dark legend   作:mathto

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「着いた着いたと。」

ジルはヒヨルド博士の家にやってきていた。

「おやジルさん、いらっしゃい。遊びにきてくれたんですか。

ちょうど今おもしろいものを発明したところですよ。

見てください、このメガネをかけずに目の前で前後させるとですね、

なんと!目がとっても大きくなるんですね。」

「いやそれは度がきついだけだろ。それはいいからさ

実は欲しい物があるんだけど...。」

「なるほど、煙幕を無効化するような物ですか。

『風切りの斧』では風で煙を飛ばしても家まで破壊してしまい

かねませんしね。残念ながらそのような物はありませんね。」

「無いのか。じゃあさ、そういうのを今から作ってくれよ。」

「そう言われましてもねぇ。」

「そこを何とか。よっ、天才博士!」

「へへへ。そこまで言われると何とかしないわけにはいきませんね。」

「やった。」

「しかしあまり研究したことがないので難しいですね。う~ん。

あっ!いいものがありますよ。」

ヒヨルド博士は部屋の奥へといくと何やらガチャガチャゴソゴソと

大きな物音を立てながら探し物をした。

「あったあった。」

ほこりまみれになって戻ってきたヒヨルド博士が持ってきたのは

一枚の大きなうちわだった。

「でかいうちわみたいだけど、これって何?」

「これはですね、風の精霊が持っていたとされる『精霊のうちわ』ですよ。

これに気持ちを込めて一振りすればたちまち大きな風が吹いてしまう

という代物ですよ。これなら安全に煙幕も吹き飛ぶこと請け合いですよ。

どうぞ持っていってください。」

「悪いな、サンキュー。」

「どういたしまして。そういえばミラージュナイフの使い心地は

いかがですか?」

ジルはギクッとした。

「あ、あれね。もうそれは大活躍だよ。あんないいものもらって悪いと思ってるよ。」

「そうですか。それはよかった。是非詳しく使用感など教えてもらえませんか?」

「じゃ、急いでるからこれで。」

「残念ですね。もっとゆっくりしていってもらおうと思ってましたのに。」

ジルは慌ててヒヨルド博士の家を後にした。

 

 

 

「ただいまー。」

ジルはマルクとパティが待つ宿屋へとやってきた。

「お帰りなさい。で、ジルの方はどうでした?」

「ばっちりだよ。マルクは?」

「こちらも問題ナシです。」

「それはよかった。それじゃ対策を考えるか。」

ジル達は部屋の机を中心に話し合った。

「やはり家はそれほど広くないんだな。」

「はい、長年仕えている執事さんの情報だから間違いはないかと

思われます。一つずつの部屋は広めですが無駄な部屋は要らない

ということで部屋数は少なめで全体としては普通の家より少し

大きいくらいです。」

「人が出入りできるのは玄関一つと勝手口だけ。窓は小さく

とても大人が出入りは出来ないということか。」

「やっぱり盗賊なんだし裏の勝手口から入ろうとするんじゃない?」

「パティはあいつらのことを分かってないな。あいつらはその裏を

かいて正面の玄関からやってくる。そういう奴だよ。」

「問題はよく分からない仲間のことと爆破をしないかということですね。

この前はリーダーしか会ってませんもんね。」

「それは大丈夫だろ。この家の狭さを考えたら仲間が必要とは考えない

だろうし爆破したらせっかくのお宝までとんじゃう可能性があるからな。

リーダーとの対決と考えていいだろう。」

「あとは明日依頼主との打ち合わせをするだけですね。」

「ねぇ、私は?」

「パティは俺達の切り札だよ。」

「えへへ、なんか緊張するね。」

「話も終わったしそろそろ寝ようか。」

3人はすぐに眠りへとついた。

 

翌朝、3人は再び依頼者の元へ。

「おっはようございま~す。」

パティが元気よく挨拶する。

「おや早いじゃないか。また何か用事でもあるのかね。」

出てきた主人が不思議に思いジル達に尋ねる。

「はい、少し打ち合わせをと思いまして。」

「そうか。では応接室で話そうか。」

3人は応接室の席につく。

「で、何かすることがあるのかね?」

「いえ、特にはありませんがただお願いが一つあります。」

ジルがまじめに話す。

「ほう、お願いとは?」

「宝石を変に隠したりしないで私達の近くにいて持っていてもらいたいのです。

隠していてもすぐにばれてしまい返って盗みやすくなってしまうんです。」

「分かった。その通りにしよう。あとは?」

「それだけ守ってもらえれば十分です。あとは窓を開けて換気を

よくしたら盗賊を待つだけです。」

3人は家中の窓を開けたあと、家の中で盗賊がくる夜まで待つことにした。

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