マルクに声をかけた男は挨拶をした。
「初めまして、私はこの図書館の館長をしているリットンと
言います。」
「あ、私はマルクです。ど、どうも初めまして。」
「そんなに緊張しなくていいですよ。マルクさんはこの図書館は
初めてのようですね。」
「はい。」
「それではそこの受付にある館内利用案内のところにいる女性に聞いて
みるといいですよ。それではまた。」
リットンはそれだけ教えるとマルクから離れていった。
「(親切な人ですね。)」
マルクはリットンに好印象を持ちながら受付へ向かった。
「あのー、すいません。」
リットンに言われたとおり館内利用案内の女性に声をかけた。
「初めての方ですね。それでは当館の利用の仕方を説明させてもらいますね。
当館ではこの国の国民に限らず訪れる全ての人に本を読んで頂けるように
なっています。ただし本を借りて外で読みたいような場合は登録申請をして
ください。貸し出しカードを即日発行いたします。もちろん無料で行えます。
貸し出し期間は2週間ですが次に借りたいという方がいない限り何度でも
借りることができます。一度に借りられるのは5冊までです。
最後に本によっては魔力を持った物もありますが、危険なものは別の場所に保管して
いますので安心してご利用ください。」
「説明ありがとうございます。」
受付の女性に礼を言うと本棚の前へ来た。
「(何か分からないけど読んでみよう。)」
マルクは本棚から無作為に一冊の本を抜いて開いた。
ボワッ!
本から煙とともに子供くらいの大きさの怪物が現れた。
「キヒッ、おいら悪魔じゃん。本を開いた奴の命をもらっちゃうよーん。」
マルクの前に開いた本から悪魔が現れた。
「わ、どうしよう。」
「おいらの爪でお前の体を切り刻んでやるよー。」
悪魔は爪をシャキーンと鳴らして見せた。
「すいませんね、マルクさん。」
そこへリットンが突然現れた。
「リットンさん!」
「お前もおいらに殺されたいのー?」
「低級な悪魔め。すぐに闇へ返してやろう。
”出でよ我が本よ。”」
ボンッ。
リットンは体の前に出した手より一冊の本を出した。
「さて悪魔退治の章はと...。」
そう言いながらリットンは本をめくり始めた。
「ヒヒッ。」
悪魔はリットンに向かって爪で攻撃を仕掛けてきた。
リットンはそれをさっとかわしながら本をめくっていた。
「お、あったあった。”悪魔は天からの光によって無に帰る。”」
リットンが本を読むと悪魔の頭上に小さな光の球体が現れて
悪魔に光を照らした。
「うぎゃああ。」
悪魔は光によって苦しみ喘ぎ遂には光に包まれその姿を消した。
パタン。
「ふぅ。」
リットンは本を閉じると一息ついた。リットンの本はまたシュンと消えた。
「マルクさん、怪我はありませんでしたか?」
リットンはマルクを気遣った。
「はい、すぐにリットンさんが来てくれましたから。」
「そうですか。それはよかった。。全ての本をチェックしていますが稀に
見逃してしまうことも恥ずかしながらあるのですよ。本当にすみませんでした。」