「あ~、俺はいつまでこんなことを続ければいいんだろ?」
『ストーンボム』の元となる爆弾を作っている男が自室で自問していた。
ガチャ!
「ん?もう次を取りに来たのか?まだだぞ。」
そう言って、男が玄関のドアの方を見ると、
「我々は治安隊だ。お前を危険物所持・作成の容疑で捕まえる。」
そう言って、2人の男が家主の腕を掴み強制的に連れていく。
「おい、待て。俺は頼まれてやっただけだ。何も知らん!」
叫ぶ家主に対し、
「話は後で聞く。黙ってついて来い。」
治安隊の2人は粛々と連れ出していった。
D=クラプターの部屋で。
「『ストーンボム』の作成に関わったものが捕まったか。
しかし、これで解決したことにはならないだろうな。捕まったのは末端のただの
爆弾作り。他にいくらでも代わりがいてもおかしくはない。もっと上の指示を
出している者を捕えられればいいのだが、それは難しいか。
やはり、解決には魔道連盟が進めている『ストーンボム』の無効化が一番
現実的と考えるべきだな。」
『ストーンボム』の噂は世界中にすでに知れ渡っていたが、その被害は
未だに無くなってはいなかった。その理由は、あまりにも街中の中心に
出現したせいで、皆の生活上避けることが出来なかった場合。
そして...。
「おらっ!」
若い男が道行人の女性を背後から蹴る。
「きゃっ!」
ボンッ!!
蹴られた通行人の女性は『ストーンボム』にぶつかり爆発の犠牲となった。
「はっはっは。こいつはいいや。こんな簡単に人を殺せるなんて最高だな。」
ありふれた凶器は世界を混沌へと導きつつあった。
「さ~てっと。」
ジルたちは魔道連盟本部の前へとやってきていた。
「さっそく中に入りましょう。」
全員頷いてドアを開ける。
まずは受付の女性にマルクが話をする。
「あの、メンデル先生にお会いしたいのですが...。」
「生憎、メンデル司祭は外出していて不在ですが。」
「そうですか。」
マルクたちはがっかりした。
「おい、マルク。どうする?戻ってくるまで待つか?」
「う~ん。」
マルクが腕を組んで考え込んでいるところにちょうどメンデルがホリックと
戻ってきた。
「おや、マルクたちじゃないですか。よかった。ちょうど会いたかったところです。」
「え!」
マルクは予期せぬ言葉に驚く。
メンデルらとマルクたちは部屋で座り話をした。
「本当にいいタイミングだったようだね。ちょうど『ストーンボム』
を無力化する装置が完成したところなんだ。」
そう言ってメンデルは手のひらサイズの金属の箱を机に置く。
そこには大きなボタンが一つついていた。
「この装置は僅かな魔力で動かすことが出来るようにしてある。
少しでも魔法を使える者なら誰でも使えるだろう。こいつを
『ストーンボム』の傍で使えば、爆発はせず破壊しても何も問題は
無くなるというわけだ。」
「へ~。もうそんなに進んでいたんですね。ということは...。」
マルクは話の続きを促す。
「そう。後はこれを使って『ストーンボム』を消していくだけです。
人海戦術が必要になるのですが、信頼出来て十分実行出来る者、装置を使える
魔法使いと破壊出来る戦士が必要ということでまさに君たちがピッタリだ。」
そう言って、メンデルはマルクとジルの肩にポンと手を置く。
「いやぁ、そんな。」
マルクは褒められたようで顔を少し赤らめる。
「で、メンデル先生。俺たちはこの装置で『ストーンボム』を消して回れば
いいってことか?」
ジルは確認するようにメンデルに質問する。
「はい。ぜひお願いしたい。我々は政府に働きかけて『ストーンボム』を
消していくのに協力してくれる者を募り早く終わらせたいと考えています。」
「マルク、決まったな。」
「はい。」
2人は顔を合わせると、席を立った。
「メンデル先生、ありがとうございました。」
マルクはメンデルに一礼し、ジルたちは魔道連盟を後にした。
ここから一気に事態は進展していく。
「来たな。」
ジルたちは再び『ストーンボム』の前へとやってきていた。
「では、さっそくやってみましょう。」
マルクはメンデルから受け取った装置を取り出す。
「ポチッと。」
マルクは『ストーンボム』を前に装置のボタンを押す。
すると『ストーンボム』に変化はないが、装置は少し光った。
「これでいいのでしょうか?」
マルクは首をかしげる。
「本当に爆発しないか心配だな。ここは一度安全策でいこう。」
そう言うと、ジルは剣を手にし、剣を緑色の形体へ変化させる。
「『オーラアロー』。」
ジルは剣にオーラを帯びさせ、それを『ストーンボム』へ放ちぶつける。
『ストーンボム』は爆発することなく真っ二つに分かれた。