dark legend   作:mathto

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暗黒魔道士の軍団と対峙したレオンとその仲間。

「決着を着けるだって?結果は見え見えだよ。

君たちはここに私たちがいることを知らなかった。

そして私たちは君たちがここに来ることを知っていた。

その差は大きいよ。どう殺そうかじっくり

考えていられたからね!」

タムトが喋り終わると同時に他の暗黒魔道士達に

攻撃の合図を送った。

暗黒魔道士達は掌をレオンたちに向け、

黒き矢の魔法を放った。

「いかん、『マジックシールド』。」

レオンはすぐに目の前にシールドを張った。

「無駄だよ。」

タムトがそう言うと、黒き矢はシールドを避けるかの如く曲がり、

側面からレオンたちに突き刺さった。

「ぐはっ。」

その攻撃でレオン以外は全員倒れてもう二度と動かなくなった。

レオン自身もかなりのダメージを受け片方の膝をついて

立ち上がることすら出来なかった。

「すまない、みんな。」

倒れた仲間たちに向かってレオンは詫びた。

「ずいぶんあっさりと決着が着いたようだね。

もう少し楽しませてくれると思ったんだけどね。」

余裕の表情でタムトは呟いた。

「まだ終わってはいない。わが身滅びようとも

決して悪に屈したりはしない。さらばだ、カフィール。」

レオンは決死の力で立ち上がると、胸につけた十字架の

ペンダントが光り始めた。

「いったい何をする気だ。」

暗黒魔道士たちは警戒した。

「いくぞ、『メルトクロス』!」

レオンは胸を張り、ペンダントからの光は十字状になり

どんどん大きくなっていった。

 

 

 

レオンのペンダントから発せられた十字の光はさらに大きくなり、

暗黒魔道士達を全て包み込んだ。

「ぐぁぁぁぁぁぁ!」「ぐぎゃぁー。」

「あぁぁぁぁ。」

暗黒魔道士たちは体が焼けドロドロに融けていく。

「ぐぬぅぅ。まさか自爆技でこっちも全滅するとは。

しかしこれで勝ったと思わないことだ。

我ら暗黒魔道士の頂点に君臨する大魔道カーラ様が

いる限りお前たち人間に未来などないのだからね。」

最後の言葉を残し、タムトも生き絶えた。

「だ、大魔道カーラとは。だが私と同じ意思を持つ

者がいる限り心配は...な.....い。」

ばたんっ。

命を燃やし真っ白になったレオンは意思を継ぐ者がいることを

確信し安らかに息を引き取った。

 

その頃カフィールはエトールに向かって馬を飛ばしていた。

「この胸騒ぎは。やはり父上は...」

 

エトールでは、カルトルの攻撃にまだレナは耐えていた。

「もうそろそろか。足にきてるな、お姫様。」

「(早く誰か来て、お願い。)」

レナの魔力が尽き、バリアーが消えた。

「終わりだ。」

バチッ。

巨大な石の一部がかけて斜めに大きなひびが入った。

そのひびに沿って石の上部分がずれ落ちていく。

ドシーン。

石は2つに分かれた。

「はぁはぁ。やっと追いついたぞ、カルトル。」

そこへジルとマルクが息を切らしながら走って現れた。

「はっはっはっ。助けに来たのがこんな未熟な奴らとはな。

残念だったな、お姫様よ。それにもう遅い。封印はすでに解けた。」

カルトルがそう言うと石の辺りからプシューと

黒い煙が噴出した。


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