dark legend   作:mathto

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カフィールの乗る船はある島へと辿り着いていた。

船を岸へと付けるとカフィールは島へと降り立った。

少し歩くと2つの人影が現れた。

一つは黒いローブを纏った男。

もう一つは全身が銀色の金属の体をして人というよりも生命体や人形の

類。

「お前らは誰だ?」

カフィールは問う。

「それはもう分かっているだろう?」

黒いローブの男は逆に問う。

「ヘルヘブンの一味か。」

「そういうことだ。自己紹介しておこうか。俺はギーグ。

そして、こっちはピエグロム。ヘルヘブンの最上級戦士、

まぁただの実行部隊という者もいるが『アビスメーツ』

の一員だ。」

「ということは俺の読みは正しかったということか?」

「残念だったな。貴様がほとんど情報が出ていないはずにも関わらず、

ここまで辿り着いたのは大した考察力だと言いたいが、

ここは望みの場所ではない。それは通常では辿り着くことは不可能な

場所だからだ。」

「通常では不可能な場所?...、そうか。」

「気づいたか。確か貴様はそのヒントとなる魔法を使えたのだったな。」

「しかし...。」

解せないといった表情でギーグを見るカフィール。

「どうして我々が現れたかということだろう。それはもはや我々の組織は

秘匿の段階を終了していて、次へと進んでいることを意味している。」

「何?」

「我々はここへ来た貴様を出迎えるために現れたのだ。せっかく来て

何もなかったではがっかりだろう。少し遊び相手をしてやろうと

思ってな。」

「何だと。この俺をバカにしているのか?」

カフィールは自身の剣エクシードを手にする。

「バカにする?とんでもない。これは敬意を表してのことだよ。

こちらなりの。」

ギーグは口元に微かに笑みを浮かべる。

「ならば、もう用はないな。お前らを捕えたところで人質としての

価値はないし、欲しい情報を聞きだせるとも考えられない。

今すぐここで葬り去ってやる。」

カフィールは剣を構える。

「やる気十分だな。では、ピエグロム。遊んでやれ。」

ピエグロムは一歩前に出る。

「『遊んでやれ』か。この俺が本当に舐められているようだな。

こちらからいくぞ!」

カフィールはピエグロムに向かって駆けると剣を大きく振り落とす。

ガンッ!!

重い一撃をピエグロムは両手で受け止める。

「生半可な金属なら真っ二つに出来るのだが、お前の体は相当

硬い金属で出来ているようだな。」

「ピエグロムの体はオリハルコン製だ。」

「ほぉ、世界一の強度を誇る超貴重な金属で全身が出来ている

のか。」

 

 

 

ここでギーグはピエグロムの異変に気付く。

「む?」

カフィールの攻撃を受けた腕部分にひびが見られた。

「オリハルコンだろうが、敵であれば倒すだけだ。」

カフィールは剣を構え、やる気を漲らせていた。

「もう用も済んだことだし、戻るか。」

ピエグロムは一歩下がる。

「逃げる気か?」」

「逃げる?別にどう思われようと構わない。」

「そうすんなりとは行かせんぞ。」

「俺も暗黒魔導士の端くれ。大魔道カーラに師事したこともある。

この場から去ることなど造作もない。では、『ブラックミスト』。」

ギーグが魔法を唱えると、ギーグとピエグロムの周囲に黒い霧

が発生し、その姿を隠す。そして、黒い霧が徐々に薄くなると

2人の姿は消えていた。

「ヘルヘブンはさすがに簡単に片付くことではないな。

ここは一度、あいつに会っておくか。」

一人残ったカフィールは船へと引き返していった。

 

ジルたちの乗る船はようやくバトラスまでやってきた。

「サンアルテリア王国からバトラスまでってなかなかの長旅だったな。」

「そうね。結構疲れたわ。」

「今日は情報収集はやめにして、とりあえず宿をとって休みましょう。」

「さんせー。」

マルクの提案にみな同意して宿さがしからすることにした。

 

宿の部屋にて。

「なぁ、マルク。お前、一瞬で移動できる魔法なかったっけ。」

「あぁ、『エアループ』ですね。」

「そう、それ。それ使ったら楽にここまでこれたんじゃないの?」

「全然使ってないから、すっかり忘れてましたね。まぁ、ゆっくり旅するのも

いいんじゃないですか?」

「まぁ、そうだな。」

そうしてジルたちは一晩ゆっくりと休んだ。

 

次の朝、ジルたちはバトラスの町の様子を見てまわる。

「お。ところどころで『サモンマスター』をやってる子供たちが見られるな。」

「やはりここでも流行っているということですね。」

そんな中、ジルは一軒の店を見つける。

「ここにカードショップがあるぞ。ちょっと覗いておこう。」

ジルはさっそく店の中に入る。他の3人もすぐ後をついていく。

中で客を待つ店員は若い男だった。

「いらっしゃい。」

「あの、ブースターパックを一つください。」

「はいよ。」

そう言って店員はジルから代金と引き換えにカードの入った袋を渡す。

「ところで、兄ちゃん。初めてみる顔だけど、今度の大会の申し込みは

もうした?」

「いや、まだだけど。」

「じゃあ、ここでしたらいいよ。はい、これ申し込み用紙。」

そう言うと店員はジルに一枚の紙とペンを渡した。

ジルは紙に必要事項を記入し店員に渡す。

「オッケー、確かに。それじゃ大会がんばってね。」

ジルたちは店を出た。

「よし。後はがんばるだけだな。」

「そうですね。」

そうして、大会の日まで待つことにした。

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