パティは幻獣フェンリルと契約を交わした。
「パティってすごいなって改めて思ったよ。」
「いやあ、照れるよ。モンスターでも話せば分かる
こともあるってことだね。」
「言うのは簡単ですが目の前にして実際に話し掛けるのは
とても勇気がいることだと思いますよ。」
「もう2人とも誉めすぎだよぉ~。さあ戻ろうよ。」
パティは顔を少し赤くしながら早足ですたすたと戻り始めた。
ジルとマルクも笑顔でパティの後に続いた。
そしてちょうど夕日が沈む頃、町長の家に帰ってきた。
「お帰りー。」
町長はいつもの調子で明るく出迎えてくれた。
「どうだった?ってその顔だとよかったんだね。」
「うん。もう砂糖取りに行っても大丈夫だよ。」
「今日はもう家に泊まってくだろ。よかったら詳しい話とか
聞かせておくれよ。」
「もちろん。」
3人は山でのことを詳しく話した。
「へぇ~、幻獣と契約するとはね。やっぱりあんた達
只者じゃないと思ってたよ。さすがだね。」
「今回は本当にこのパティのおかげですよね。
あれ、寝てる。」
「山登りが疲れたのかな?ベッドまで運んでやろう。」
ジルはパティを抱えてベッドに寝かせた。
「ふぁあぁ~あ。俺達も眠くなってきたな。」
「そうですね。」
2人も目がとろんとしてそのまま眠ってしまった。
「みんなお疲れさん。ぐっすり眠りな。」
町長は2人に毛布をかけてやり自らも眠りへとついた。
翌朝、
「どーも、お世話になりました。」
「そうだ報酬をちゃんと渡さないとね。はい、3000G。
それからジルはもっと仲間に気を使ってやりなよ。」
「もう分かってるよ。わざわざ別れ際にそんなこと言わなくてもいいだろ。」
ジルは少し決まりが悪そうにしながら答えた。
「そうそうこれを『求人のパーラム』に持ってってくれよ。
あんた達がちゃんと依頼をこなしてくれましたよって手紙さ。」
「分かりました。」
マルクが受け取ると3人はパーラムへ向かった。
パーラム窓口にて。
「はい、たしかに依頼完了の届け受け取りました。
ありがとうございました、またのご利用お待ちしております。」
「さ~て、金も手に入れたことだし新しい場所へ向かおうか。」
「ねぇ、ジル。あの『我が家の警備依頼』の張り紙。」
パティはジルの服を引っ張り
「何だ。まだあるのか。俺達はやらねぇぞ。」
「報酬が...20,000Gになってるよ。」
「何ぃ!20,000Gだって。」
ジルは驚きながら張り紙を食い入るようにじっと見た。
「ほ、ほんとうだ。本当に20,000Gだ。」
「ねぇ、ダメもとでやってみたらいいんじゃない?」
「勧めなくてもジルはやる気みたいですよ。」
ジルの目は金になっていて拳に力が入る。
「おねーさん、これお願いしまっす。」
ジルは求人票をもってすごい勢いで受け付けにきた。
「そ、それでは確認させてもらいますね。」
店員はジルの勢いに少し引きながらも淡々と説明をした。
ジルは説明をろくに聞かず頷きつづけ依頼を受けることに了解した。
そして依頼主の家の前へとすぐにやってきた。
「ここが大富豪の家ですか。もっとすごい豪邸かと思いましたが
意外と普通な感じがしますね。」
「私ももっと大きな屋敷とか期待してたのになちょっとがっかりだな。」
「な~に、本当の金持ちってのは見えないところにすんごいお金をかけてたり
するもんなんだぜ。」
トントン。
ジルはドアをノックする。
「どなたですか?」
ドアの向こうから老人の声がする。
「あの、依頼を受けたいんですけど。」
「そうですか、分かりました。」
ドアが静かに開けられた。