dark legend   作:mathto

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「あの反撃はいいんですけどどうやって倒すん

ですか?敵は木の上にいますよ。盾を持ったまま木に

登れませんし木を蹴って揺らして落とすには木が

大きすぎて無理ですよ。」

マルクがジルに問い掛ける。

「それなんだけど、パティちょっと。」

ジルはパティを呼んでパティの耳元で話をする。

ぼそぼそ。

「うん、いいよ。まかせといて。」

「一体何を?」

話を聞いていないマルクは何のことかさっぱりという

感じだった。

「頼んだぞ、パティ。それじゃ俺も行きますか。

と、その前にマルクさっき矢が刺さったとこが

ちょっと痛いんだけど治してくれる?」

「もちろん。それにしても今までよく我慢してましたね。」

「それはもう気力でカバーしてたさ。」

「冗談ですね。」

「さすが分かってらっしゃる。実際のところはさ、

血は出てるけど針を刺したようなくらいの痛みだから

矢の攻撃力自体はそれほどでもないってことだな。」

マルクはジルの怪我を魔法で回復させた。

「サンキュー。あとは見守っててくれよ。

案外あっさりと終わると思うぜ。」

ジルはワラの盾で矢を防ぎながらゆっくり敵に近づいていく。

マルクはその様子をじっと見守る。

敵はジルがワラの盾で防いでいるのを見てか矢を射る間隔を

不規則に変えた。攻撃が終わったと思わせ盾を下ろさせる

のが狙いのようだった。しかしジルはそんなことを気にせず

ひたすら盾を前に構え歩いて近づいていく。

バサッ。

敵が登っていた木から大きな音がした。

 

 

 

バサバサバサッ。

ドサッ。

「あ、敵が木から落ちた。どうして?」

「すぐに分かるさ。よし、マルク走れる?」

「ええ、走れますよ。」

ジルは敵のいた大きな木に向かって走り出した。

マルクもそれについていった。

「はぁはぁ。ジル、速いですよ。」

「悪い悪い。でもほら」

すでに木の根元に着いていてそこには弓矢を持つ男が気絶していた。

「あれ、パティがどうしてここに?」

「えへへ。」

シュー-。

木の上からパティの召喚したミニマンが降りてきた。

それを見たマルクは全て理解した。

「そういうことだったんですか。」

「そういうこと。さてここでのびてるこいつをどうするか。

止めをさしてもいいんだけど...。」

ジルは言葉をとめ少し考える。

「弓矢を返してもらったらそれでいいんじゃないですか?」

「あと仲間のことを聞いてね。」

そこへマルクとパティが意見を出す。

「だな。とりあえずこいつが起きるの待つか。」

男の持っている弓矢を取り上げてしばらくすると、

「う、ううん。」

男ははっとして周りを見回すと3人が取り囲んでいた。

「起きたところ悪いんだけど仲間のこと教えてくれる?」

男は起き上がるとジルの質問を無視し一番弱そうなパティを

ドンと横から押して走り去った。

「あらら、逃げちゃったか。パティ、大丈夫か?」

「うん、ちょっとお尻打っただけだよ。」

「それはよかった。そんじゃ仲間のとこまで案内して

もらおうか。」

ジル達は男が走っていった方向を追いかけた。


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