dark legend   作:mathto

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「来たか。」

ジルを待ち構えていたのは大きく不気味な装飾の施された椅子に座る

深い紺色のローブを纏う男だった。右手には黄色に光る杖を手にしていた。

「お前が邪神か。」

「そうだ。と言ってもこの体は人間の物を借りているが。

L=クラプターという男のな。この男は私と相性がいいようだ。

体がしっくりくる。それだけでなく共有する頭の中も考えが

合いやすい。この男の現実離れした理想を持ってしまったが

ために全く理想に近づけない苦しみが私にとっては心地よかった

ということだな。」

「お前を倒せば全てが終わる。」

「それはどういう意味だ?ヘルヘブン自体はなくなるが、

悪は無くなることはない。もう既に悪意は拡散されている。

もはや私の役目は終わっていると言ってもいいくらいだ。」

「たとえそれでも神々により人間が歪みを受けることは

無くなる。」

「確かに。神々の時代は終焉の時が来ているとは

私も感じている。それにしてもヘルヘブンの活動は

なかなか有意義なものであった。あの飴を持った子供に犬をけしかけて

驚かせ子供が飴を地面に落としてしまうとかはよかったな。」

「ヘルヘブンってそんなしょうもないこともしてたのか。」

ジルは呆れる。

「何を言う。残虐で凄惨な殺戮などは見飽きた後だ。

私の悪事において大事なのは規模ではなく、その心の

揺れ動きの大きさだ。あの時の悲しそうな子供の表情は私にとって

何物にも代えがたいものなのだぞ。」

「その子にとっちゃ確かに一大事ではあるが...。」

ジルもやや納得はする。

「しかし、見事なものだな。『エクスデス』の剣、

聖石『レインボーダイヤモンド』、そしてかつて私を封印した

『聖神』のウツシミであるお前自身。さてこの杖『レーヴァテイン』でどこまで

やれるものか。あぁ、こちらにはもう一つあったな。L=クラプターとの

融合にも使ったこの『ブラックストーン』が。」

いよいよ戦いが始まろうとしたところでジルは緊張をしていた。

「(これが俺にとってラストバトルになるのか。)」

かくしてジルと邪神との闘いが火蓋を切る。

「まずはお前の力を見てやろう。」

邪神はジルに攻撃を促す。

「ここは一個ずついってみるか。」

ジルの剣が赤くなり形状も変わる。

「赤の剣『ヒートブレード』。」

ボウッ。

赤い剣は炎を纏い邪神に斬りかかる。

邪神の杖が光ると共に邪神の周りに薄紫色の膜が出来、ジルの攻撃を弾く。

「『ルーン・スタッフ』。大抵の攻撃はこれで弾くことが出来る。」

「ならば。」

ジルは剣を青色に変化させる。形状は羽のようになりジルの体を剣から

発する青いオーラで包む。

 

 

 

「青の剣『ラビッドフレーム』。」

ジルは剣の効果で勢いよく邪神に攻撃しようとするも邪神を通り過ぎ

その背後の壁に到達。ジルはそれを蹴り邪神を攻撃。一瞬のことだった。

ガンッ。

その攻撃さえも邪神は弾いた。

「『ルーン・スタッフ』は全身を包むバリアのようなもの。

盾ではないのだから背後から攻撃しようと結果は変わらない。」

邪神は目を閉じたまま余裕をもって言った。

「そうか。ならもう一度。」

ジルはそのままの形態で同じ攻撃を仕掛ける。

「ちゃんと聞いているのか?」

邪神は眉をしかめる。

ジルが再び壁を蹴って邪神を攻撃するとき。

「(『エクシード』、俺に力を貸してくれ。)」

ジルは念じて剣の形状を『エクシード』へと変化させる。

「これなら!」

ジルは思い切り剣を振るう。

ガッシャーーン!!

「な。」

ジルの剣は邪神のバリアを打ち砕く。さらにそのまま邪神自体を攻撃しよう

とするが、さすがにかわされる。

「ほぉ。」

邪神はジルの攻撃に感心していた。

「では、そろそろこちらからも攻撃させてもらおう。」

邪神は杖をジルに向ける。

「『ファイアブレイズ』。」

炎の渦がジルを襲う。

ジルは剣を黄緑に変化させる。

「『リフレクター』。」

剣はジルの体の前に大きな丸い黄緑色の光の壁を作りだす。

光の壁は邪神の炎を撥ねかえす。

「それなら。『ヘルフレイム』。」

今度はジルの足元から炎が舞い上がる。

「う、うわぁ。あち、あちち。」

ジルは足をばたつかせる。

「ここはもう一度。」

ジルは剣を赤い形状『ヒートブレード』に変える。

そして、剣に炎を纏わせると足元の炎にぶつける。

2つの炎が衝突すると互いをかき消した。

「ふぅ、何とか防げたか。」

「ほぉ。」

邪神は少し感心する。

「次はこちらの番だ。」

ジルは再び『ラピッドフレーム』を発動させる。

「む。来たか。同じ手を何度もくらうわけにはいかないな。」

邪神は『ブラックストーン』を手にする。

「『ダークネス』。」

邪神が呪文を唱えると完全に真っ暗な空間となった。

「(これで的を失ったも同然だろう。)」

ジルの攻撃は空を切る。

「(姿が見えず攻撃出来ないのは邪神も同じだろう。)」

「(こちらには闇でも攻撃する手段が存在する。

以前、魔王の息子ディリウスが使っていた魔法、)

『ダークスフィア』。」

ジルを黒い球体が包み込む。

「ぐあぁぁぁぁぁ!!」

ジルはダメージを受け続ける。

「これは狙いを定めるのではなく対象を選べばその場で発生する

不可避の攻撃魔法。このまま潰れるか。」

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