剣を手にする。

「魔剣カルドボルグ。」

「(何だ?あの剣は!?剣自体から禍々しいまでの力を感じる。)」

ニムダは警戒を強める。

「行くぞ、剣聖ニムダ。」

 

「ぐはっ!!」

一瞬だった。

シドはニムダの胸を手にした剣で貫き、ニムダは血を吐いた。

「終わりだ。」

シドが剣を引き抜くと、ニムダの胸から大量の血を流して膝を地面についた。

シドはニムダに背を向け、歩き出した。

「あっけないな。全然おもしろくねぇよ。」

ギルガメッシュは不満そうに呟くとシドを追って歩き出した。

 

ニムダは胸を押さえながらヨロヨロと庵の中へ入る。

「あれは人ではない。怪物、いやそれ以上の存在だ。あれを倒せる可能性が

ある誰かに知らせなければ...。」

ニムダは痛みに顔を引きつらせながら必死に何かを紙に書き始めた。

そして、書き終えようとした時。

バタッ!

床に倒れ、血がダラダラと流れていく。

もう2度と立ち上がることはなかった。

 

 

 

ニムダの死は、すぐに街中に知れ渡ることとなる。

街頭では号外の新聞がばらまかれていた。

 

ジルたちは急いでニムダの庵へと駆けつけた。

そこでは保安隊によってベッドの中で安らかに眠るニムダの姿があった。

「おい、じいさん。嘘だろ。なぁ、返事しろよ。」

ジルは必死になって呼びかける。

「そ、そんな。どうして...。」

メアリーは言葉を失う。

マルクとパティは2人の気持ちを察して悲しげに見守る。

メアリーはポロポロと涙を流す。

「ジルさんですね?」

傍にいた保安員の問いにジルは黙って頷く。

「これはニムダさんが死ぬ前に書かれていたと思われるものです。」

そう言って渡されたのは冒頭に『ジルへ』と文章が書かれた手紙だった。

「これは...。残念だけど、最初の『ジルへ』以外は字が汚すぎて読めないな。」

「ちょっと見せて。」

差し出されたメアリーの手に紙を渡す。

「私、これ読めるわ。ニムダとは長い付き合いだったからこの歪んだ文字も

大体分かる。読むわよ。

 

『  ジルへ

 

お前がこれを読むとき、わしはこの世にはいないじゃろう。

それで、重要なことを伝えておく。お前は今のこの国をどう思う?

異変を感じていないか?時間がないから、手短に言おう。

この国の裏で動いている者がいる。気をつけろ。

わしはお前に大して何も教えれなかった。せめてもの償いという

わけではないが、棚にわしが書いた秘伝書がある。それを

どうするかはお前次第だ。読めば何かしら得るものもある

かもしれん。わしから伝えることは以上だ。健闘を祈る。

 

 

メアリーが読み上げる手紙の内容を聞いて、ジルは涙を流していた。

「じいさん...。」

マルクは慰めるようにジルの肩にポンと手を置く。

「あぁ、分かってるよ。ここで落ち込んでいる場合じゃないよな。」

ジルは服の袖で涙を拭いマルクに言った。

「メアリーも大丈夫か?」

「大丈夫って言ったら嘘になるわ。でもこうなったら仇をとってあげたいわ。」

「そうですね。」

「そうだな。」

力の籠もったメアリーの言葉に3人とも頷いた。

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