dark legend   作:mathto

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12,13

ジルとマルクがいつものように歩いていて

やがて日が暮れてきたとき、一つの村が見えてきた。

「よしっ、今晩はあそこで泊まろう。」

「ええ、歩き疲れましたしねぇ。」

2人は早く休みたい気持ちを抑えきれず

村まで駆けていった。

すると、

「ようこそ、ジーバ村へ!

さ、さ、歓迎の準備だ、準備だ。」

と杖を持ったお爺さんがうれしそうに寄って来た。

それだけではなく、他の村人までいっしょに出迎えに来ていた。

「わしはこの村の村長しとりますアムニいいます。

この村によその人が来るのは珍しいんでみんなはしゃいどりますだ。」

「そうなんですか。」

そうこうしてるうちに目の前に2人のための机、椅子が用意され机の

上には次々とご飯や果物がのせられていった。

「お、もう宴の準備が出来たようですな。さぁさお二人さん、

席のほうへどうぞ。」

「うん、なんか悪いなぁ。」

2人は少し遠慮気味になりながら席についた。

「どうぞ、お好きなだけ召し上がってください。

こんな田舎料理が口に合うかは分かりませんが。」

「いただきまーす。」

2人は手を合わせ料理を食べ始めた。

「うん、なかなかいけるな。」

「はい、おいしいです。」

「そうですか、気に入ってもらえて光栄ですじゃ。」

お腹が空いていたこともあって目の前にあった料理を

パクパクとたいらげた。

「ところでさぁ、この村で泊まれるとこってあるのかな?」

「それでしたらわしの家に泊まればいいですじゃ。

空き部屋かありますから。」

「えっ、いいんですか。そんなにお世話になって。」

「もちろん。大切な客人をもてなしたいですからな。」

「よかったな、マルク。」

「ええ。」

そして2人が食事を終えた頃周りにたくさんいた村人達は

いつのまにかいなくなり村長一人となっていた。

「お二人は、冒険者ですかな?」

唐突に質問してきた村長の表情はさっきまでのうれしそうな顔

とは全く違う神妙な面持ちになっていた。

「そうですけど、何か?」

「いや実はな頼みたいことがあるんじゃ。」

「まぁ、話を聞くだけ聞いてみるよ。出来るかどうか

分からないし。」

「そうか、では...」

村長は重い口を開き始めた。

 

 

 

「この村の大切な物が盗まれてしまったんじゃ。」

「それは宝石かなにかですか?」

「いいや、漬物石じゃ。」

「はぁ、漬物石?そんなもん代わりを探してこいよ!」

「まぁまぁ、ジル。落ち着きましょうよ。」

「ただの漬物石じゃないんじゃよ。その漬物石でつけた

漬物は格別でのう。」

「ちょっと待て、じいさん。いい加減にしとかないと怒るぞ。」

「ジル、失礼ですよ。で、村長さん。誰に盗まれたか

っていう情報はないですか?」

「ああ、それなら分かっとるよ。村のはずれの小屋に

住む魔道士に間違いない。」

「誰かが盗む所を見たんですか?」

「いや、だがこの村中を調べたがどこにも見つからなかったし

盗まれた時期と魔道士がやってきた時期がかなり近い。

あいつしか考えられん。」

「なるほど、分かりました。ごちそうになって

宿の世話までしてもらったし、私達も調べてみますよ。」

「おお、引き受けてくれるか。ありがたい、頼んだよ。」

「おい、マルク!何勝手に引き受けてるんだ...うぐ。」

マルクは笑顔でジルの口を手で塞いで、

村長に礼をして泊まる部屋へ案内してもらった。

そして2人になり、

「どういうつもりなんだ。たかが漬物石のために。」

「村の人が困ってるのだから助けてあげましょうよ。」

「まったく、お人よしだなぁ。

まぁ、急いでる訳でもないからいいけど。」

「すいませんね、わがまま言って。

今日は早く寝て、明日がんばりましょう。」

「おう!」

そうして2人は眠りについた。

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