dark legend   作:mathto

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「終わったか。」

カフィールはフッと一息つくとすぐにマルクの

もとへ駆け寄った。

「酷い火傷だが、まだ生きている。」

カフィールはマルクの体に手を当て

「『ヒール』。」

と魔法を唱えると手がぼんやり光りマルクの火傷

が消えていく。

「意識もすぐに取り戻すだろう。」

そう言ってカフィールは次にレナのもとへいった。

「王女も生きていたか、よかった。何かで体を貫かれた

ようだが、心臓には当たらなくて助かったんだな。」

レナもマルクと同様に魔法で傷を癒した。

「最後はあいつか。」

そう言ってジルに近づいたとき

「(あのときの...。魔獣を瀕死に追いやったのは

こいつか。やはり...。しかし今はまだ自覚していない

ようだ。とりあえず回復させるか。)」

ジルも傷が治っていった。

「あ、あなたはカフィール様。危ないところを助けていただき

ありがとうございました。魔獣を倒してくださったのも

あなたですね?」

意識を取り戻したレナはカフィールに礼を言った。

「いや、止めは俺が刺したが倒したのはそこに倒れている男です。

礼ならそいつに言って下さい。王女、それではお気をつけて。」

カフィールは指を口に入れピーと鳴らした。すると馬が走ってきて

カフィールはそれに乗り去っていった。

「う、ううん。」

カフィールが去った後、ジルとマルクも目を覚ました。

「は、魔獣は?」

「魔獣は死にました。」

「え、どうやって?」

「さぁ、私にもよく分からないのですが、カフィール様は

あなたが倒したと言われました。」

レナはジルの方を指した。

「カフィール?それより俺が倒したって?」

 

 

 

「ジルが本当に倒したんですか?

最初の一撃で重症に陥っていたのに。」

マルクはあのときの状況を思い出し理解が出来なかった。

「さぁ、でも人間は死の淵に立たされたとき

思いもよらない力を発揮することもありますしね。」

レナは無理やり納得しようとした。

「まぁ優れた資質っていうのかな。隠された実力が

出たんだろうね。」

ジルはレナの言葉にすっかり調子づいてしまった。

「絶対違うと思います。きっとカフィールさんが

手柄をジルに譲っただけですよ。」

マルクはジルの態度にむっとなり必死に否定した。

険悪な雰囲気になりそうなところでレナが割ってはいる。

「お2人とも落ち着いて。魔獣が死んだことは事実

なんですから、もっと喜びましょうよ。」

「そうだな。って、そういえば、あんた誰?」

ジルが思い出したかのようにレナに尋ねた。

「申し遅れました。私はこの国エトールを治めている

王女レナといいます。あなたたちは?」

「きれいな人だと思ったら王女か。また失礼な事いっちまったかな、

謝ります。俺は剣士目指してるジルでこっちが魔法使い見習のマルク。

隣のランドールで王様がカルトルに攻撃されたので

急いで追いかけてきたんだけど、何がなにやらさっぱりで。」

「そうでしたか。それでは魔獣のことは何も知らなかったんですね。

よければ説明しますが。」

「封印がどうとかは聞いたのですが、意味がわからなくて。

説明をお願いします。」

「分かりました。そう、昔このあたりには国などなくいくつかの集落が

点在していました。そこに突然現れたのが魔獣ラクシャーサなのです。

魔獣は暴れまわり、たくさんの人々が苦しみ死に追いやられました。

そのことを知った3人の神官は魔獣の前に現れ、大中小3っつの石に

魔獣を封印したのです。そして3っつの石を生き残った集落の代表3人に

託したのです。託された3人は動かせない大の石を基準にこのあたりを

3等分しそれぞれが国を作り代々石を管理してきたのです。しかし

クラレッツとランドールではしだいに封印石ということは忘れられ

ただ大切な石として扱われるようになりました。」

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