dark legend   作:mathto

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カフィールはとある山奥にぽつんと佇む小屋へと

やってきた。

「おお、カフィールか。よく来てくれたな。

ゆっくりしていけ。」

中には老人が1人椅子に座っていた。

「お久しぶりです。エトワール様。」

「どうした、ピリピリした顔をして。」

「実は...」

カフィールはエトワールに一連のことを話した。

「レオンが死んだか。惜しい男をなくしたな。

レオンの命と引き換えにしばらくの平和を得たわけか。」

「しかしいつまた新たな敵が現れるとも限りません。

どうすればいいでしょうか。かつての勇者エトワール=シ―ルダー

としてのあなたの意見を伺いたい。」

「はっはっは。勇者はわしの先祖じゃ。わしはただの

人じゃ。」

「しかし勇者の子孫として数々の邪悪なモンスターを

倒していた時期もあったでしょう。」

「それにな、勇者なんてのは血筋ではない。世界の平和

のために力を振るった者こそが勇者じゃよ。

わしの孫なぞ勇者の子孫であることを自慢してる

ただのばか者じゃ。まぁ孫のことはどうでもいいが。

とにかくこの老いぼれが今更意見を出すようなことも

あるまいて。すでにお前にはやることが分かっておろう。」

「それは...。」

「お前の信じる道を突き進めばいい。お前にはそれが出来る。」

「ありがとうございました。」

カフィールはエトワールに礼を言って家を出ていった。

エトワールは穏やかな笑顔で見送った。

 

 

 

「町を案内するわ。」

「ありがとう、パティ。」

パティがジルとマルクの前に出る。

「酒場はもう知っているよね。」

「ああ。」

ジルが返事をする。

3人は酒場の前を通り過ぎる

「ここ、宿屋。」

パティがジルとマルクに説明をしながら町を

案内していく。

「ここが武器屋で隣が防具屋。

大体こんなものよ。あとポートルは

世界中とつながってるからいろんな物が

集まってるの。露店がたくさんあって

よく見ると珍しいものがけっこうあるよ。」

「なるほど。よく分かりましたよ。

あれ、あの店は?」

「あれは占いの館よ。」

「なんか面白そうじゃん。行ってみようぜ。」

「あんまり行きたくないな。」

「どうしてですか?女の子は占いが好きってよく

聞きますけど。」

「占いは好きよ。でもあそこはなんか気味が悪いって

いって町の人はほとんど近寄らないのよ。」

「(パティの家の方がよっぽど気味が悪いと思うが...。)」

ジルとマルクは心の中で呟いた。

「でも実際に見てみないと分かりませんし。

とにかく一度行ってみては。」

「そこまで言うなら行ってもいいけど。」

パティは少し嫌がりながらも

3人は占いの館へやってきた。


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