dark legend   作:mathto

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ジルたちの前に新たに現れた男は...、

「あんたは?」

「初めましてじゃないんだがな。俺はジャック=クローバー。

盗賊の一人だ。」

「そういうことじゃなくて、どうしてあんたがここにいるんだよ?」

「あのギルガメッシュって奴が来てから街に犯罪者が増えだしてな。

強盗、殺人、窃盗と仕事が簡単に出来るようになって俺たちとして

は面白くないんだよ。やっぱ秩序ある街で困難な中で盗みを

やるからこそやりがいがあるというもの。そのためにギルガメッシュ

には退場してもらわないとな。盗賊の情報網でここで反攻の兆しが

あるって聞いたんでね。うまく乗っかってみようかと様子を見ていた

のさ。」

「それはいいけど、あんた戦えんの?逃げるしか能がないみたいな

イメージなんだけど。」

「そいつは失敬だな。俺は盗賊の前は『切り裂きジャック』と言われる

程の殺人狂だったんだぜ。」

「『切り裂きジャック』!!かつて世界を震え上がらせた殺人鬼

じゃないですか!?」

マルクは驚きながら言う。

「まぁ、人それぞれ色々あるってことだ。今はその類のことは

全くしていないがね。」

「それなら、戦闘は心配ないということか。正直突然の告白で

すんなり受け入れられてない部分はあるけど、まかせていいのか?」

「あぁ、構わない。俺は気まぐれだが、筋は通すぜ。」

ジャックは決意を込めた目でジルに言った。

「これで決まったな。後は行動に移すだけだ。」

ジルはみんなに言った。

 

「あ、そうそうマルク。」

メンデルがマルクを呼ぶ。

「はい、メンデル先生。何でしょう?」

マルクはすぐに返事をした。

「以前私はあなたに2つの腕輪を渡しましたね。」

「はい、アグニの腕輪ですね。今もこうしてつけていますよ。」

マルクはメンデルに腕輪を見せる。

「あなたは渡してからずっとつけていたようですね。時々、腕輪の

能力を使いながら。」

「は、はい。」

メンデルはマルクの腕輪にそっと手をかざすとボワッと一瞬光り、

腕輪がパキッと割れた。

「え。」

マルクは驚く。

「このアグニの腕輪には以前私が説明したものと別の能力が

備わっていましてね。使用者に知らず知らずのうちに負荷を

かけていくようになっていました。」

「はい。」

マルクはメンデルの説明を真剣に聞く。

 

 

 

「以前、私はあなたに『あなたは天才ではない。』と

言ったと思います。」

マルクは頷く。

「あなたは成長しました。今ではもう一人前と言って

差支えないでしょう。しかし、世界一の魔導士となる程の

才能は失礼ながらありません。それでもそういった人たちと

渡りあわなければいけないときがきています。そろそろ

実感がありませんか?」

「え、え。」

マルクは自身の変化を感じていた。

「こ、これは精霊の加護を感じなくなった時とは逆に...。」

「力を感じるでしょう。アグニの腕輪による負荷から開放されて

力が解き放たれているのです。そうこれはあなたの成長を後押し

するためのきっかけだったのですよ。さっきも言ったように

あなたが強力な相手と対峙したときに自分の思いを貫くための

力が必要です。腕輪を利用した力の開放によりそれが叶うはずです。

もう分かっているでしょう。力を振るうこと自体が悪ではないと。

どう使うかによって大切なものを守ることが出来るのです。

恐れず、驕らずよく考えて行動しなさい。私から教えることは

これで最後です。」

「ありがとうございます。」

マルクはメンデルの言葉を深く胸に刻んだ。

 

 

とある丘の上に2人立っていた。

一人は吟遊詩人。一人はジルたちが魔界で会った女性シェラハだった。

「いよいよ、動きそうですね。」

「そうね。これで一つの物語が終わることになるかしら、

大地の神、ハーラン。」

「その名で呼ばれるのも随分と久しくて戸惑いますね、

運命の女神シェラハ。我々神が人間を作った時点で世界の中心は

移ったようなものなのに、それを歪めるという彼の行為は

愚かです。しかし活躍する場を自ら作るというのは少々うらやましい

気がしますね。」

「あら、次はあなたが出ていくということ?」

「ハハハ、かもしれませんね。少し絡んでみるだけかもしれませんが。

それはさておき、今回の結果は既に決まったようなものでしょうが、

過程はまだ十分楽しめるでしょう。」

「様子見ということね。」

「はい。今回、我々は傍観者という立場で終わりそうです。」

「せいぜい楽しませてもらうとしましょう。これほどの

娯楽は他にはなかなか見つからないものね。」

シェラハは微笑みを見せていた。

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