船着場へとやってきたジルとマルク。
「なぁ、俺たちまだ金あったかなぁ。」
「ええ、十分ありますよ。」
そう言ってマルクは金の入った袋を取り出し
ジルに見せる。
「じゃあ、船代も大丈夫だな。」
「はい。」
2人は受け付けに行った。
「ポートルまで2人で100G(ゴールド)ね。」
「はいはい。」
マルクは受付のおじさんに代金を払うと、
船まで案内された。
「それじゃこっから乗ってね。落ちないように
気をつけて。すぐ出るから。」
さっそく2人は乗り込んだ。
「おーい、船が出るぞ。」
2人が乗り終わるとすぐ受付のおじさんが大声で叫んだ。
船に掛けられた乗り込むための板が外され
船はゆっくりと動き出した。
2人は甲板にて海を眺めていた。
「ジルは船に乗るのも初めてでしょう?」
「ああ、これが船かぁ。結構でかいよな。
マルクは何回か乗ったことある?」
「ええ。メンデル先生にいろいろなところに連れて行って
もらいましたからねぇ。」
「メンデル先生?」
「あ、メンデル先生は私に魔法を教えてくれた人です。
先生は旅をしながら困っている人を助けているんですよ。」
「なるほど。それでマルクはその人とはぐれてしまったと。」
「違います!『これからは私から離れて修行しなさい。』
とあるときに言われたんですよ。」
「へぇ~。きっと先生に力を認められたんだろうな。」
「いえいえ、まだまだですよ。」
マルクは少し照れ笑いをした。
甲板の上で海を見ながら話をするジルとマルク。
「この静かな海を見てると心が穏やかになりません?」
「あー、なんか分かるな。気持ちが落ち着くっていうのかな。」
「そうそう。なんか海って不思議ですよね。」
「きっと海底には不思議なお宝が眠っていることもあるんだろうな。」
「またそれですか。不思議なのは海そのものとか
海にすむ魚などの生き物ですよ。」
「分かってるって。相変わらず冗談が通じないんだから。」
「全然、冗談に聞こえないんですけど。」
「まぁまぁ、これでも食べて機嫌を直そうぜ。」
ジルは持っていた袋からクッキーを取り出しマルクに手渡した。
「これは?」
「剣をもらったときにいっしょにくれたんだよ。
細かいことは気にしないで食べようぜ。」
「ありがとう。」
2人は仲良くポリポリとクッキーを食べた。
「ところでさぁ、俺たちの旅って全然女っ気がないよな。」
「えっ。」
マルクは突然のジルの発言に驚いた。
「いや、でも、そういうのは成り行きとか
いろいろあるでしょ。」
「そうだな。エトールの王女様は美人だったけど
口説いたりできるような状況じゃなかったもんな。」
「そのうち、チャンスが訪れますよ。」
マルクはジルを慰めるように言った。
「よーし、次のポートルではかわいい女の子を探すぞ。
そして仲間にしてあんなことやこんなことをしてもらうんだ。」
「あんなことやこんなことって何考えてるんですか。
まぁ、かわいい女の子はともかく仲間が増えると賑やかで
楽しいですよね。」
「おーい、もうすぐ着くぞー。」
船員の一人が乗客全員に聞こえるように叫んだ。
「もうすぐ着くってさ。あ、あれかな。町が見えてきた。」
遠くに見える陸地に家などの建物がたくさん並んでいるのが
船が進むにつれて徐々に大きくなっていった。