ウェアウルフを倒したジル。
「お見事。」
マルクが拍手してジルをねぎらう。
「いや~、それほどでも。」
ジルは頭をかいて照れた。
「よーし。勢いも付いたところで一気に行くか。」
「はいっ。それにしても道中とはいえ大国のすぐ近くに
モンスターが現れるなんて不思議ですね。」
「迷い込むような感じでたまたま出てきたんだろうな。」
「なるほど。きっとそうに違いありませんね。では改めて
行きましょうか。」
マルクが納得したところで再び歩き出した。
そして遂にサンアルテリア王国へと到着した。
「やったー!」
2人は両手を思いっきり天に上げて喜びあった。
目の前に広がる光景は、見渡す限りに立ち並ぶ様々な店や家、
道を埋め尽くすほどの行き来するたくさんの人、
そして国の中心に位置する大きな城と周りを取り囲むようにそびえ立つ
幾つかの塔などの巨大な建物。それは他ではまず見られないという
感じのものであった。。
「これがサンアルテリア王国か。ものすごいデカイんだな。
すっげー、すっげー、すっげー。」
ジルは興奮しっぱなしだった。
「世界一の大国ですからね。現在、国の広さは普通の国の4倍はあると
いいますよ。」
「現在?」
「ええ、この国は内陸にあると同時に発展や人口の増加に伴い周りに
広がっていけるように設計されているのです。昔、私が連れてきてもらった
時よりも少し大きくなっているみたいです。」
「へ~、マルクはよく知ってるよな。」
ジルはマルクの説明に感心した。
「さあ、それでは中に入りましょうか。」
「おう。」
ジルとマルクはサンアルテリア王国の中へと足を踏み入れた。
すると2人の方に向かって歩いてくる者がいた。
「あ。」
「む。」
ワーグバーグだった。
「マルク。貴様、また性懲りもなくメンデル先生に取り入ろうと
しにきたのだな。」
ワーグバーグの表情はすぐに怒りに満ちていった。
「おっさん、マルクにひがんでんじゃねえよ。」
ジルが反発して言った。
「この前は邪魔されたが今回はそうはいかんぞ。
出でよ、岩の牢よ。」
ワーグバーグが右手をジルに向けて魔力を込めると
ジルの周りの地面から岩の柱が数本現れ、ジルが身動き
出来ないように取り囲んだ。
「ぐ、ぐ。な、何だよこれ。動けねえよ。」
「わっはっは、これで邪魔者はいなくなった。今日こそお前を
殺してやる。」
「待ってください。私はメンデル先生に真意を聞くためにここに
来たんです。」
「何をいまさら。しらじらしい。俺が会いに行ったら、『お前は
他の自分だけの道を探せ。』と言われた。どういうことか分かるか。
俺はメンデル先生に見捨てられたんだよ。」
「そんな...。きっと先生には何か深い考えがあって言われたことだと
思いますよ。」
「ええい、黙れ黙れ。自分は後継者に選ばれたからって余裕ぶりやがって。
そういうところがむかつくんだ。今日こそは息の根を止めてやる。」
ワーグバーグは戦闘体制をとった。
「わ、わ、ちょっと待ってくださいよ。」
「『ロックスピア』。」
地中から岩の槍が現れた。