dark legend   作:mathto

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エトールに到着したパティ。パティはフェンリルの背に乗り

護衛兵が取り巻く城までの道を突破する。

その様子を聞いたラボスは城から出て姿を見せる。

パティとラボスは対面する。

「お前か、暴れている召喚士というのは?」

「あなたがラボスね。私はあなたを倒しに来たの。」

パティは恐れることなく毅然とした態度で向かい合う。

「威勢がいいな。ここはその気概に応えて部下や小細工は使わん。

我一人で正面から勝負を受けよう。」

ラボスに促され2人は広い広場で対峙する。

「ここはかつてラクシャーサと人間が戦ったとされる場所らしい。

ラクシャーサなど我に比べれば象と蟻のようなものだがな。」

「(敵にしては意外とまっすぐな性格なのかしら。何か企んでいる?

それとも単純に自分の力に絶対の自信があるというの?)」

パティは敵の性格に思いを馳せていた。

「では、いつでもいいぞ。お前から仕掛けて来い。」

ラボスはどっしりと構えてパティを見据える。

パティはそれを見て、答えるように頷く。

「お言葉に甘えて。いくわよ、こっちも下手な小細工はなしで

最強の攻撃を見せてあげるわ。」

パティは地面に杖で魔力を込めて魔法陣を描く。

「出でよ、バハムート!」

パティの声に応じて巨大な竜バハムートが呼び出される。

バハムートの登場でその場の空気は一変して張りつめたものに変わる。

「これが最強の幻獣バハムートか。」

「メガフレア。」

バハムートの口から眩いばかりの強烈な光が放たれる。

光は爆発を繰り返しラボスを飲み込む。

強烈な攻撃に辺り一面真っ白になり何も見えなくなった。

バハムートの攻撃が止むと爆発の煙が徐々に薄くなり状況が

見えてきた。

そこには少し体を焦がしただけでほとんどダメージを受けていない

ラボスの姿があった。

「え、そ、そんな...。」

パティは言葉を失う。

「こんなものか、最強の幻獣というものも。」

「暗黒竜を一掃した攻撃が全然効かないなんて...。化け物。」

パティをしてそう言わせるほどラボスの存在は圧倒的であった。

「我が作りだされたとき、神獣ベヒーモスと戦う機会が与えられたのだが、

一撃で倒せた。我の存在はこの世界とは別次元のものかもしれぬな。」

「どうすれば...。」

パティの頭が真っ白になっていたとき、その場にまだ留まっていたバハムートが

パティの心に話しかける。

 

 

 

「パティ、自分を信じろ。お前にはこいつに勝てる力が

眠っている。俺がお前に従うのはただ単に気にいったからではない。

お前が眠らせている力、それが俺の力を凌駕するほどのものだからだ。

それを今、覚醒させろ。」

「え、え、え。」

パティはバハムートの言葉に戸惑う。

「私にそんなすごい力があるの?本当に?

でも、どうやって力を出すのか全然分からないわ。」

「いいか。我々幻獣を召喚するのと同じ要領でやればいい。

お前にはそれが出来る。頑張れ。」

バハムートはそうパティを励ますとその姿を消した。

「ありがとう、バハムート。私、やってみるわ。」

パティは決意の表情でラボスに向かい合う。

「何か仕掛けるつもりか?」

ラボスもパティの気迫を感じ取る。

パティは再び地面に魔法陣を描く。

その表情は鬼気迫るものがあった。

そして、呼び出しの合図のように杖の先でポンと地面を叩く。

ピカッ。

眩い光と共に現れたのは甲冑を着た女性だった。背中には天使の羽が

生えている。

「これは...。」

「これは、『ヴァルキリア』。私の分身のようなもの。」

「さっきのバハムートよりも弱そうに見えるが...。」

警戒していたラボスにとって『ヴァルキリア』の姿は予想外だった。

「甘く見ないで。『ヴァルキリア』は私の命の一部を捧げて

呼び出した最強の戦士。負けはないわ。」

パティはそう言いきった。

「その自信、確かめさせてもらうぞ。」

ラボスは右腕の爪でヴァルキリアに攻撃を仕掛ける。

ザシュッ。

「!!?」

ラボスの右腕が無くなっていた。

ヴァルキリアは右手に手にしていた剣でラボスの右腕を

斬り落としたのだった。

ラボスは何が起こったのか一瞬分からなかった。

「何が起こっているんだ?」

「私はあなたの強さを見た上で勝てると思って呼び出しているのよ。

この結果は当然のことよ。」

「この力は神をも超えるほどのもの。なぜそれをこんな娘に

出来るのか。」

「おしゃべりはこれで終わり。キメにいくわよ。

『セイントスレイヤー』。」

ヴァルキリアの剣は光を纏い、ラボスをあっと言う間に細切れにした。

ラボスは肉の残骸となって地面に散らばっていた。

「ふぅ。」

パティが一息つくとヴァルキリアはその姿を消した。

そこでパティは突然意識を失い、その場に倒れた。

 

しばらくして町人の男が一人、倒れているパティを見つけ駆け寄る。

「おい、大丈夫か?」

パティが息があるのを確認した後、自宅へと背負って帰った。

そして空いているベッドに寝かすことにした。

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