dark legend   作:mathto

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あっけにとられるパティをよそにバハムートは自身の能力でパティの心の中を覗き込む。

「(これがこの娘の心の中か。濁りがなく穏やかだ。もう少し奥を見てみるか。)」

バハムートはさらにパティの心の奥を探りにいく。

「(奥まで来ても特に変わり映えがしないようだ。心は比較的きれいなようだが、

人を惹きつけるような特別なものは見当たらない。これでは残念だが力を貸すことは

出来ないな。...ん?!何かあるのか。)」

バハムートは遠くにある一つの小さな光を見つけ、向かう。

「(こ、これは!!)」

「え、え...。」

心を覗かれている間、意識を失っていたパティはバハムートが戻ってくると同時に

意識を取り戻したが、自分が何をされていたのかは全く感じることがなく

ただただ戸惑いを感じていた。

「娘、名前を聞いておこう。」

「パ、パティです。」

緊張の為、小さな声で答える。

「パティか。お前の中には大きな力が眠っているようだ。私のものとはまた別の

種類の力といったところだろうか。

...いいだろう。お前に私の力、貸してやろう。」

「え、や、やったの。」

パティは信じられないといった表情でバハムートを見つめる。

「ここまで来るのは長かっただろう。私の力で帰りは送ってやろう。」

バハムートはそう言うと、パティの視界が一瞬まっしろになり気付くと

バハムートのほこらの前まで出ていた。

「これで暗黒竜を倒せるはず。」

パティは力強い思いを秘めてジルたちの元へと向かった。

 

 

「よし。邪神の力がなくなって出来なくなってたことも含めて

剣の特性とニムダのじいさんの本に書かれている必殺技を組み合わせて

なんとか出来そうな感じになってきたな。」

ジルは剣を振って修行をしていた。

「すごい熱心よね。」

横で座って見ていたメアリーが感心して言う。

「後は、実戦で完成させようか。」

ジルはふぅと一息ついて剣を収める。

そこへマルクがやってくる。

「街の人に聞いた話によると、暗黒竜はまたサンアルテリア王国内

に戻ってきているようです。」

「そうか、ありがとう。パティが戻ってきたときに暗黒竜の居場所がわからないじゃ

困るからな。詳しい場所は分かるか?」

ジルは地図を広げて見せる。マルクは地図を人差し指で一点指さす。

「ええと、今はこの辺にいるようです。ただ、すぐに移動することも多いので

行ってもいないという可能性もかなりありますが。」

「それは仕方ないが、まぁその方向へ行けば出会う可能性が高いともいえるからな。

今はそれで準備するしかないな。」

 

 

 

D=クラプターはまた自室で考え事をしていた。

「このまま暗黒竜を野放しにしておくわけにはいかない。

魔道連盟もなかなか手を出せないようだし、何か手は...。

懸賞金をかけて倒させるレベルでもないし。

聖騎士カフィールに頼むか?いや、カフィールは先の戦争で

ヴェロニス帝国に属していたと聞く。我が国に害をなす可能性もある。

う~ん。」

D=クラプターは手を頬に持ってきて悩んでいるとドアをトントンと

ノックする音がする。

「誰だ?」

「クラプター首相、カフィール様が面会を希望されてます。

どうされますか?」

「何!?カフィールだと。かまわん、通してくれ。」

ガチャとドアを開けて、カフィールが部屋に入ってきた。

D=クラプターはすぐに手を差し座るよう促した。

「よく来てくれたな。一度会いたいと思っていたところだ。」

「初めて会ったところで失礼とは思うが、俺に協力してほしい。」

カフィールは単刀直入にD=クラプターに言った。

「ふむ。失礼かはともかく、何をしてほしいかとその理由を聞かせてもらえるかな?」

「それは当然だ。しかし、何から話せばいいか…。俺がヴェロニス帝国に協力

していたのは知っているか?」

「あぁ、詳しくはないが。」

「それは皇帝がしようといたことに賛成していたからだが…。」

「世界征服のか?」

「いや、それはあくまで表面的なことだ。確かにやり方などはお世辞にも褒められた

ものではないことも沢山あっただろうが。本質はそこではない。」

「本質?」

D=クラプターはカフィールの言葉の先が読めない。

「そう、皇帝の真の目的は悪を滅ぼすこと。」

「馬鹿な!世界征服のどこが悪を滅ぼすことになる。

世界の国々を攻めて、人を殺し、全く真逆のことだろう。」

「話をもう少し聞いてくれないか。やり方は悪いとは言っただろう。

皇帝は国々を自分の統治下に置くことにより悪を把握し、追い払う方法をとったのだ。」

「とても信じられる話ではないな。」

「ところでこの国の現状をどう理解している?」

カフィールは話を変えた。

「どうと言われても。この国は民主主義が正常に保たれていて問題はないと思っているが。」

「それだけか?」

D=クラプターは眉間にしわを寄せて答える。

「いや、まぁ最近は悪い事件が妙に多いのは感じている。そして『呪術師キュリオン』という者が

裏で何かしているという情報は聞いた。」

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