dark legend   作:mathto

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アビスメーツらとの戦いを終えたジルたちはその場で少し休んで

戦いの疲れをある程度取った後、またヒヨルド博士の

研究室へと集まっていた。

「残念ながらネルフ司祭は戦いの後倒れられましたが、こうして

ほとんどが生きて戻ってこれたことは喜ばしいですね。

ここには来てませんがゼムルさんも勝って生き残ったと

聞いています。」

穏やかにそう話したのはメンデルであった。

「さて、報告はしたし行くとしよう。」

そう言って表の扉を開けたのはジャックだった。

「ああ、ありがとう。」

ジルはジャックに礼を言う。

「ふん。今回はたまたま利害が一致しただけのこと。

俺の狙う獲物次第ではここにいる誰かとまた出会うことも

あるかもな。じゃあな。」

ジャックは冗談めいて話すと手を挙げて去っていった。

「これで世界はいい方向に向いていくでしょうか?」

マルクは希望を抱いて言った。

「いや、まだだ。本当の元凶を叩いていない。」

「本当の元凶?」

ジルの言葉にみんなが驚く。

「あぁ、俺はカフィールから聞いたんだ。ヘルヘブンの総帥は

邪神であり、そいつが全ての悪の元凶だと。」

「邪神か。そいつは厄介だな。それを解決するというのは

神の領域に進出するということになるからな。」

ホリックが言う。

「大丈夫。俺は神ではないが、神の力を預かっている。それで

邪神に十分対抗出来るはずだ。」

ジルが自信を持って言ったことに他のみんなは驚く。

「し、しかし邪神の居場所は分かるのですか?」

マルクが尋ねる。

「う、う~ん。そうだな。あっ、そうだ。親父が、いやジョーカーが

言っていたんだ。マルク、廃墟にされた町カルコームを覚えているだろう。

あそこは裏の世界ではちょうど中心に位置するらしい。きっとそこにいる。」

ジルは確信をもつ。

「なるほど。異世界ですか。もし本当に対決するなら異世界の扉を

開かないといけませんね。」

メンデルが思案していると、

「なら、俺が付こう。」

前に出たのはエルレーンだった。

「俺なら異世界の扉を作りだすことが出来る。邪神との戦いでは

役には立てないだろうが、それくらいなら協力する。」

「ありがたい。是非お願いします。」

「ちょっとそれってジル、また一人で行く気?」

メアリーが話に入ってくる。

「そのつもりだけど...。」

「みんな連れていけばいいじゃない。そのための仲間でしょ。」

メアリーは笑顔で言う。

 

 

 

「いや、これは俺が一人でやりたいんだ。というより

やらなければいけない気がする。これまでの戦いで

俺の使命や運命みたいな物を感じてさ。ホントわがままばかり

言って悪いな。メアリーの気持ちはうれしいけど、待っててくれないか。

俺は必ず戻ってくるからさ。」

「そう。なんだか寂しいけど絶対戻ってくるのよね。」

「ああ、約束する。」

不安を感じるメアリーにジルは力強く言った。

「なら、待ってる。」

メアリーはジルを信じることにした。

「では、行くか。」

エルレーンが促す。

「あ、ちょっと待ってください。」

「何だ?」

「私にカルコームまで送らせてもらえませんか?」

マルクがエルレーンとジルに頼む。

「そうだな。お願いするよ。」

ジルは笑顔でマルクに応える。

「はい。では、『エアループ』。」

マルクが魔法を唱えると、3人は風に包まれ姿を消した。

 

そして、3人は廃墟であるカルコームの地に立っていた。

「ここか。」

エルレーンは辺りを見回す。

3人以外の姿はどこにも見えない。

「それでは始めるか。」

エルレーンは両手を広げて体の前に出す。

「あまり俺の趣味ではないのだが。これがここぞいうときなのだろう。

開け『異次元の扉』。」

エルレーンの手の前に大きな長方形の光が現れ、扉のように開く動きをする。

中からは周りと違う洞窟の中のような景色が見える。

「この中に邪神がいるんだな。」

マルクは決意を強めて足を一歩進める。

「ジル。」

マルクが呼び止める。

「マルク。」

ジルも名前を呼び返す。

「こんなところで言うべきか少し悩みますが...。

ジル、私はあなたとこれまでたくさんの冒険と経験をしてきました。

その中で辛いことや苦しい思い、嬉しいことや楽しいこと様々なことを

感じました。私にとってジルは最高の仲間であり友です。

今まで一緒にいてくれたこと感謝します。これからジルは邪神と一人で

戦うことになりますが、私には何もサポートは出来ません。

ですが、必ず生きて帰ってきてください。私から言うことはそれで以上です。」

マルクは感慨深げに語るとジルは頷きながら聞いていた。

「ありがとう。」

ジルはそれだけ言うとエルレーンの光の扉の中へと入って行った。

中に入ったジルは洞窟の中を歩き進む。

すると、一つの扉が現れる。

ジルはためらうことなくその扉を開いて中へと入る。

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