「いきましたね。」
海賊たちは船上からジルとマルクの歩いている姿を眺めていた。
「ああ、なかなかおもしろい奴らだったな。」
「そうっすね。ところでさっきのお宝の話ってやっぱり
キャプテンホークの財宝っすか。」
「そうだ。お前たちさえ反対しなければの話だがな。」
「それはもちろん...。」
「行くに決まってるじゃないすか!」
海賊たちは声をそろえて答えた。
「半端な気持ちじゃ辿り着けんぞ。なんせ財宝があると言われてる
場所は危険な場所だ。」
「分かってるっすよ。あの世界最悪、魔の海域デビルレーンっしょ。
俺たちで攻略してやりましょうよ。」
「はっはっは。あんなにやる気がなくだらしないお前らが
こんなに気持ちよく応えてくれるとは、これもジル達の
おかげかもな。」
ハーツ船長達はアジトに戻り準備を整えることとした。
「ふぅあああぁぁぁ...。何か海賊船降りたら急に気が抜けたな。」
ジルは歩きながらあくびをすると首を下に振ってだらだらとした歩き方になった。
「そうですけど...。でもダメですよ、もっと元気を出さないと。
はら走ってハーツ船長の言ってた村までいきますよ。よ~い、どん。」
マルクは一人でいきなり全速力で走り出した。
「お、おい、待てよ、もう。」
ジルもマルクを追いかけて走り出したがマルクはすぐに石につまずき前へ倒れた。
「似合わないことをするから。大丈夫か?」
「ええ、ただ転んだだけですから。それより、ジル。
さっきよりは元気が出たんじゃないですか?」
「まあな、お前のおかげだよ。ほら暗くなる前に村へ行こうぜ。」
ジルは起き上がろうとするマルクの手を引っ張って立たせた。
そして2人は村へと向かって歩き出した。
「あ、家らしき建物が見えてきましたね。」
「よし行こう。」
2人は村へと到着した。
そこでは子供たちが楽しそうに走り回って遊び、大人は畑仕事に精をだして
いる姿があった。
「のどかな田舎という感じですね。」
「俺が住んでた村と結構似てるかな。」
「ジルの村もここみたいに平和で穏やかだったんですか?」
「そうだな。昔からモンスターもほとんど現れなかったし他からの争いに
巻き込まれることもなかったからな。本当に毎日が退屈で仕方ないくらい
平和だったぜ。」
ジルは自分の村での生活を少し思い出しながら言った。
ぐうぅぅ~~!
2人のお腹が同時になった。
「お腹、空きましたね。」
「この村、店らしきものが一つも見えねえんだけど。ちょっと聞いてみるか。」
2人は畑を汗かきながら耕している男性に声をかけた。
「すいませーん。」
「ん、お前らこの村のもんじゃねえだな。」
男は珍しい2人を少し怪しげに見てきた。
「あ、俺たち知り合いの船で近くの岸まで送ってもらったんすよ。」
「(海賊のことは伏せといたほうがいいよな。)」
「(ですね。)」
ジルの説明を聞いて納得した男は疑いの表情が晴れ笑顔になった。
「そうだか。この村はサンアルテリア王国の近くだけんど、立ち寄るものなんて
滅多におらんからな。たまにいたと思ったら野菜泥棒だったりするもんで警戒
してただよ。悪かっただな。で、何か用か?」
「私達、お腹を空かせているのですがこの村に食堂かどこかご飯が食べれる
ところはありませんか?」
「そったらことなら家にくりゃええ。ちょうど昼飯時だでな。」
「ありがとうございます。」
ジルとマルクは喜んで男の家へと案内してもらった。
「お帰りー。って、あれ?その人たちは?」
男は出迎えてくれた妻にジルとマルクを紹介した。