dark legend   作:mathto

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「え、そうなの。」

ジルとマルクは少し驚いた。

「もう、そんなこと言わなくていいのに。王女と聞いたら

みんな気をつかって普通以上に私を持ち上げたりして

私のいる前では悪口は言わないし、この仮面だって私が

どうしても剣術を習いたいって言ったら絶対に被らなきゃ

ダメって言われて仕方なく着けてるのよ。他の人はしていない

のにね。こんなんだから周りの人の本当の心が全然分からなく

てすっごい嫌だったのよ。」

メアリーは切実に心のうちを語った。

「そういうことだったのか。どうする、マルク?」

「私は構いませんが、本当にいいんでしょうか?」

マルクは周りを見回してみる。

「い、いけません、メアリー様。あなたはこの国の王女。この国の民

の心のよりどころともいえる象徴なのですよ。そんな勝手なことが

許されるわけありませんよ。」

師範ロンがあわてて否定した。

「だそうだ。これはいっしょに旅するのは無理だな。」

ジルはメアリーに諦めさせるように言った。

「私が自分で行くって言ってるのよ。誰に反対されても関係ないわ。

2人が嫌って言っても無理やり付いていくからね。」

メアリーは強く訴えた。

「しょうがなさそうですね。」

「そこまで言うんだったらな。」

ジルとマルクはメアリーの強い思いを受け仲間にすることにした。

「やったー!ジル、マルク、これからよろしくね。」

メアリーは大喜びでその場を何度も飛び跳ねた。

「あ、それからロン。このことはあなたの好きなように王室の人に

言っといて。あなたには何の責任もないからね。」

「分かりました。お気をつけて。」

ロンは3人を丁寧に送り出した。

そして、剣術道場を後にした3人は。

「それでこれからどうするの?」

メアリーは興味津々で2人に聞いた。

「まだしばらくはここにいてないといけないんだけど、

やることがないんだよな。」

「ええ。」

2人は少し困ったように言った。

「なら私が知ってるとこに連れて行くよ。」

メアリーはジルとマルクを連れて歩き出した。

 

 

 

「全く何なんだよ。さっきの店は!料理は食いにくいは

値段は高いは最低だな。」

ジルは不満を募らせ怒っていた。

「最低なのはあんたたちのテーブルマナーよ。

ナイフとフォーク使ったこと無いんじゃないの。

ステーキを切るのにあんなにガチャガチャ大きな音立てて。」

メアリーもジルとマルクの2人に怒っていた。

「すいません。今まで私たちああいう立派なお店に行ったことが

なかったので慣れてないんですよ。」

マルクは謝り気味に言った。

「マルク、こいつに謝ることなんてないからな。勝手に自分の

好みの店に連れてっただけなんだぞ。」

「しかし...。」

マルクは困った。

「何よ。あの店は本当にいい店なのよ。有名なレストランの案内書

にも三ツ星で紹介されてるんだから。せっかく喜んでもらおうと思って

連れてってあげたのになんなのよ!もうあんたたちにつきあってられ

ないわ。ここでお別れしましょう!」

メアリーは強気で言った。

「じゃあ、さっさといけよ。いっしょにいこうなんてこっちは一言も

言ってないんだから。王室に帰って周りの機嫌取りに頭をよしよしって

撫でてもらえばいいんだよ。」

ジルも負けずに言い返した。

「な、何よ。何よ、何よ、何よっ!そこまで言わなくてもいいじゃない。

う、うううぇぇえーん。」

メアリーは顔を下に向け両手で覆うようにして急に泣き出してしまった。

「ジル。」

マルクはジルを責めるように見て言った。

「ああ、めんどくさいな。俺が悪かったよ。お前の気持ちは分かった

からもう泣くなよ。」

ジルは嫌々ながらメアリーに謝った。

「心から謝ってない...。」

メアリーはボソッとそういうとまだ沈んでいた。

「ええい、本当に悪かったよ。このとおりだ。許してください、メアリー様。」

ジルは思い切ってメアリーの前で土下座した。

「本当にそう思ってる?」

「もちろんだよ。メアリーのような美人が仲間になってホントに嬉しいんだ。

頼むから泣かないで笑顔でいてくれないか。」

ジルはもう必死になっていた。

「うーん、そこまで言ってくれるなら許してあげようかな。」

メアリーは顔を上げると満足そうな表情をしていた。

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